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【設備設計】建築のZEBと 自動車のZEVはアメとムチの関係


1)ZEBとZEVの違い

 ZEBとZEV呼び方が似ているこの二つのワード、Zero Emissionまでは同じだが、Building(建築)とVehicle(自動車)で分かれている。建築と自動車というと国の産業としても屋台骨を支える2台産業であるため、その規制や基準は国が基準を作っているが、異なるのはそこに税金をどのように投入するかだ。結論から言うと、ZEB(建築)は国が補助金を出し、ZEV(自動車)は国が罰金を科すという構図になっている。

2)ZEB(建築)の補助金

ZEBは国が決めた基準を満たすと、その達成率に応じて最大50%の補助金が出る。3億~5億が上限だが、建築費の半分が補助金で出るというのはかなり施主にとっては大きな金額だ。ZEBの達成には色々な設備や断熱構造などが必要だが、達成するためのアメとしては十分な金額だと思う。

3)ZEV(自動車)の罰金

自動車のZEV規制は各国でかなり違いがある。それはEVを普及させたい国とそうでない国の違いがあるからだ。自動車大国のアメリカでは州ごとに規制が異なるが、カリフォルニア州が最も厳しい基準となっている。シリコンバレーという名の通り、谷の地形となっており、排気ガスがたまりやすい地形なので、どの州よりも厳しい基準が先行する傾向がある。

イギリスやカリフォルニア、中国ではZEVの販売比率が決められており、それを超えると罰則規定があるため、テスラや他のメーカーからクレジットといってZEVを販売した実績を購入する必要がある。もちろんZEVを普及させるための補助金はあるが、自動車メーカーが自主的にEVにするというより、罰則が嫌でEVを作るという構図だ。

4)まとめ

建築のZEBは罰則がなく、補助金がもらえる。
自動車のZEVは罰則があり、補助金もある。

どちらが良いかは分からないが、背景としては建築がほぼ国内産業であるのに対して、自動車は海を越えて流通が可能な商品であることが関係していると思う。そう、国としては海外製の製品に補助金をあまり出したくはないのだ。

国際競争にさらされにくい建築業界と世界で戦う自動車産業. 先日、豊田会長が日本から出ていきたいという発言で炎上していたが、世界で戦っているのだから、少し応援してくれよ、、、という気持ちも分からないでもない。

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