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#24018_カープ23歳以下の投手調べてみた(前編)

九里のFA移籍に伴い、カープ23歳以下の若手投手陣を調べてみました。
具体的には今シーズンの2軍戦、フェニックスリーグの登板試合(練習試合、オープン戦、フレッシュオールスターは除きます)から気になるポイントを見ていきます。例えば前半戦はよく打たれていたけど、後半戦は抑えることができるようになったとか、一年間を通算した数字(合計値)だけでは見えない部分があると思います。そういった部分にも注目してみたいと思います。
23歳以下の投手は何人かいますので、2~3回に分けて公開していきます。全部終わってからだと時間がかかりすぎて途中で心が折れそうになるので。
なお、表中の赤文字は1軍登板、黒文字は2軍登板、青文字はフェニックスリーグ登板です。



■1軍投手のP/IP、WHIP、BB9、H9

参考のため、1軍投手のP/IP、WHIP、BB9、H9を表にしてみました。
P/IPは1イニング当たりの投球数で15球が基準になるようです。先発で6回100球とすると16.67球、リリーフなら1人走者を出すとして1イニング当たり打者4人に4球ずつで16球。個人的には少し緩く見て、16~17球でもいいのではないかと思います。
WHIPは1イニング当たりに安打+四球で何人走者を出したかを表すもので、平均は1.32、1.00以下だと高評価、1.6以上だと低評価とされています。
BB9は9イニング投げたら四球を幾つ出すか
H9は9イニング投げたらヒットを幾つ打たれるか
というものです。

表には先発6人と抑えの栗林、左右のセットアッパーでハーンと島内を選んでいます。島内が少し落ちますが、それ以外の投手では栗林のBB9、床田と玉村のH9が若干高いくらいでしょうか。


■滝田一希

順不同でまずは滝田から。
2軍の開幕翌週から登板していましたが、6月5日から2か月弱、登板がありませんでした。この間は制球力アップに取り組んでいました。しかし、BB9は6月5日までが6.75、2軍最終登板の9月27日までが6.11ですから、大きな変化はありませんでした。BB9は9イニング投げたら四球を幾つ出すかというものです。つまり、BB9が6点台は9イニング投げたら平均6~7個四球を出す計算になります。BB9は平均3前後とされていますから、荒れ球が特長だとしてもちょっと多いですね。
制球力が課題の滝田ですが、自責点を見る限り、大崩れはしていないようです。8月22日には四球を7個与えて3回で降板していますが、自責点は2でした。9月7日も3回で降板していますが、この日は足が攣るアクシデントがあり、大事を取ったのでした。9月16日からの3試合は赤文字の1軍初登板を含め、比較的安定しているのではないでしょうか。
P/IPは1イニング当たりの投球数で15球が基準になるようです。個人的には少し緩く見て16~17球でもいいのではないかと思いますが、滝田は若干多いですね。WHIPは1イニング当たりに安打+四球で何人走者を出したかを表すもので、滝田は平均1.32より悪い(低評価寄り)ようです。
フェニックスリーグは体調不良のため途中離脱となりましたが、秋季キャンプには元気に参加しています。


■赤塚健利

キャンプ終了後からフォーム矯正に取り組んでいて、2軍初登板が6月になりました。滝田のところでも確認したBB9が7.62と高いですね。2軍戦は3試合連続無四球で締めましたが、フェニックスリーグでは4イニングで3四球(BB9は6.75)。しかし、自責点は7月3日に4点与えた後は安定していて、フェニックスリーグを入れても1点だけです。
WHIPが1.62なので低評価と判定されますが、その割に自責点が付いているのは2試合だけでした。表の打者列を見ると、2軍リーグ戦で3人で抑えたのは1試合だけしかありません。走者を出しながらも抑えているようです。P/IPは19球近くでやはり制球力が課題だと思います。


■玉村昇悟

ここで今年1軍で活躍した玉村を見てみます。玉村は1軍選手として考えて、2軍の投球成績は入れていません(本当は横着しただけ)。
まずWHIPが1.16。WHIPは1イニング当たりに安打+四球で何人走者を出したかを示しますが、平均は1.32、1.00以下だと高評価とされます。9イニング投げた場合の四球数(BB9)が1.30で、1イニング当たりの投球数(P/IP)が15とされる基準値を僅かに上回るだけの15.4。これらの数字を見ると1軍戦力になっただけのことはありますね。
今年は5月25日に1軍初登板。この試合は3イニング投げて自責点5と崩れましたが、2度目の登板から9月1日までは登板間隔を空けられながら5回未満での降板が1試合だけと先発の役割を果たしていました。しかし、9月8日は2ランホームランを含む初回3失点し、3回裏に打順が回ってきたところで交代。その後は森が2試合続けて先発で好投したこともあり、玉村はリリーフで3試合に登板してシーズンを終えました。九里がFA移籍したこともあり、来年は20試合程度の先発を期待します(今年は12試合に先発)。


■河野佳

次に、ざっくり半分1軍、半分2軍で投げた河野。P/IP、WHIP、BB9を見ても2軍では優秀ですが、1軍では物足りない数字になっています。
今年は先発黒原が初回先頭打者で危険球退場となってしまった後を受け、緊急登板したのが初登板でした。この試合で打たれて2軍へ。2軍では8試合連続自責点0、1軍昇格後も11試合連続自責点0と安定していましたが、8月11日に途絶えると再び2軍へ。2軍でもちらほら失点し、そのままシーズンを終えました。特筆すべきは被本塁打で、昨年は1軍で12.1イニング投げて被本塁打6でしたが、今年は16.2イニングで被本塁打1とかなり減らしています。
個人的には河野には先発ローテーションに入るか、リリーフなら勝ち継投に入るかのレベルを期待しています。

河野は黒田球団アドバイザーが「僕よりすごい投手になる可能性はある」と評価した投手。3年目の今年の飛躍に期待したいと思います。


■常廣羽也斗

2軍初登板は5月7日。そこから7月4日までの6試合は防御率6.83で打たれる試合が続きました。ここで3軍強化に入り、約4週間ぶりに7月31日2イニング投げましたが3四死球。10日後の登板で6イニング自責点0被安打1奪三振7四死球2と結果を残します。次の登板も7イニング自責点0で調子が上がってきましたが、9月1日は被安打10自責点5。1軍登板が遠のいたと思いきや9月8日には完封して1軍初登板初先発を掴みます。この後はまずまずの結果だと思います。
気になるところではH9が1軍2軍とも2ケタでちょっと多い。9イニング投げたら10安打以上打たれる計算。1軍投手のH9を見ると、多くても9ちょっとまでではないでしょうか。BB9も2点台に落としたい。2軍のHR9(9イニング投げたら何本ホームランを打たれるか)の数値が大きいのも気になりますが、3軍強化以降は減っています。

青学時代の映像を見るとまだまだ良くなる余地があると思います。球が浮きがちだし、ボールに力が伝わりきっていない感じに見えます。


#024019_カープ23歳以下の投手調べてみた(後編)

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