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【設備設計】図面の完成度を上げる唯一の方法

 先日初めて自社のみで仕上げた機械図面を協力していただいている方に見ていただいた。凡例、材質、考え方など、色々な事を教えてもらって本当にありがたかった。

 自動車会社勤務の時も様々な図面を描いていた。ゴムホースの図面、ネジの図面から始まり、ブレーキ計画図と言われる車両一台のブレーキ部品を描く様な仕事もやっていた。

正式に図面を発行するには、関係者を呼んでDR会を3回やるというステップと壁DRと言われる壁に図面を貼って置いて、通りすがりの人が気づいた点を書き込むというプロセスが必要だった。その上で上司もチェックして正式に発行となる。

 そのステップをやる事で、修正点が洗い出されたり成り立っていないところが分かる。今考えればみんな自分の仕事の時間を削ってやってくれているので、大変ありがたいのだが、厳しい人がいたり、修正が一杯あると大変なので、憂鬱な気持ちだった。

どんなテストでも100点を取るのが難しい様に、どれだけ自分が完璧だと思っていても、修正点は必ずある。しかし、仕事で図面を描く以上完璧を追求する事が求められる。このギャップに苦しんで設計から他の部署に移る人も少なくなくなかった。

営業や企画部署はどちらかと言うと相手が人である事が多いが、設計業務は図面と向き合う仕事だ。その図面は誰が描くのかと言うと自分なので、結局自分と向き合うことになる。そう。適当な自分、良い加減な自分、分からない自分と向きかって、それを他人から指摘されることが辛いのだ。

でも、そこには人として成長出来る環境があった。イチローの様にストイックなプロ選手でもコーチがいる様に、人から指摘を受ける事が自分を成長させる最も有効な手段だと思う。そして能力が向上した自分が完成度の高い図面を結果的に描ける様になるだけなのだと思う。

多くの人はイチローの結果だけを見て打ち方、やり方を結果に結びつけるが、それは自分と向き合い続けて編み出した結果に過ぎない。設計者にとって図面の完成度は自分が成長した結果を映す鏡だ。

今、優秀な新卒はコンサルやスタートアップに行くらしい。アドレナリンが出る環境で、がむしゃらに頑張る事も成長には繋がると思うが、イチローの様に長く結果を出し続けるには、自分と向き合い、確実に成長できる設計という仕事の環境に身を置くのも悪くないと思う。

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