「シリコンバレーのUXライターが語る、UXライティングの重要性」に参加しました
昨日、「シリコンバレーのUXライターが語る、UXライティングの重要性」というイベントに参加しました。Evernote社などでUX Writerとして活躍され、all turtles社のcofounderである、Jessica Collierさんが、UXライティングのイントロダクションを話してくださいました。
イベントで使われた資料は、下記に公開されています。
また、すでにnoteでレビューを公開されている方もいらっしゃいます。
なので、全体の流れや概要をまとめるよりも、ここでは私の印象に残っている点を中心に書いた方が有意義かと思い、書きたいと思います。
UXライター = User Centered Design + writing
ライターというと単に文章を書く人という印象が強かったのですが、そうではなく情報整理や、階層構造、フロー構成といったUI整理も行った上で、どの場面でどの情報を提示するかを考える職業だということがわかりました。そして、部屋に閉じこもって文言を考えて、「この言葉を使って」という態度ではうまくいかない。プロダクトマネージャーやマーケティングメンバーとと話しながら問題解決をしていき、一緒になって「その言葉いいね」っていってもらえるような仕事の進め方をすべきという話もされていました。
UXライティングの文化がない企業への導入方法
質疑の時間に、UXライティングの文化がない企業にどうやって導入すれば良いか?という質問がありました。これへの回答としては、
現状を洗い出すべき。どこでリテンションが落ちているかなどをクリアにする。そして、いろんな理由の問題があるけど、ほぼ確実に言葉に関連している課題があるはず。そういう課題解決を積み重ねることで言葉への重要性を広める。
と話されていました。
言葉の選び方
UXライティングのTipsとして、ユーザーが使っている言葉を選ぶことという話がありました。それに対して、「ユーザーが使う言葉といっても、若い人、年配の人など、いろんな人がいる中で、誰の言葉を選べば良いのですか?」という質問がありました。回答は、
ユーザーテストをしたり、CSに来るメールを見たりすると、使われる言語のパターンを見てとることができる。例えば話すトーンとか、共通する単語や言い回しが見える。そういう観察、分析したところから見出した共通言語を、製品に反映させて、最終的にはユーザーテストを実施して決断する。私の独断で言葉を最終決定するのではない。
と話されていました。
rl designの感想
今回参加してみるまで、正直、私はUXライターという職業の範疇を理解していなかったのですが、参加して理解が深まりました。UXとUI両方に関わっている方にしてみると、そんなことならやってるよという部分も多いとは思いましたが、翻訳のケアなども含めて、全部通しでやっている人は少ないだろうなという印象も持ちました。
Jessicaさんは英文学のPh.Dで、その学問に基づいた活動という話になると、ハードルが非常に高くなるのですが、実際のアクションであるユーザーの言葉を使う、一度に情報を提示しすぎないなど、できることの積み重ねで、ユーザーへの伝わり方が大きく違ってくると思い、チームメンバーとも共有して、進めていこうと思いました。