数字をどう捉えるか
どーも!りょーです!
今回は数字についての内容です。
ここで言う数字が何かと言うと“検査・測定の結果”や“バイタルサイン・検査値”など対象者の状態を表す数字のことを指しています。
対象者の状態を表すために客観的指標として、様々な数字を学生の時から臨床に至るまで扱います。
何かしらの数値を出すことができれば具体的な評価や目標設定が出せます。
しかし、数字ばかりを気にしていると、その状態の本質に気づけずにベストな介入ができない場合があります。
そこで、私なりの数字の捉え方について話していきます。
| どのようなケースがあるか
例えば…
ROM測定で肩関節屈曲が125°
日本整形外科学会の参考可動域と比較するともちろんROM制限を認めています。
しかし、この情報だけではどういった背景で125°にいたったのか判断できません。
腱板断裂後でやっと125°まで上がるようになった(改善傾向)のか、肩痛のため数日前から肩が上がりにくくなってきた(悪化傾向)のか、円背のため何年も前から125°までしかあげることができなかった(現状維持)のか。
このように対象者の背景次第で125°という数字は色々な意味を持つようになります。
| 比較してストーリーを感じる
数字を捉えるポイントは比較することです。
先程の例でいくと…
現病歴、経過、反対側の角度、姿勢などを確認すると肩関節の状態についてストーリーが見えてきます。
比較する対象は様々で…
●基準値・参考値
●異常値・カットオフ値
●前回の数値
●反対側の数値
●関連のある別の数値 など
その状況にあった他の数字と比較して、現在の数字にストーリーを作り解釈すると現状を正しく理解することができます。
| 数字だけでは語れないもの
数字について話してきましたが、もちろん数字だけで全てが語れるわけではありません。
今まで話してきた内容は定量的データについてです。定量的データとは数値として表すことができる情報を指します。
データの種類にはもうひとつあり、定性的データと呼ばれます。定性的データとは数値で表すことができない質的な情報を指します。
定量的データでは比較して情報を把握すると話してきましたが、定性的データではその情報を分析することができます。
再び先程の例で行くと…
動作パターン、自覚症状、最終域感(endfeel)、軟部組織の触診などを確認するとROM制限の原因を分析することができます。
そのため、検査・測定をする際には種々の定量的データを確認することと同時に、問診や触診、観察を行い定性的データも入手することが、対象者の状態を把握することに非常に大事なポイントだと考えています。
今回は数字について私なりの捉え方を話していきました。
常に数値にストーリーを作ること、分析を行うことを念頭に置き対象者の状態を把握する能力を向上させていきたいですね。
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