#24 感情無の仕事は成立するか?

 自動車というプロダクトは1つの車種で100人以上のエンジニアが専属で担当し、さらに同じ数以上のエンジニアが掛け持ちしながら担当する。そして関連サプライヤでも同じ数以上のエンジニアが担当するため、新規車種の開発はビックプロジェクトだ。

チーフエンジニアという、その製品を担当するトップとなり、その周りに数人から10人弱の企画チームがあり、各領域を仕切って1台の車に仕立てていく。意思決定はチーフエンジニアがすることになっている。そのため、その車が売れるも売れないも、チーフエンジニアの責任となるため重責である。

その下で働くエンジニアはプロダクトの構想を設計に落とし込んでいく機械的な作業に思われるが、チーフエンジニアや企画の仕事をよく見ている。どんなコンセプトなのか、真剣に考えられているのか?売れそうなのか?

その思いが伝わらないプロジェクトはたいていポシャる。自動車も開発がスキーム化されて、なんとなくの指示でも仕事は流れていく。でもただの指示ではやはり人は動かない。動くのだけども最小限になる。どんな大企業でも、どんな小さな組織でも、指示は人から人にするものであり、人から組織に指示してもアウトプットはMinしか出てこない。

AI化、自動化が進むホワイトカラーの職に最後に残された生産性の源泉は感情や人柄、思いなんだと思う。日本の会社の問題の源泉は自分のポジションを自分で決められない事だと感じる。海外では管理職になるのは立候補制である。職種で採用するので、職が無くなると容赦なくリストラ。冷徹な様で”個人の意思”を尊重した制度だと思う。


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