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ビスポークスーツ(フルオーダースーツ)を女性に提案する意義

ビスポークスーツとは・・
フルオーダースーツとも言う。
お客様との対話を通して作るスーツ。
手縫いを多用したスーツ。
オーダーメイドは和製英語で、海外では通じず、ビスポークと呼ばれる。

これらのとこはネットにも書いてありますが、

ビスポークには
「工場で出来ないことに対応する」
というニュアンスが大前提にあります。

「オーダーメイドスーツ」と謳うところが沢山あり、
売価もピンキリで違いが分からず、混乱されておられる方も多いと思います。

◆パターンオーダー
(既製服に袖丈、ウエスト周りなど若干の変更が可能・・工場生産)

◆イージーオーダー
(既製服に体型補正をしたもの。撫で肩、怒り肩、反身、屈身などを加えたもの・・工場生産)

◆ビスポーク(フルオーダー)
(仮縫いで緻密な補正をかけ、手縫いで永続性を目指すもの・・少人数の職人による生産)
という分かれ方をしています。

ビスポークのニュアンスからは、体型に則したきめ細かな対応を施したパターン(型紙)の設計技術、細部まで拘り抜いたディティール、そして何よりも着る人の個性を活かすことが大切になります。そうでないと、わざわざ服をオーダーしていただく意味がありません。


ビスポーク仕立てのレディーススーツ

そこでなぜ長年男性に向けて作られていたビスポークスーツを女性に向けて提案するのか・・
パターンオーダー、イージーオーダーではなくビスポークなのか・・
3つ理由があります。

① テーラードというアイテムで、男性用のビスポークスーツに引けを取らない「完成度の高いもの」がレディースに少なく感じます。
特に肩~胸~ウエストにかけての美しさの追求において・・

テーラー業界は昔から男性中心で、レディースを作る知識が不足している方が多数です。これは何もおかしな事ではなく、服飾業界は分業制なので、アパレルでレディースに関わっていた人がメンズ、特にテーラーの知識がないのと同じです。

男性より女性の方が当然バストとウエストの差「ドロップ」が大きく、その部分を技術的に難しい、苦手とされるテーラーの方が多いのは事実です。
ビスポークならその部分を埋めるもの作れる・・女性に提案する意義になります。

② 生地はいいものを使っていても簡易な仕立てで、高額な値段の割には長く着用できないものが市場には多く出回っています。その一方で、ビスポークスーツを仕立てる仕事をしている人達は、そのアイテムを長く着用していただくことを念頭に技術を駆使します。

テーラードジャケット一着の縫製に70~80時間をかける世界。
年数が経っても美しくあることを求められる世界。
シンプルなものは情報が沢山詰まっている。
普通のレディーススーツにはない、
ビスポークにしかない技術を活かせたら「格調高い美」を提示でき・・女性に提案する意義になります。

③ 何よりも「歴史ある技術」を駆使し、「奥ゆかしい美しさ」を表現した紳士服地、それを裏で支える付属類、その素晴らしさを一人でも多くの方に知っていただきたいとの想いがあります。

男性用のアイテムの材料としてカテゴライズされていることが、非常に勿体ない。着る人の用途、個性に合わせた生地の選択、ベストバランスを探る設計、長期の使用を考えた縫製。
その材料となる紳士服地や付属類をビスポークの技術を使い、レディースという形で活かせたら・・女性に新しい未来提示ができます。


背広(テーラード)というアイテムに於いては、微妙なラインを見分ける力が必要で、レディースほど分かり易くありません。
でも、深く分からなくても「綺麗」って思ってもらえて、感性の共有ができたらこれ以上の幸せはありません。


立ち姿、座り姿、全方向から「美」に対峙します









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