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レノファ山口U-18B vs 長門高校【山口県ユースリーグ3部 第16節】
昨日西京高校にて行われたユースリーグ3部を観戦してきたので、今回はその内容についてレポートしたい。今回は初のBチーム観戦となる。
決して会場と時間を間違えていたわけではない。注目度の低いBチームにも光が当たれば、と思っての行動である。寝坊したとかそういう理由ではないのだ。
Bチームはまったくの初見であり、選手個々もほぼ初見であるため、今回もこの1試合を観た範囲での感想となるがご容赦いただきたい。
対戦相手は長門高校。ここまで無敗、7勝3分でレノファユースに次いで2位につけている。第7節が豪雨の影響で延期となっていたため、レノファとは今季初対戦となる。
※3部リーグ日程・結果はコチラ(pdf)
並びは4-3-3(4-1-2-3)システム。先日観たAチームは4-4-2(4-2-3-1)であったり、トップチームも試行錯誤している現在、最もレノファのゲームモデルを体現しているのはこのBチームなのかもしれない。今季開幕当初のレノファの試合ぶりを観ているような感覚だった。
試合開始と同時に前線から激しくプレスを掛け、人に激しく当たりに行き、ボールを奪ったら素早い展開でサイドへ。キープ力のある右ウイング七木田を起点に、長身CF㉟工藤のポストプレイを絡めつつ、インサイドハーフの2人(⑰馬場、⑲藤本)を同サイドに投入して数的優位を作っていく。左ウイング⑨内田はドリブラーらしく、タッチライン際での「張っとけ仕事」が主任務のようだ。
また、しきりにサイドバックに対して中へ絞るような指示も出ており、2-3-2-3のように見える時間帯もあった。左サイドバック㉘大出はアラバロールのような動きを見せており、左ウイング⑨内田へのパスコースを確保する狙いもあったのかもしれない。このあたりは小野瀬・前の関係性にも似ているように感じられた。
積極的な試合運びで主導権を握ったレノファU-18Bは前半5分、右サイドからのコーナーキック(キッカーは㉙七木田)に右SB⑮柳村が頭で合わせて先制する。
続く9分にも、㉙七木田のカットインシュートが相手DFの手に当たりハンドの判定。このPKを自ら決めて2点のリードを奪った。
一方的な試合展開になるかと思われたが、さすがに飛ばし過ぎっだったのか、15分過ぎからレノファユースの運動量が低下する。前線5人のプレスバックが追い付かずに、後ろの5人と分断され5-0-5システムのような形になってしまう時間帯が続いた。この隙を見逃さなかった長門の攻勢により、ディフェンスラインを崩されたレノファは19分に失点を喫する。
長門高校は全体的に小柄だったが、最後まで運動量が落ちない良いチームで、ひときわ小柄なゴールキーパーのカンポスのような飛び出しが個人的には印象に残った。
ともかくも、ゲームモデルが同一なので、運動量が低下した場合の脆さという弱点もトップと共有しているわけだ。しかしてこの試合ではサイドバックを絞らせて横幅を圧縮したディフェンスラインを敷くなど、工夫も窺えた。このあたりはトップチームの守備改善のヒントになるかも知れない。
1点返されてからは長門の時間帯が続くが、30分あたりからは試合展開も落ち着き、前半は2-1のまま終了した。
後半も一進一退の攻防が続くなか、23分に相手のパスミスを拾った㉟工藤がGKと1対1でシュート。これはGKがストップするが、こぼれ球をサポートに駆け上がってきた⑲藤本が押し込み、再び2点差とする。
これで試合が決まったかと思われたが、直後の26分にGKからのビルドアップがミスとなり、相手FWに渡って3-2の一点差に。さらにその2分後、自陣でのボールロストからさらに失点を喫して3-3の同点とされてしまう。
流れを変えるべく、30分に㉙七木田に代えて㉑松原を投入。フレッシュな松原がボールに絡み時間を作ることで再びレノファが押し込む展開となり、34分には⑮柳村のグラウンダーのクロスを⑰馬場が左足で華麗に合わせてファーサイドへ流し込む。選手たちが思わずベンチへ駆け寄ったビューティフルゴールにより、再びレノファが4-3とリード。その後は危なげない展開で試合をクローズし、あわただしい展開のゲームを勝利で飾った。
Bチームは初観戦だったが、こちらもなかなかどうして面白い。「Aチームでも十分やれるのでは?」という選手も見受けられた。以下、各選手の(超個人的な)評価を羅列して終わる。
【レノファU-18Bチーム選手(てきとうな)短評】
GK 30越田颯太
ビルドアップのミスで直接失点に絡んでしまったが、見事な飛び出しで2度ほど決定的なピンチを防いだ。動きが俊敏。
右SB 15柳村治輝
キャプテンマーク。試合中、住田コーチからけっこう怒られていたが、2得点に絡む。ビルドアップにも貢献。
右CB 13吉永孝政
空中戦は完勝。相手FWにプレスを掛けられても落ち着いていた。
左CB 23山邊樹
足元があって冷静。縦パスも狭いところを通す。
左SB 28大出文哉
コーチに叱られてからアラバロールする姿に和んだ。インサイドへのパスはしっかり通す。
DM 32柳井敦志
アンカーとして相手の楔を潰しまくった。突撃型で出足のいい和製細貝。
CM 17馬場一博
運動量豊富。最後の左足シュートはお見事。
CM 19藤本零音
シルエットやフォームが和製ポグバ。
右WF 29七木田快
チャリビトさんの一押し。キックの種類が豊富で、キープ力がありタメが作れる面白い選手。カットインシュートやドリブルで運ぶ力もある万能型。
右WF 21松原翔太(途中出場)
途中出場ながら落ち着いたプレーぶりで流れを引き戻した。レフティ?
左WF 9内田修人
怪我明けとのことでなかなか抜ききれなかったが、雰囲気のあるドリブラー。ユースの小野瀬。エリアごとのプレー判断が課題のようでコーチからも怒られていた。頑張れ。
CF 35工藤瑠依
まだまだ素材感は満載だが、187cmの長身を活かしたポストプレイは強くて柔らかく、シュートはあんまり入る雰囲気がない。伸びしろはどっさりありそうで、トップにもいないタイプなので順調に育ってほしい。