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【設備設計】設備設計から見る大阪万博

 大阪万博のTVCMが流れ出した。あと180日、半年後に開催されるので当然なのだが、各メディアが報じている様に建設がかなり遅れている。。。というより、建設する前の設備設計図を弊社で今描いている途中なので、施工というより設計自体が終わっていないといった方がいいかもしれない。

 先日知り合いの設備設計の方から相談があり給排水、空調の図面を急ぎで作成した。万博のパビリオンは、大きな建物を除いて半年ほどで取り壊しになる。そのため、色々なところは目をつぶれるが、それでも暑い夏、多くの観客を想定すると空調関係の容量は余裕をもって設計をした。

 当初の基本計画はファンコイルユニットタイプ。大会の本部側から冷却水が供給されて、それをファンで冷たい空気に変える方式。10,000m2を超える建築物などに使われるタイプだ。ただ、全館をそのファン1つでまかなうため、ダクトの配策が結構大変になる。

 代案として提案したのはビルマルチエアコンの方式。屋上に室外機を設定すれば、後は天井裏に室内機を設置して、ダクトはその室内機から各部屋個別で設定することが可能。

 どちらの方式になるかは現状未決だが、どちらも数1000万円の設備費用となってくる。どちらにせよ機器の納期と施工のリードタイムが決め手になると思う。

 知り合いの土木をやっている友人に大阪万博の施工の仕事はやらないのか?と聞いてみた。帰ってきたのは、大変だからやらないとの答え。開催前は24hr体制で建設が続き、2交代制で働き詰めらしい。中小企業ではとても体力的に無理らしい。

 こういった無理を受けるのは、ゼネコン担当になるが、きっと無理な計画がブラックな労働環境を発生させる。建設費の高騰が問題になるが、建物だけではなく、急ぎで対応する設計、24h勤務で大変な施工業者など、人に対しての費用は支払ってあげてほしいなと思う。


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