環島の感想と要点について
自転車による環島(台湾一周)について総括してみます。
1 感想
例によってお手軽な達成感はそれなりにあります。お世辞半分だと思いますが、台湾の人に「自転車で環島してきた」というと「すごすぎる。自分じゃできない」と驚いてくれもします。が、実際は休みを使って遊んでただけなので。。。寝正月よりはましじゃないですか、というところで。
そういうお手軽な達成感のことは除くと、正直西部は「また走りたいか」といわれると疑問符がつく感じではあります。三峡や大渓の古い町並みとか、西螺大橋とか、ところどころ心に残っている風景はあるけど、基本平坦で退屈な道をひた走る感じというか。
高雄までくると大分田舎になったなという感じで、大分気持ちよく走れたと思います。恆春は寄り道ルートですが、海角七号とかで特に行きたいとかでもなければ正直日本からわざわざ訪れるほどかなという気はしました。墾丁はちとめんどくさくなって足を伸ばしませんでしたが、ビーチとかダイビングとかそういうのが好きな人にはいいのかな。
恆春から台東までは、雨さえなければ最高だったと思います。寿峠という400mちょっとの峠はありますが、まあこれは初心者でもそう問題ないのではと思いますし、晴れたらなにより景色が素晴らしいでしょう。東海岸に降りてくると海沿いルートを延々と進み、多少アップダウンがありますが、景色は最高で、晴れていればもっと良かったと思います。途中原住民の結婚式に遭遇しましたが、こういうのはいいですね。
台東、池上、玉里あたりは景色も、人も最高でした。台東は失礼な話、陸の孤島のようなところだと思います。ただ原住民らしき人も多く街にとけこんでいるし、時間があればまたゆっくり滞在してみたいなと思わされるところでした。大体夜は各地のバーに行ってましたが、台東と玉里のバーが一番盛り上がったし、仲良くもなれたと思います。今度は台東から花蓮まで11号線の海沿いルートを走ってみるのもいいなあ。
花蓮まで来ると、蘇花公路の最高さは別記事で詳しく書くのでいいと思います。今度はタロコから武嶺までヒルクライムしたい。
宜蘭から台北はウィニングロード的というか、もう終わり感があったので、あまり冷静でないかもしれません。宜蘭でなくて礁溪に泊まって温泉を堪能するとかでもいいかもしれません。頭城からはしばらく海岸線ルートで、これも雨じゃなければ最高だったと思います。雨じゃなければそのまま海岸線を通って基隆に行くのもアリかもしれませんでした。
2 日程
雨の日も走る前提で、一日100キロは普通に走れるという人なら毎日走る前提で9、10日で考えるのがいいと思います。これだと観光の余裕はほとんどありません。
怪我がなければ僕のもともとの予定は9日程度でした。ざっくりと次のような考えでした。①台北―新竹、②新竹―台中、③台中―台南、④台南―恆春、⑤恆春―台東、⑥台東―花蓮(ここは曖昧で、多分170キロあるので実際は厳しかった)、花蓮から蘇澳は電車移動で、⑦花蓮(実質蘇澳)―台北。⑥を補うのと予備日的で9日という感じです。
実際は10日で、①台北―新竹、②新竹―台中、③台中―後壁(嘉義の少し先。ここで鎖骨おる事故で中断)、④嘉義―高雄、⑤高雄―恆春、⑥恆春―台東、⑦台東―玉里、⑧玉里―花蓮、⑨花蓮―宜蘭、⑩宜蘭―台北というものでした。正直ロード初めて4ヶ月だった3年前はともかく、今だとかなりゆとりのある日程でした。だいたい朝ゆっくりして10時くらいに出て、16時か17時くらいには目的地に到着しているくらいのイメージです。初心者でちゃんとしたヒルクライムも未経験だった3年前でも、早起きして続けていれば達成できた日程だと思います。だいぶしんどさは違うでしょうが。
今回は④から再開して、11日の休みで前後2日は渡航の移動のみでしたから、環島は7日で達成し、台北で2日丸々ゆっくりできました。そう思うと、恆春付近の散策とか、台東付近の散策とか、花蓮付近でタロコに行くとかいうこともできたと思います。ただ、日程に余裕がないと心配なので先を急いでしましました。
最も考えられる最短のルートは、①台北ー台中、②台中ー台南、③台南ー恆春、④恆春ー台東、⑤台東ー花蓮、⑥花蓮ー宜蘭、⑦宜蘭ー台北という7日間くらいでしょうか。大体一日150ー170キロくらいづつのルートです。今の僕ならやってやれないことはないと思いますが、早起きして手とかケツが痛いのを我慢しながらという感じになるのが想像つきます。
西海岸はわりと潰しが効きやすいかもしれません。東海岸(④ー⑦)はよほどの田舎町に泊まる前提ならともかく、正直これ以上の短縮ルートは作りにくいのではと思います。強いていうなら④を台東の代わりに池上とか玉里にして、⑥を省略して⑤で一気に蘇澳まで行っちゃうとか。これなら6日で回れないこともありません。
3 時期
時期的には、個人的には国内で走る気にあまりならない冬だからこそ行くという消去法で決まっています。夏は暑すぎて嫌というか夏台湾に行くくらいなら涼しい北海道に行くでしょう。春秋はありかもしれませんが、これも個人的にはこの時期にあえて台湾をチョイスする理由が乏しいです。この時期ならヨーロッパとか、冬だと寒くて行けないところに行こうと思うかな。
この時期をチョイスすると問題なのが北風と雨。東海岸では延々と強風にやられます。風くらいなら別にいいんですが、雨はやっぱり辛い。冬の台北はもちろん、宜蘭は雨ばっかりと現地の人から異口同音に言われたので(ほんとかしりませんが、宜蘭の人は晴れてたら友達と食事してても中止して洗濯しに行くとかいう人もいました)特に北に近づくと雨が多くなるんでしょう。こればっかりはしょうがないかなと思っています。調べてませんが、春秋に行けば風はまともでしょうし、雨も少ないのかもしれません。
4 宿泊・食事
上記に案内したルート上であれば、1泊2000円以内のゲストハウスもありますし、もちろんより高級なホテルもあります。私は当日到着が確実になった段階で、スマホで検索して予約していましたが、特に問題はありませんでした。ただ、年末年始は台湾も3連休だそうで、全国的に宿泊代が爆発的に上がりますし、空室も少なくなります。このため、今回は30日の嘉義、31日の高雄だけ予め予約してありました。
日本でもそうですが、日常的に食べられているものが一番合理的にうまいのです。円安ですがまだ物価は安いので、朝昼は500円、夜は1000円出せば十二分な量と質の食事にありつけると思います。朝食も外食が基本の台湾なので、日本のようにコンビニのおにぎりで朝飯にするということもありません。
5 装備・携行品
極力荷物を減らしたいという思想のもと、長袖インナー、半袖ジャージ、ビブショーツに加えて薄い長ズボンとTシャツ1枚、下着と靴下の替え1つずつにしました。洗濯はホテルでできるか、大体ランドリーがあるので困らないと思います。ただ、乾燥機がないホテルもあったので、Tシャツの乾きが悪くて少しこまりました。乾きのいいTシャツにした方がいいです。
比較的大容量のサドルバッグのほかに、小さいリュックも背負っていました。リュックはもっぱらノートパソコンを入れるためです。仕事はちょくちょくしなければならなかったので、持って行きました。軽いとはいえ、5時間くらい背負っているとやはり肩に来るので、できればサドルバッグに全部入れてしまうのが理想です。実際3年前はスマホ用のブルートゥースキーボードを買っておき、パソコンは省略しました。
私の荷物は明らかに最小限の部類です。大きめのパニアなんかを使っている人が多数派のようには思いました。しかし、10日以内の一周なら上記荷物で困らなかったという印象です。Tシャツは乾きやすい薄手のもの2枚にしても良かったと思いますが。
ただ、国際線用の輪行バッグ含めた多少の荷物は台北で馴染みのゲストハウスに預かってもらっています。
6 その他
通信はahamoにしたので、追加料金一切なくそのままローミングができました。これが最強でしょう。
もちろん現地のシムも大した値段ではないですし、事前にamazonで買うことも、空港で仕入れることもできるのでその選択肢でも構いません。
ルートは基本わかりやすいので、携帯をナビ代わりに使うことはありませんでした。したがってモバイルバッテリーも不要でした。持っていくなら、アンカーの丸形とシリコンバンドでいいかと思います。
https://www.ankerjapan.com/collections/mobilebattery/products/a1109
https://store.shopping.yahoo.co.jp/dienstore/dien-6593430.html
ルート上には「環島1」の案内が出ているので基本間違いにくいと思います。が、時々見落としたり、肝心なところに看板がなかったりするので、ナビがあったほうがいいのはいいでしょう。ただ、もともと個人的に方向感覚はかなりよい方ですし、車でもナビを使うことは稀なので、そういう前提で不要でした。
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