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音声で操作したくなることって何?

家ではGoogle Homeを便利に使っているのですが、スマホでできることすべてが置き換わった訳ではありません。また家の外のことを考えると、なんとなく街中で「OK, Google」って話したいと思わないし、実際に話してる人に出会ったことがありません(GoogleのCMでは見たけど)
これは国民性(ヘッドセットを使って電話してる日本人は外国人と比べて少ない気がする)や、世代による違い(デジタルネイティブ世代は違うかもしれない)が出るポイントだという事を理解しつつも、音声UIが向いている使い方や、音声UIの必然性というものがあるのではないかと考え、今日は書いてみました。

■家での音声操作について振り返ってみる


私は家でGoogle homeに「1チャンネルにして(テレビ操作)」や「J-WAVEを聞かせて(ラジオを聞く)」と話しかけてよく使ってます。これを自己分析すると、二つの特徴が見えてきます。

まず1つ目「1チャンネルにして」。これは離れた場所にあるリモコンを取りに行くのが面倒だから、その場で話して操作したいという気持ちの表れです。もし手元にリモコンがある時には、手で操作しています。どこかに取りに行く面倒さを声に置き換えたと言えるでしょう。

次に2つ目「J-WAVEを聞かせて」。これはラジオをBluetoothスピーカーで聞くときの話なのですが、この場合、手元にスマホがあろうと、なかろうと声で操作していて、テレビの例とは違います。そこで考えてみると、今まで手で操作していたときには、
 1. スマホのアプリ(radiko)を立ち上げる
 2. ラジオ局を選ぶ
 3. スマホアプリを使ってスピーカーの電源を入れる
 4. スピーカーに送る(AirPlayで選択する)
と、操作していました。これを今は「J-WAVEを聞かせて」と話しかけるだけで聞くことができるようになりました。複数の手順を持った面倒な操作を声に置き換えたと言えると思います。

■2つの特徴


このように、
A. 操作対象から離れている時に、そこに行く面倒さを声に置き換える
B. 複数の手順を持った面倒な操作を声に置き換える
という2つの特徴が考えられ、これが音声UI向きの操作と言えるポイントではないかと考えています。

例えば、スマホでtwitterを見ている時に、画面スクロールを声でやりたいと考える人は少ないと思います。これは、操作対象であるスマホが手元にある。画面スクロール操作が面倒ではない。とA, Bどちらにも当てはまっていないことが理由かなと考えます。

では、条件に当てはまることって何なのでしょう?
家の中では、リモコンで操作しているものや、そのモノ自体に近寄らないと操作できないものについてはすべてAが当てはまり、音声の活躍が期待できそうです。例えばエアコンやファンヒーターの操作や、お風呂の給湯スイッチなどいろいろ考えられそうですよね。
一方家の外では基本的に、ポケットやかばんにスマホが入っていることから、Aのモチベーションはあまりないかなと考えます。

家の中、外出先問わずBはいろいろ考えるポイントになりそうです。多くのコンテンツから1つを選ぶとか、文字を入力するなど。いくらでも考えられそう。ただ、コンテンツ選択は、ラジオの放送局のように唯一の選択肢ではない場合、工夫が必要になるかなと。その辺の話はまた今度。(私の場合、SiriのCMが流れてた頃「サカナクション流して」っていうのを試しましたが、その後の選曲が自分のノリと合わず使い続けなかった経緯あり)

■音声UI普及の鍵は、怠惰の法則?

そしてここまで書いて気づいたのですが、このAやBの条件って、深津さんがtakram podcastで話されていた「怠惰の法則」そのものだなあって。今回の例であてはめると、ユーザーは声という今までにない入力方法であっても、怠けることができるのなら使う、そしてそれが音声UI普及のキーになるということかなと考えました。
そして、この流れは良い流れのように思いつつ、開発者にとっては恐ろしいことも起こる事に気づきました。それは2-3週間後の次回に書きたいと思います。

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