信じる心
前回新たに部下となった子が手強いなぁと書きました。
年が明けて2週間が経過しましたが、ある変化が生まれました。
やはり俺には先入観で接するのは性分として無理なので、これまでの部下たちにしてきた様にオンオフを分けて接するスタイルで対応する事にしました。周りの人間は変わらず頭ごなしに彼に対して物言いをするのですが、俺はそんなことはせずに友達感覚というよりはお兄ちゃん的な感覚でこの2週間過ごしています。
そうしたらどうでしょうか。
問題児として引き継ぎを受けた彼が、まだまだ要領は得ないものの積極的に作業をこなし、報告をし業務を完結できるようになったのです。こんなの本来なら当たり前の事ですよ、そりゃ。でもね、こちらが当たり前だと思っていてもそうじゃない人もいるんです。そこに気付かないと接し方を誤ってしまい、環境さえ整えば発揮される能力を封殺してしまうことになるのです。まさに彼に対してこれまでの上司や周りの人がしてきた指導の仕方がそれだったのだと思います。
俺は基本的に仕事は楽しくしたい人間なんです。上下関係はありますが、それは責任の所在であって、仕事に対する取り組み方としてはみんながフェアでなければいけないと考えています。そして上に立つものの責任は、部下が仕事をしやすい環境を整えてあげる事です。
そこで最初に彼と接したときに目線を合わせない喋り方、勝手に済ませてその場から去ろうとする姿勢から、接し方はこれしかないと思いました。とことん仲良くなってやろうと。上から目線な言い方ですが一応上司なので、君がそういう態度ならこっちから友達感覚でいってやろうじゃないかと(笑)
変化が表れたのはほんの3日前くらいからですね、当直業務があるのですがその引き継ぎの時に、これまでだったらこちらから探しに行くまでタバコを吸いに行ったりと休憩から帰ってこなかった彼が、しっかりと作業スペースで引き継ぎの準備をして俺の出勤を待っていたのです。そしてきちんと目を見て話をし、この後の作業予定やプライベートにおいてどういうことがあるかなどを話してきたのです。
嬉しくなりますよね。これまで誰もが手を焼いてきた子に転勤してきてわずか1ヶ月も経たずに心を開いてもらえて、笑顔で話をしてもらえたんですよ。
この様子からも本来であれば次席やその下に指導を任せていこうかなと思っていたのですが、それをやめてなるべく自分でもう少し指導を担っていこうかなと思います。
使えない部下、仕事の出来ない部下なんてものは存在しないんです。
そこには必ず仕事の任せ方、人としての接し方の間違いが存在しているのです。
これまでも色んな部下を育ててきましたが、その間に自分も部下に育ててもらいました。経験を積んだお陰で、接し方の気付きが出来ましたし、心の余裕が生まれました。
もし部下が失敗を繰り返す、指示を守らないなどの問題が気になるとしたら、まずは自分の伝え方、指示の仕方が間違っていないか心に問うてみましょう。
・誠実さや真心、人の道に背くところはなかったか
・発言や行動に、過ちや反省するところはなかったか
・物事を成し遂げようとする精神力は、十分であったか
・目的を達成するために、惜しみなく努力したか
・怠けたり、面倒くさがったりしたことはなかったか