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チェルシーvsブライトン~ビルドアップを封じる守備戦術~[プレミアリーグ第32節]
トーマス・トゥヘルとグレアム・ポッター。戦術家対決となったチェルシー対ブライトンの一戦は0-0の引き分けに終わりました。残留を目指す16位ブライトンがチェルシーに対してチャンスすらほとんど作らせない戦いを見せました。
この記事ではポッターの用意した守備戦術とそれに対するトゥヘルの采配について解説していきます。ぜひ最後までご覧ください!
試合概要
スタメン
得点
なし
レッドカード
ブライトン
90+2'ホワイト
1.ブライトンの守備戦術
ブライトンはチェルシーのビルドアップ時に、2トップが相手の左右のCBに、中盤2枚(グロスとマクアリスター)が相手の両ボランチに対応。アンカーのビスマが1枚余る形で守備をセットしました。(下の画像)
これの形だとチェルシーの真ん中のCBズマは余っていることになります。ここに中盤がプレスをかける時には、アンカーのビスマがスライドしてボランチに対応します。(下の画像)
ですが基本的にズマには厳しくプレスをかけていませんでした。ボールを持たせてパスコースを制限し、パスが出たところに厳しく当たりボールを奪う狙いがありました。
ここからは今まで書いたことをさらに詳しくまとめます。
ブライトンの前5人(2トップ+中盤3人)と後5人(3バック+両WB)では相手へのマークの強度に違いがありました。
前5人は、先程も書きましたが、マークにつく人に対してピッタリとつくのではなく、パスが出たらプレスをかけるような対応のしかたでした。それに加えて、中盤で壁を作り前線へのパスコースを制限する役割もありました。
後5人は前5人とは違い、対応する人にマンマークでついていました。マークについている相手選手が中盤まで降りていった時にはそこまでついて行きました。そしてディフェンスラインから縦パスが入ったところでボールを奪い切る狙いがありました。
ブライトンのこのような守備戦術によってチェルシーのビルドアップを封じる事がでしました。
2.ズレを作るトゥヘルの采配
この守備によってチャンスをなかなか作り出せないチェルシーは67分にM.アロンソとハヴァーツを下げてハドソン-オドイとヴェルナーを投入。フォーメーションを4-1-4-1に変更しました。これによってブライトンのマークにズレを作り出しました。
この交代で右WBのR.ジェームズは左SBにまわりました。交代前はチェルシーのWBにはブライトンのWBがマンマークについていました。しかし、ブライトンの右WBフェルトマンはチェルシーのSHにつかなければならなくなったため、R.ジェームズはマンマークから解放されてフリーでボールを持ちやすくなり、ここから相手陣内に侵入できるようになりました。
トゥヘルがチェルシーで4-1-4-1の形を使うのは初めてだと思います。(多分、間違ってたらすいません)相手の守備に対応する戦術家トゥヘルの柔軟な采配でした。
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