見出し画像

#24017_九里FA移籍

九里が海外FA権を行使し、オリックス移籍を決めました。
そこで今回は九里のFA移籍について書いてみました。



【九里移籍に伴う先発争い】

■九里の先発成績(直近5年間)

規定投球回数はチーム試合数と同じなので143回(2020年は120試合制のため120回)。九里が規定投球回数を投げたのは直近5年間のうち3年QS率も直近5年間のうち4年で60%近くまたはそれ以上の数値でした。九里はコンスタントに投げてくれていたといえるでしょう。
(補足説明)
QS率:先発投手が6回以上を自責点3以内に抑えられる比率

2桁勝利は2021年だけですが、去年は九里が先発した試合の結果(勝ち・負け・引分)は14勝12敗でした(表の右端参照)。隔年で好不調が訪れていて、来年は好調の年になりそうでした。

九里の戦力を埋めるには、規定投球回数近くを60%近いQS率で投げる先発投手が必要になります。誰か1人でなくても、投手陣全体で埋められればいいと思います。


■今年のカープ先発陣

今年、カープで先発した投手は11人でした。九里のほかに退団、引退したのはハッチ、野村黒原はシーズン途中でリリーフに転向、先発復帰のニュースもありません。

九里は22先発でチーム4番目に多く、まさしく先発4本柱の一角でした。5番目は18先発のアドゥワ、6番目は12先発の玉村。森は5先発、常廣は2先発ですから、九里の代わりに先発ローテーションに加わる投手はほぼ横一線での争いとなるでしょう。


■来年の先発候補

カープ投手陣を年齢の降順に先発、リリーフ、育成に分けてみました。先発には、先発かリリーフか未定と思われるドミンゲス、鈴木、岡本、菊地も含んでいます。

来年は九里が残留してたら34歳、大瀬良34歳、床田が30歳、森下が28歳となり、先発4本柱の高年齢化が気になるところでした。しかし、九里のオリックス移籍によって、強制的に若返りが図られることになりました。
(下表の年齢は12月18日時点のものです。下表を作成したのが18日でした)

今年の先発5番手だったアドゥワは初先発の3月31日から、6番手だった玉村は初先発の5月25日から何度か抹消されながら投げていました。来年のアドゥワ、玉村には九里の役割を埋める活躍を期待します。具体的には今年の先発4番手、5番手は九里が22試合先発、アドゥワが18試合先発でしたから、来年はアドゥワと玉村で40試合前後の先発を期待します。

先発6番手は年齢構成的に常廣、高、滝田、育成の杉田、ドラフトで獲得した佐藤の中から出てきて欲しいと思います。誰か1人でなくても、その時々で好調な投手を起用する形でもいいと思います。
高卒3年目を迎える斉藤、日高は再来年、早くても来年シーズン途中からかななんて思っています。
上述したようにアドゥワと玉村には先発4、5番手を担ってもらいたいのですが、シーズン通じて先発で投げたことがありません。もしアドゥワ、玉村が期待に応えられない場合は、中堅どころの遠藤、森、高橋昂、現役ドラフトで獲得した鈴木にもチャンスがあるでしょう。

ドミンゲスは当初は九里の穴を埋めるべく先発優先と思いましたが、現役ドラフトで矢崎が移籍して役割がわからなくなりました。来日してから適性を見て決めることになるかもしれません。
#24014_新外国人ドミンゲス調べてみた
https://note.com/rlt3031/n/n078922c0882f


【FA補償】

■FA補償のルール

FA移籍が発生した場合、移籍先球団(オリックス)から移籍元球団(カープ)に対して、以下いずれかが必要となります。
・人的補償+金銭補償
・金銭補償
どちらを選ぶかは移籍元球団(カープ)が選択します。さらに旧年俸(2024年の年俸)が上位何番目かによって、補償内容が変わります。
九里はBランクと報道されています。

人的補償の場合、オリックスから選手1名と金銭を得ることになりますが、選手はだれでも獲得できるわけではありません。オリックスはカープへの移籍を不可とする選手を28人指定することができます。
その他として、以下の選手も指名することができません。
・外国人選手
・今年のドラフトで指名した選手
・育成選手


■支配下選手枠

1球団当たりの支配下選手は70名に決められています。カープの支配下選手枠は現在68名。「育成契約から支配下契約への切り替え」「シーズン途中の補強(主に外国人選手)」で2枠は残しておきたいので、金銭補償のみとなる可能性もあります。カープが「人的補償+金銭補償」「金銭補償のみ」のどちらを選択するのかは、オリックスから提示される獲得可能選手の中に、残り少ない支配下選手枠を1つ埋めてでも欲しい選手がいるかどうか次第だと言えそうです。
自分はオリックスの選手をよく知らないので、プロテクト選手の予想はできません。しかし、ネット上にはその予想がいくつも出ています。それを見るとどの予想でもいい選手が獲得可能になっているみたいですね。
#24006_カープ支配下選手枠
https://note.com/rlt3031/n/n411030e90ca5


■今後のスケジュール(西川との比較)

去年、西川がFA移籍したときは以下の流れで進みました。
①11月22日
  オリックスが西川獲得を発表
②12月4日
  公示
③12月11日
  プロテクトリストが届いたことを発表
④1月5日
  日高を獲得したことを発表

九里は①12月12日にオリックスが契約に合意したことを発表していますが、
②公示はまだ
NPB公式サイトに掲載されていません。②公示の後、オリックスは2週間以内にプロテクトリストをカープに提示しなければなりません。また、②公示の後は基本的に40日以内にすべての補償を終えなければなりません(金銭補償については、移籍元球団の了承があれば延長も可能)。
カープ球団の仕事納めは26日ですから、カープが補償を決定するのは来年になりそうな雲行きです。
(補足説明)
よくプロテクトリスト(名簿)と称されますが、獲得不可選手が載ったリストではなく、獲得可能な選手が載っているものかもしれません。プロテクト外リストと書いているものもあります。
新井、大竹がFA移籍した時の人的補償について、興味深い記事がありました。事前に阪神、巨人から連絡があり、どんなタイプの選手を希望しているかを聞かれ、そのタイプの選手がプロテクトされていなかったそうです。当時とは事情が変わっているかもしれませんが、記事をリンクしておきます。

■12.26公示を受けて(12.27追加編集)

12月26日に②公示がありましたので、最長でのスケジュールが決まりました。オリックスは1月8日までにプロテクト(外)リストをカープに送らなければなりません。そして補償は2月3日までに終えなければなりません(金銭補償はカープの了解があれば支払日の延長も可能)。
※公示後翌日を起点とする場合はプラス1日
 Wikipediaでは公示日が起点(補償に関する日程は、まずFA選手と移籍先球団との選手契約締結がコミッショナーより公示された日が起点となり

参照元
フリーエージェント (日本プロ野球)

月別記事一覧
https://note.com/rlt3031/archives


いいなと思ったら応援しよう!