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相性の悪いレンズ"Apo-Macro-Elmarit-R 100mm F/2.8"
何にでも相性というのはあるものである。あの人とは合わないとか、この人とは合うとかは日常的に出る言葉であろう。道具に対しても同様だ。例えばキーボード。かの有名なHHKBでも人によってはこれは打ちやすいと言ったり、人によっては打ちにくいと言う。ちなみに筆者は打ちにくいと思っている方で、大学院時代に研究室のPCに備え付けられているキーボードを、Emacs狂信者の教授(Pascal好きでもあるので、つまりは変人だった。)によってHHKBに強制変更された際はひどく辟易した記憶がある(筆者はVim派)。
閑話休題。この相性問題だが、レンズに於いてもあると思う。筆者はApo-Macro-Elmarit-R 100mm F2.8と相性が良くない。このレンズはライカ純正なのだが、Rマウントなのだ。Rマウントと言うと最近だとCanonのミラーレスレンズのことを思い浮かべるかもしれないが、はるか昔にライカから発売されていた一眼レフカメラも"Rマウント"なのだ。ただ、ライカのRマウントだが、Mマウントの比べると、その評価はあまり芳しくなく、2002年のR9を最後に表舞台から消えていった。(ただし、その遺伝子はSやSLに残ったので、単純に失敗とは言い切れないところがある。)
微妙な感じのRマウントだが、その微妙さゆえにライカ純正にも関わらずレンズが異様に安いという状況がある。例えば、Rマウントの中古相場ではSUMMICRON-R 50mm F2は5万円以下、SUMMILUX-R 50mm F1.4も15万円以下だ。Mマウントが中古相場はSUMMICRON-M 50mm F2は25万円、SUMMILUX-R 50mm F1.4は40万円なので間違いなく破格であろう。しかも、Rマウントはレフ機のレンズなので、"被写体に寄れる"のである。この被写体に寄れるという事実は、ライカ購入当時になんとかテーブルフォトを撮れないか模索していた筆者に刺さった。Rマウントについてあれこれ調べて、最終的に、テーブルフォト用にMacro-Elmarit-R 60mm F2.8と好きな作例に多く使われていたApo-Macro-Elmarit-R 100mm F2.8を購入した。マップカメラで。二本で35万円だった(この時は購入することに夢中で、後になってからRマウントなのに全然安くなかったことに気づくことになる。)。このApo-Macro-Elmarit-R 100mm F2.8が鬼門だったのだ。
なお、先に言っておくが、筆者は作例を見て買ったと書いたとおり、Apo-Macro-Elmarit-R 100mm F2.8が描き出す描写(シャープなピント&トロけるボケ感)は好きなのである。何が気に食わないかと言うと、マクロレンズ特有のネットリとしたピントリングの動きが生理的に合わないのだ。もちろんこれは、筆者だけの感覚だ。そもそも、非常にピントがシビアなマクロ撮影で使われるレンズは、手が触れたなどで簡単にピント位置がずれないようにネットリとしたピントリングの動きが求められるのだ。頭の中では理解していたが、いざ自分が使ってみる立場になると、「早く動け!」とイライラとしてしまうである。繰り返すが、悪いのはレンズではなく、どちらかと言うと筆者だ。これまで何度もこのネットリとした動きに慣れようと使ってみたが、あまりフィットしてこなかった。そういう意味で筆者と相性が悪く、次第に持ち出さなくなってしまったのだ。思いきって売ろうと思ったが、売却額が5万円だったのも納得いかず、防湿庫で冬眠している状況だ。描写は素晴らしいのでごく稀に持ち出すこともあるが、半年に一回くらいだ。さて、このレンズはどうしたものか。
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— 万年フラれ太郎@ライカびと (@OSamphoto1) October 13, 2020
それでは、良き写活と良きnoteライフを。
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