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【設備設計】バルコニーが無いマンションを受注したら大変だった話

 東京の5F建てマンションの受注をいただいて実施している。受注時は普通のマンションだと思っていたのだが、設計し始めると、普通ではない点に気が付いた。バルコニーが無く、メーターボックスがすごく小さかった。

 あれ??これって室外機と給湯器と室外機どうするのだろうか?と思っていると、建築の方から設備の指示がきた。すべての1Fから3Fまでの室外機と給湯器は1Fの壁際、4Fと5Fの室外機と給湯器は屋上に配置してあった。

 こんなにトリッキーな物件になるとは思わず、系統図を書いてみると、すごい感じになってきた。そもそも給湯器と蛇口が遠すぎて、お湯が出るのに非常に時間がかかる。

こんな設計をしてもいいのだろうかと、設備設計者として心が痛い。今から断れないものだろうかとも考えたが、せっかく依頼いただいた物件なので、やることにした。

 おそらくこのマンションはパイプが交換するくらいの年数になったら設備を更新することなく壊す予定なのかもしれないと思った。バルコニーが無いことで部屋の面積を最大にとることで家賃を上げて、投資回収を早めるのだ。

 いいか悪いかは施主の判断だが、人口が減っていく日本では10年~15年で利益を確実に出せるマンションにした方がリスクが少ないのかもしれないが、それでも配管の漏れとか、設備の不具合があった場合に非常にリスクが高い設計。施工業者もヒヤヒヤするかもしれない。

 東京という土地が高い地域で、短時間で投資を回収する発想。今流行りのSDGsではないが、これはこれで正解なのかもしれないが、PSだけでも大きめにとってパイプを交換しやすくしてあげたいな。。。

 

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