情動と技術の関係 - はじめての前川清
今日、ほぼ日のイベント、生活のたのしみ展に行ってきました。
あいにくの雨でしたが、とても楽しめました。これ自体のレポートはいろんな方が書かれていると思うので、私はその中の一つのイベント「はじめての前川清」のことを書こうと思います。
糸井重里さんと、いきものがかりの水野良樹さんの解説の後に、今年50周年、前川清さんの歌謡ショーが繰り広げられるというコンサートでした。
私は子供の頃、テレビで内山田洋とクールファイブを当たり前のように見て育った世代ですが、生は初めて。興味半分で、糸井さんのイベントならハズレはないだろうと、どんなのかわからないまま申し込んでみました。
感想は、前川清さんすばらしい。そして、プロフェッショナル。
ヒット曲から、初めて聞いた曲、最新曲もありましたが、その歌のうまさに引き込まれ、聴き入ってしまいました。
「長崎は今日も雨だった」、「東京砂漠」なんてサイコー。新曲の糸井さん作詞の「初恋 Love in fall」もとても良い曲でした。また曲間のトークも面白く、まったく飽きさせることがありません。
歌に引き込まれる話については、糸井さんの話の中で下記のような話がありました(多少私の解釈込みで書いています)
歌を聴いた聴き手の心の中に感情を生むには、歌い方にポイントがある。
歌い手が感情を入れて、それをむき出しに歌うと、受け取り手ののりしろがなくなり、心があまり動かない。一方で、直立不動でニュートラルに歌うと、聴き手がまっすぐに受け止めて、自分で解釈をして感情を動かす。
ただ、誰でもニュートラルに歌えば良いのかといえば、そうではなく、確固たる技術をもった人だけがそれを行える。
といった趣旨の話でした。
前川さんはまさしくその解説がピッタリ。踊るわけでなく、笑うわけでなく、直立不動で歌う前川さん。
ただその歌を聴くと、曲の世界に引き込まれ、心が揺さぶられるのです。それはプロフェッショナルな技術に裏打ちされたものだということが、解説を聞いてとても納得してしまいました。
前川清さんの曲、聴いたことない人も多いと思うのですが、ぜひ一度、機会を作って生で聴いてみてほしいです。心が動かされると思います。