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スペインvsスウェーデン~スペイン代表のユーロ初戦、決定力不足だけではない無得点の原因~[ユーロ2020]

ついに開幕したユーロ2020。今回からそんな世界で大注目のユーロ2020の分析を投稿していきます。一発目はグルーブEスペインvsスウェーデンの分析です。

無敵艦隊スペイン代表の開幕戦、スウェーデン戦は0-0のスコアレスドローに終わりました。試合を圧倒的に支配し、何度も決定機を作り出しましたが、最後までゴールを奪うことができませんでした。ある意味でスペインらしいともいえます。この試合で最大の決定機を外したモラタには特に批判が集まる形となっていますが、単純にモラタが悪いで片付けて良い問題ではありません。

この記事では決定力不足だけで片付けてはいけないスペインがゴールを奪えなかった原因について解説していきます。ぜひ最後までご覧ください!

試合概要

メンバー

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得点
 なし

1.もったいないなりの工夫

M.ジョレンテはアトレティコマドリードで今シーズンリーグ戦12ゴール11アシストを記録した攻撃的な中盤の選手です。ですが、スペインでは右SBで起用されています。この起用についてもったいないという意見も多いですが、もったいないなりにM.ジョレンテの良さが出るように工夫がされています。

M.ジョレンテの良さはハーフスペース(相手のCBとSBの間のスペース)での走り込みであり、これを活かすには内のレーンをとらせる構造にする必要があります。スペインではF.トーレス、M.ジョレンテ、コケの3人の関係でM.ジョレンテが内のレーンをとる構造ができています。

右WGのF.トーレスはサイドに張ってポジションをとり、右IHのコケ(8)はCBの脇に降りてビルドアップに参加します。そしてM.ジョレンテが内のレーンをとります。この選手の2次配置によってM.ジョレンテを中盤ではなく右SBで起用しても良さが消えないようになっています

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ただそれでも右SB起用はもったいない気がしますね。

2.疑問の残る選手交代

1で解説したようにこの試合のスタメンではM.ジョレンテが内のレーンをとる構造ができています。ですが、選手を交代するごとにこの構造が崩れていきました。

まず、66分にサラビアが投入されて右WGに入りました。スタメンのF.トーレスは外のレーンをとる選手でしたが、サラビア(22)は内のレーンをとる選手です。そのため、M.ジョレンテ(6)は内のレーンをとれず、サイド(外のレーン)に追い出される形となりました。サイドでもプレーできないわけではないですが、クロスの精度はあまり高くなく、この試合でも目の前の相手に当ててしまう場面が目立ちました。

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さらに、87分にコケに替わりF.ルイス(17)が投入されました。低い位置に降りるコケとは違いF.ルイスは内のレーンにポジションをとり、そしてサラビア(22)が外のレーンにポジションをとりました。そのため、M.ジョレンテ(6)は高い位置をとれなくなってしまいました。この位置ではM.ジョレンテは良さを出すことが難しくなります。

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選手を交代するごとにどんどんM.ジョレンテの良さが消えてしまう疑問の残るルイス・エンリケの采配でした。

3.孤立するモラタ

ここからはスペインの前線の連動性についての解説です。

スペインの前線の選手、特に右サイドはCFモラタの動きに連動する形を作ることができていませんでした。ここまでで解説したようにスペインの右のハーフスペースをとるのはM.ジョレンテです。ですが、M.ジョレンテは右SBであるため、常に高い位置をとることはできません。また、中盤3枚のコケ(8)、ロドリ(16)、ペドリ(26)は低めの位置をとります。つまり、M.ジョレンテが高い位置をとれていないときは右のハーフスペースの高い位置に人がいなくなります。そのため、モラタ(7)の近くには左のハーフスペースをとるダニ・オルモ(19)しかいなくなり、モラタがCBを引きつけてスペースを作り出しても、そこに走り込む選手がいない場面が何度かありました。(下の画像61分25秒)

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この試合のハイライトはこちらから↓

批判に負けず頑張れモラタ!!💪

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