【設備設計】建築 ZEB計算における電気設備の対応
ZEBの計算では外壁、空調、換気、ポンプ、給湯、太陽光など様々な要素を考慮して計算を行うが、今回担当したのは大学と小学校の照明のZEB設計。簡単なようでやってみると意外と考えることも多かったので紹介しようと思う。
1)ZEBにおけるエネルギー消費の割合
地域や建築物の種類によってエネルギー消費の割合は違うが、学校のモデルの場合、約30%が照明でのエネルギー消費というモデルとなっている。あくまでこれは”基準モデル”の消費割合でZEB対策をする前の値となっている。LED照明にすることで割合としては照明比率が少なくなる。
以下に様々な建築のモデルについて記載があります。
モデル建物H28_基準値計算結果_v4_20200916 (kenken.go.jp)
2)計算方法
計算は以下のHPに記載があるが、WEBProという計算シートを埋めて、HP上にUPすることでマクロ計算を行う。計算結果としてはBEIという指標で算出される。BEIは0.25とか0.5という値で、基準エネルギー1に対してどの程度削減できたかが結果として得られる。
非住宅建築物に関する省エネルギー基準に準拠したプログラム (lowenergy.jp)
3)実際の入力
実際の入力画面は以下の様な感じ。各部屋の広さや階高を計算して部屋の容積を出し、照明機器を入力する。そして右側の列で各種センサーや明るさ検知など、照明の省エネ化につながる制御の有無を入力をする。
4)計算結果
基準エネルギーはLED照明ではなく蛍光灯の値で算出しているため、現在はスタンダードとなっているLED照明を擦る事でBEIは0.34なる。そこに在室検知(人感センサー)を追加することでNearly ZEBは達成できる。そう、普通の設計をすればNeary ZEBが達成できてしまうのが照明の設計だという事が分かる。
5)まとめ
照明設備は苦労せずZEBは達成できるが、ZEBを達成するのは建物全体で行う。そのため、追加の設備が必要かどうかは、他の設計状態により変化する。達成ができないと太陽光パネルでの創電設備を設置する必要も出てくる。自分が良くても終わらないのが建築設備の難しい所だと感じた。