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持続化補助金の計画書記載例(窯業)から紐解く採択のポイント(5)

 小規模事業者持続化補助金(持続化補助金)に採択されるためには、作成した計画書の審査を通過する必要があります。そのためには高い完成度の計画書を作成する必要がありますが、当記事では<経営計画>「4.経営方針・目標と今後のプラン」をどのように記載するべきかを述べていきます。

 当欄の記載で陥りやすいのは、補助金を使った事業(補助事業)の説明に終始してしまうパターンです。補助金を得るために計画書を作成するわけですから、補助事業に意識が向くことは当然のことと言えます。ですが、その補助事業を含めた経営全体に目が向いていないと「木を見て森を見ず」の状態になってしまい、経営自体が上手くいかないことが予想され、結果として採択が遠のくでしょう。よって、当欄には自社の経営全体の計画を記載することが重要です。

 当記事では、以下の持続化補助金ホームページからダウンロードできる窯業の計画書記載例をもとに、当欄をどのように記載するべきか述べていきます。

【商工会議所管轄地域で事業を営んでいる方向け】

【商工会管轄地域で事業を営んでいる方向け】

1. 持続化補助金の計画書記載例(窯業)から紐解く採択のポイント(5)

持続化補助金の計画書記載例(窯業)から紐解く採択のポイント【経営方針・目標と今後のプラン編】①見出しを設ける

 当記載例では「経営方針」「今後のプラン」と見出しを設け、その下に詳しい説明を盛り込んでいます。このように見出しを設けることは、内容が区分けされ、読み手としては何について書かれているのかが把握しやすく、計画書の理解が進みやすいため、採択の可能性を高めると言えるでしょう。

持続化補助金の計画書記載例(窯業)から紐解く採択のポイント【経営方針・目標と今後のプラン編】②目標の達成期限と目標数値を示す

 当記載例には「2024 年●月期の売上目標●●万円」と示されていますが、目標は達成することが前提ですので、達成する時期として「2024 年●月期」という記載があります。また、達成するということは達成率が100%以上になることを意味しますので「売上目標●●万円」と数値で示すことも大事なポイントとなります。

 なお、仮に達成できなかった場合は達成率を踏まえた対応を取ることができます。例えば達成率が99%の場合であれば、なぜわずかに100%に届かなかったのかを検証して、翌期に活かすことができますし、達成率が10%の場合であれば、目標は適切なものだったのかを検証することになるでしょう。

持続化補助金の計画書記載例(窯業)から紐解く採択のポイント【経営方針・目標と今後のプラン編】③外部環境と強みを踏まえる

 当記載例では「2.顧客ニーズと市場の動向」でウクライナ情勢の影響による物価高騰に関する内容を述べ、「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」で高い技術力や自由な発想が出来ることを述べています。

 そして、今回見ている「4.経営方針・目標と今後のプラン」に設けた「経営方針」という見出しの下で、高い技術力があることや自由な発想ができることを活かすとし、「今後のプラン」という見出しの下でウクライナ情勢の影響による物価高騰への対応を記載しています。

 このように、外部環境と内部環境の強みを踏まえることで、全体の整合性が高まり、完成度の高い計画となるため、採択を引き寄せると言えるでしょう。

 今回の記事では、窯業の計画書記載例を用いて、<経営計画>「4.経営方針・目標と今後のプラン」の記載ポイントとして、①見出しを設ける、②目標の達成期限と目標数値を示す、③外部環境と内部環境の強みを踏まえる、を述べました。次回は<補助事業計画>「2.販路開拓等(生産性向上)の取組内容」の記載ポイントを見ていきます。

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