ゲーミングノートもPD充電したい! 5W~100Wまで検証 ASUS ROG Zephyrus G15
身軽にモバイルゲーミングしたい
最近のノートPCはUSB Power Delivery対応のものが増えてきて充電器を統一できると思いきや、意外と相性問題があったり、最低何Wの出力があれば充電できるのか等がメーカーのスペック表にも書かれていなくて実際に買ってみないとわからないという悲しい状況なので検証してみました。
USB PD 100W対応のゲーミングノート
「Asus ROG Zephyrus G15 (2021) GA503QR」のPD給電の挙動をチェックしたのでまとめておきます。
なおこのPCは200WのACアダプター(バレルプラグ)が付属しています。
現状のUSB PD供給上限100Wでは最大性能を発揮できない(Turboモードは無効化される)ので、完全にPD電源だけで運用するのは用途によっては厳しいです。
あくまでもモバイル時に他のPCやスマホとアダプターを共用したい、少しでも軽量化したいといった状況向けです。
検証結果一覧
W数ごとの結果
・一般的なUSB 5V給電は不可だが、手持ちのモバイルバッテリーの中で唯一YD690では 5V 0.5A給電可能だった。
(とはいえG15はアイドル時でも10W程度消費するので2.5W給電だと雀の涙)
・PD 18W の12V 1.5Aでも充電可能だが、消費と相殺されてほぼ充電されない。
(dGPU無効化すれば、Webブラウジングや文書作成程度ならコンパクトなPD対応モバイルバッテリーでも十分延命に使える)
・PD 40W以下では繋いだ際に低出力だと表示される。
・PD45W以上では低出力警告表示されなくなる。
・PD65Wだと軽作業ならそこそこ充電できるが、ゲームで負荷かけるとサイレントプロファイル(CPUとGPUに強めのパワーリミット掛かる)でも1-2h程度でバッテリー使い果たす。
・PD100Wだと軽作業なら急速充電できる。ゲームで負荷かけてもサイレントプロファイルなら消費に供給が少し負けるくらいで5h程度はプレイできそう。
重さで選ぶ結論
・とにかく軽くしたい!
Webブラウジング程度なら45W GaN PD電源とType-Cケーブルで110g程度。
・軽めのゲームもしたい!
100W GaN PD電源とType-Cケーブルで215g程度。
・フル性能使いたい!
付属ACアダプターのケーブルを3ピン直付けアダプターに変更で520g程度。
とはいえ、もともとの付属のACアダプターとケーブル合わせて580g程度なので、ゲーミングノートのACアダプターにしては結構軽い方だと思う。
なお人柱覚悟でもいいからとにかくコンパクトなACアダプターがいい!性能は落としたくない!という人はSlimQ 240W GaN Chargerという選択肢もあるみたい。
まとめ
・PD18W~100Wの充電器に対応している。
・軽作業ならPD45W程度の電源でも充電できる。
・PD100Wアダプターならゲームもできなくはない。
・PD給電時はバッテリー駆動モードになる。※1
なお
メーカーHPには「20Vに対応するType-Cアダプターで充電」
ユーザーマニュアルには
「損傷を防ぐため、20V/5A定格の電源のみを使用して、Power Deliveryコンボポートから充電してください。」
「バッテリー電源が5%を超える場合にのみ、バックアップ電源入力として使用することができます。」
と表記があるので基本的にはPD100W(20V)電源以外は保証外かつ、完全放電状態ではPD充電不可です。
ちなみに
PD対応のUSB-Cポートが2つあるから100Wと65Wの2本挿したら165W給電!と一瞬思ったのですが、両方挿すと両方のパワープロファイルを確認した上で、上限値の高い方からのみ給電開始するみたいです。まあそうですよね。電源管理がお粗末なものだと壊れる可能性もあるので良い子は真似しない。
最後に
私の独自検証の結果であり、今後PCのUEFI更新/PDアダプターの仕様変更によって互換性が変わる可能性もあるため保証はできません。
当方環境ではこのような結果だったという参考程度でお願いします。
またZephyrusのUSB PD給電対応について
徒然日記様: https://dolls.tokyo/howto-mobilegaming-with-usbchage
を参考にさせていただきました。
情報が少ない中PC購入にあたってとても参考になる情報でした。ありがとうございます。
メーカーHP : https://rog.asus.com/jp/laptops/rog-zephyrus/2021-rog-zephyrus-g15-series/
※1
dGPU搭載のゲーミングノート故に高負荷時はPD給電だけでは足りず、不足分はバッテリーから融通するため。PD給電はバッテリー駆動の補充電という扱いで、普通のモバイルノートとは挙動が異なり、ゲーム中などは給電していてもバッテリーを消費していくこともあります。
また上記挙動の影響だと思いますが、「BatteryHealthCharging」で「バランスモード(充電80%上限制限)」にしている状況の場合、78.5%まで消費するとPD供給上限電力で充電し、79.5%まで充電されるとPD供給を停止してバッテリーのみで稼働する。また78.5%まで消費したら充電を始めるといったバッテリーに悪そうな繰り返し挙動になっていました。
ACアダプター接続時には79.5%まで充電されたあとは必要電力に応じてACアダプターから電力を引っ張ってきて、バッテリーは変化なしといった標準的な挙動になっていました。
このことからPDはあくまで補助と割り切って、なるべくACアダプターを使用したほうがPCの寿命的には良さそうです。