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主婦パートの欠勤を減らすには?ガソリンスタンド店長が実践した従業員満足3つのポイント

1.主婦パートの欠勤を減らすには?ガソリンスタンド店長が実践した従業員満足3つのポイント


 この記事では、主婦パートの欠勤防止のために、従業員満足を高める方法について、私の経験をもとにお伝えします。

 私は以前、ガソリンスタンドの店長をしていました。ガソリンスタンドでは、主婦パートが多く働いていましたが、冬場は子どもが熱を出すことが多く、欠勤が増える傾向にありました。これは、気温が15度を下回ると、大人も子どもも体調を崩しやすくなるからだと言われています。

 欠勤が多いと、業務に支障が出たり、他のスタッフに負担がかかったりするので、できるだけ防ぎたいものです。そこで、私は以下の3つの方策を考えました。

  • 子どもが発熱しないようにする

  • 子どもが発熱しても欠勤できないようにする

  • 子どもが発熱しても欠勤したくなくなるようにする

 しかし、これらの方策には一長一短がありました。詳しく見ていきましょう。

■子どもが発熱しないようにする

 この方策は、パート先企業が母親に対して健康管理指導を行うことで、子どもの体調を整える方法や、病気の予防や対処法を教えるというものです。これは、母親が子どもの健康管理について知識や情報が不足している場合には有効です。

 しかし、多くの母親は自分なりに子どもの健康管理に気を配っていると思いますし、パート先企業の健康管理指導を受け入れるかどうかは個人の判断になります。また、子どもの体質や環境によっては、どんなに気をつけても発熱することがあるでしょう。したがって、この方策は限界があると言えます。

■罰則を設けて子どもが発熱しても欠勤できないようにする

 この方策は、欠勤した主婦パートに対して罰金や減給などの制裁を科すことで、欠勤を抑制するというものです。欠勤に対するペナルティを重くすれば、母親は子どもの発熱にもかかわらず、無理して出勤するかもしれません。

 しかし、この方策は、労働基準法違反やモチベーションの低下につながる可能性が高いです。労働基準法では、減給の制限が定められており、一回の減給金額は平均賃金の1日分の半額を超えないことや、複数回の規律違反でも、減給の総額は1回の賃金支払期間につき1/10以下であることが求められています。

 また、罰金を科すことは、従業員に対して不信感や恐怖感を抱かせ、仕事への意欲や責任感を失わせる恐れがあります。また、罰金制度は、従業員の自主性や創造性を阻害し、パフォーマンスの向上につながらない場合もあります。

■従業員満足を向上させて子どもが発熱しても欠勤したくなくなるようにする

 この方策は、母親が仕事に対して満足感や、やりがいを感じることで、欠勤を減らすというものです。子どもの発熱は欠勤の原因ではありますが、欠勤の意思決定には、仕事へのモチベーションも影響します。高いモチベーションがあれば、母親は子どもの健康管理に対し、今以上に配慮することや、発熱しても面倒を見てもらえる人を準備しておくことなどが期待できます。

 私が店長を担っていたガソリンスタンドでは、この方策を実践し、従業員満足の向上によって、主婦パートの欠勤が飛躍的に減少しました。以下で、従業員満足の構成要素である、標準化、能力開発、モチベーションの充実について、実例をもとに述べていきます。

・従業員満足その1標準化

 標準化とは、業務の手順や品質を統一することです。ガソリンスタンドの業務は、マニュアルだけでは対応しきれないことがよくあります。人間とのやりとりが多いので、状況に応じて自分で判断して行動する必要があります。しかし、その判断が人によってバラバラだと、顧客にとって不満や不信感の原因になります。

 私がガソリンスタンドの店長をしていた時に、オイル交換をした顧客に「車を無料で洗ってほしい」と言われたことがあります。私は「洗車は有料です」と言いましたが、「前はタダでやってくれた」と言われました。このように「オイル交換に対してどのようにお礼をするか」という判断が、スタッフによって違うと、顧客にとって不快な思いをさせることになります。

 スタッフの判断を統一することは、業務の標準化につながります。そのためには、「自店がどんな目的で存在しているのか」という問いの答えであり、自店の使命を明確化した経営理念が重要です。これが策定され、浸透していれば、スタッフは、マニュアルにないことが起きても、経営理念に沿って判断できるようになることが期待できます。

・従業員満足その2能力開発

 能力開発とは、スタッフのスキルや知識を高めることです。その方法としては、OJTがあります。OJTとは仕事をしながら能力開発を図る「オン・ザ・ジョブトレーニング」の略ですが、ベテランのアルバイトスタッフをトレーナーにして、そのままメンターとして活動していただくという方法を提案します。

 まず、トレーナーとしてのマニュアルを準備して、新人の主婦パートをベテランのアルバイトスタッフに指導していただきます。トレーナーを担ったアルバイトスタッフは常に現場にいますから、一通りOJTを終えても、主婦パートのアフターフォローをしていただくことでメンターとして機能し、主婦パートも心強さを感じることができます。

 その主婦パートがある程度キャリアを積んだら、OJTのトレーナーを担っていただきます。これにより、教えながら自身のスキルや責任感の向上が期待できます。

・従業員満足その3モチベーション

 モチベーションとは、仕事に対する意欲ややる気のことです。モチベーションが高ければ、仕事の質や量も向上することが期待できますので、その要因を理解することが、モチベーションを高めるための第一歩です。

 モチベーションの要因については、様々な理論がありますが、ここでは、ハーズバーグ氏の「動機付け=衛生理論」を紹介します。この理論は、仕事に対する満足と不満足は別の要因によって決まるというものです。

 「動機付け要因」は、仕事に満足感を抱く要因で、達成感や承認などがあります。「衛生要因」は、仕事に不満足を感じさせる要因で、給与や人間関係などがあります。

 この理論によると、モチベーションを高めるには「動機付け要因」を充実させることが重要です。「衛生要因」を改善しても、モチベーションはマイナス幅が減少するだけで、プラスにはなりません。

 私が店長を担っていたガソリンスタンドでは、動機づけ要因である、承認、責任、達成感、仕事のやりがいなどを与えることで、モチベーションを向上させました。具体的な取組みは以下の通りです。

  • 承認:スタッフの行動に関心を持ち「今日は〇台のお客様に声を掛けていましたね」など、事実を伝える。

  • 責任:販売目標を達成する方法を自由に決めることが出来る権限を与え、目標達成の責任を持っていただく。

  • 達成感:販売目標達成のためのサポートを行う。達成したら「達成しましたね」と声を掛け、達成感を高める。

  • 仕事そのもの:ある程度経験を積んだら、販売だけでなく、指導や管理といった業務も与えて、仕事のやりがいを高める。

■まとめ

 以上が、主婦パートの欠勤防止のために、従業員満足を向上させる方法について、ガソリンスタンドの事例をもとに紹介した内容です。標準化では、経営理念の策定と浸透が重要です。能力開発では、OJTを通じたメンター制度が有効です。モチベーションでは、動機付け要因に注目することが効果的です。

 これらの取り組みを参考にしていただき、主婦パートの欠勤が減少し、業績拡大につなげていただきたいと思います。ご質問やご意見がありましたら、下記に示した弊社ホームページよりお気軽にお聞かせください。

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