当たり前じゃなかった光景
当たり前だと思っていたものでも、あちこち訪ねているうちに素晴らしさがわかったものがある。そのうちの1つが宮城県仙台市で行っている「光のページェント」だ。
定禅寺通りという大きい通りで毎年12月に行っているイルミネーションである。ケヤキ並木が通りの両脇の歩道にそれぞれ1列ずつ、遊歩道になっている中央分離帯に2列の計4列に並んでいる。そのケヤキ並木がイルミネーションされているものだ。
網状の電飾を上から木にかけたものではない。ケヤキの枝一本いっぽんに丁寧に這わせてあるのだ。ケヤキの枝はイチョウの葉のように扇形に広がっているので、空を覆う「光のトンネル」になる。
中央の遊歩道をゆっくり歩いて見物する。歩くだけなのだがこれが楽しい。
一本いっぽん丁寧に飾られていることで、光の粒がランダムに散らばる。規則性がないことで、手元から天まで光の粒が広がっているように見え、地上と空の境がなくなる感覚になる。
冬になると並木のイルミネーションはあちこちで行われているが、天も光の粒で覆われていて、空の方向にも奥行きを感じるものはなかなかない。ケヤキの木の大きさや植えられている間隔なども関係していると思う。
幼い頃からみていた光のページェント、気軽に行けなくなった途端に素晴らしさがわかってしまった。当たり前にどこでも見れるものではなかったあの光景、冬になる度に恋しくなる。
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