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好きな俳句厳選

好きな俳句を厳選しました。
下記の形式で記載しています。

俳句

作者/歌集
(歌集が手に入らない場合、俳句が読める本)

夏嵐机上の白紙飛びつくす 

正岡子規 /子規句集

春の海終日 ひねもすのたりのたりかな

与謝蕪村/蕪村句集

かの鷹に風と名づけて飼ひ殺す

正木ゆう子/悠HARUKA
角川俳句大歳時記 冬

明治は存し大正は夢水中花

百合山羽公

蜃気楼青き一郭より崩る 

大石悦子/鶴
(角川俳句大歳時記 春)

仰山に猫ゐやはるわ春灯 

久保田万太郎/流寓抄
久保田万太郎俳句集

ひらひら蝶はうたへない

種田山頭火/種田山頭火句集

殺さないでください夜どおし桜ちる

中村安伸/新撰21
愛と恋  黒瀬 珂瀾 編)

ひかり野へ君なら蝶に乗れるだろう

折笠美秋/君なら蝶に
愛と恋  黒瀬 珂瀾 編)

君はいま大粒の ひょう、君を抱く

坪内稔典/落花落日
愛と恋  黒瀬 珂瀾 編)

この樹登らば鬼女となるべし夕紅葉

三橋鷹女/魚の鰭
新版 角川俳句大歳時記 秋

スナフキンはミイのおとうと遠花火

荻原裕幸/Twitter

青空に触れて噴水折れにけり

黛まどか/北落師門

春雷や胸の上なる夜の厚み 

細見綾子/冬薔薇
(角川俳句大歳時記 春)

春服のリボンのほどけやすきかな 

山口蜜柑/風を孕め

涼しさや鐘をはなるる鐘の声

与謝蕪村/蕪村句集
(角川俳句大歳時記 夏)

シャーロックホームズ気取り霧を行く

田代青山/人魚

蘭鋳 らんちうの爆発寸前のかたち

奥坂まや/縄文
(角川俳句大歳時記 夏)

手毬唄かなしきことをうつくしく 

高浜虚子
角川俳句大歳時記 新年

花衣ぬぐやまつはる紐いろいろ

杉田久女/杉田久女句集

入れものが無い両手で受ける 

尾崎放哉/尾崎放哉全句集

夏痩せて嫌いなものは嫌いなり 

三橋鷹女/向日葵
(角川俳句大歳時記 夏)

てふてふや花盗人をつけてゆく

横井也有

さくらの夜エンドロールの微熱かな 

関千賀子/翅音
(角川俳句大歳時記 春)

五月雨の振り残してや光堂 

松尾芭蕉/おくのほそ道
(角川俳句大歳時記 夏)

秋晴れの底辺×高さかな

川村研治 ぴあにしも
(現代俳句 令和4年 2月号)

ごぐま社やひつじ書房や麦青む

ゆりかもめ
(夏井いつきの365日季節手帳 2022)

百年後全員消えてヰて涼し 

小澤實/俳句年鑑
(角川俳句大歳時記 夏)

たれも見ぬ深山の蛍火になれるか

正木ゆう子/玉響たまゆら

よき枝のあれかし旅の夜の鷹に

正木ゆう子/玉響たまゆら

俳句、お叱りを受ける覚悟で私の認識をめちゃくちゃ乱暴に言うと"季語として定められた言葉を使っていかにエモいことを言うか大喜利"だと思っていまして。雨さんに殺されそう。

歳時記というルールブックに従い、世の中に数え切れないくらいある言葉をガチャガチャ組み合わせて遊ぶ可能性無限大おもしろゲームの感覚で作っています。

しかしこれが難しい。
モノボケのように、帽子を渡されて「帽子から鳩が出ました」というような誰でもすぐ同じ発想をするだろうことを言ってもふーんになってしまいます。

五七五以内で季語と合わせる言葉が季語に近すぎてもだめで、遠すぎてもだめ。他の人が思いつかないような斜め上の組み合わせを示し驚かせて、しかし確かに共通認識がある、納得があり腑に落ちる言葉の組み合わせを作るゲームなわけです(私の俳句の遊び方の話)。

この木登らば鬼女となるべし夕紅葉/三橋鷹女

この木に登ったら鬼女になるだろうという突拍子もない言葉の羅列が「夕紅葉」という季語と響き合っていて衝撃的だった俳句。
誰しもが持っている夕紅葉の鬼気迫るような色と散り様、印象。そこに鬼女の言葉がとても腑に落ちる。大好きな俳句です。

今回そういった季語と季語以外の言葉の組み合わせで唸らされた俳句をたくさん集めました。
青空に触れて噴水折れにけり/黛まどか
春雷や胸の上なる夜の厚み/細見綾子
のように言われてみればそう!と拳叩く机になる”印象の言語化”に唸ったものもたくさんある。こういう系統が好きなんですね。

俳句は短歌よりも量を読めていないので有名どころばかりになってしまっていると思います。またたくさん読んでお気に入り俳句を更新したいです。

雨雲句集を作りたいんですよね…
俳句上手くなりたいのでたくさん読むぞ


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