#43 消費する理由と消費してもいい理由との違い

 日本人は貯蓄率が高い。理由は色々あるが、日本市場でモノやサービスを提供したときに一番の戦いは、他のサービスとの競合ではなく、貯蓄するか消費するかをお客様に判断してもらう事なんだと思う。

消費しなければいけない商品(インフラ、生活費、食料品)以外は常にこの勝負に挑んで勝たなければ、買ってもらうことができない。

そこで重要なのが、消費する理由に追加して消費してもいい理由を追加するというステップだ。スポーツカーのGT-Rの開発者 水野 和敏さんがおっしゃっていた事だが、ポルシェとGT-Rはスポーツカーなのに、あえて4つの座席を設けて4人乗りとしている。

Rrの席は2ドアなので乗り降りもしにくいし、座席も小学生がやっと乗れるほどの広さしかないが、あえて設けている理由は、会社の税金対策と奥様への言い訳なのだ。会社の経費で二人乗りの車を買うと、経費で通りにくいが、4人乗りなら移動車として認知され、さらに会社の経費を使えるので節税になり、奥様にも理由が説明しやすい。

消費したいと思える商品を作っても、貯蓄、世間体、奥様の眼などお金を使う理由が明確にできない商品は買ってもらえるステップまでいけない。独身時代に色々消費している男性が結婚後消費しなるのも上記理由がほとんど。であれば、必要ではないサービスに必要な理由をつける事が他社との差別化になる。

【不要なサービスを必要に変える案】
1)飲み屋:飲みながらビジネスができるようなバー
     (ホワイトボード、会議机、第3者の意見をもらえる)
2)ジム :健康が整い、いいアイデアが浮かぶジム
3)ゴルフ:昔から会社の付き合いという建前
4)洋服 :着ると健康になる服(機能性素材)

消費をしたい本能と貯蓄しなければという理性。その二つを論理的(時には無理やり)に結びつける理由を富裕層ほど探していると感じる。


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