医療にも押し寄せる働き方改革 勤怠管理システム化で目指す本質
システム化を目指す背景
医師や看護師をはじめとする多職種が、多岐にわたる勤務形態で働く医療現場。様々な法改正にも対応しながら、日々多様なシフト管理に追われる現場から、弊社にもシステム化に関する問い合わせが寄せられている。
しかし、システムを入れると全て解決かというと、そんな簡単な話ではない。満を持して勤怠管理システムを導入したが、既存のシステムとの連携がうまくいかず、以前出来ていたことが出来なくなった・連携の為の現場工数が増えて以前より忙しくなったという事例もある。施設に合うシステムを導入することが大前提だが、ではまず、何から始めたらよいのだろうか。
カギとなる客観性と正確性
前述の通り、多職種が多様な勤務形態で働く医療機関においては「客観的な記録」が非常に重要だ。勤怠管理を本人からの自己申告制で行っている場合、労務トラブルの際に労基署や裁判所から信憑性の薄い記録と判断されるケースが多いという。客観的な時刻記録で正確な労働時間を把握することが、働き方改革のスタートラインとなるのだ。
システムの属人化
現在では様々なシステムがあり、ポピュラーなICカードでの打刻や、顔認証にて検温と同時に勤怠打刻を行うものもある。しかし、たとえ打刻システムを導入していても、命と向き合う現場において、忙しさのあまり打刻を忘れるケースも多いという。制度変化に対応するために体制を整えるのはよいが、システム化はゴールではない。日頃の業務フローの中にいかに馴染ませ、活用出来るか、その環境も作りこまねばならない。施設のフローを棚卸し、業務の全体最適化を行えるかが重要だ。
システムによっては、施設担当者が全て作りこむ現場作業型、作りこみや運用サポートまで、メーカーSEが担うメーカー作業型など多様な形態がある。どんなにシステム化しても、現場担当者一人が業務を抱え込むと、結果、属人化してしまう怖さがある。事実「実務担当者の退職によりシステムを使いこなせない」といったご相談も過去にあった。まさに、システムの属人化。これでは本末転倒だ。
システムを活かし風土を創る
システム化で目指すのは、単なる勤怠管理の体制整備ではない。前述の通り、打刻システムを導入しても、多忙のあまり打刻忘れ等、システムを活用しきれないケースも多い。この様な事案に対し、部署や個人ごとの打刻状況と集計データを即座に確認・分析し、打刻率を算出可能なシステムもある。手入力か、修正したデータか、実際に打刻したデータなのかを判断でき、正確な打刻状況の把握が出来るほか、打刻率を共有することで、「打ち忘れ率○%」といった目標も立てる事が出来る。結果、打刻への意識を自然と高められ、職員の勤怠管理への意識向上にもつながる。真に目指すのは、風土の醸成だ。
変化と最適解、そして見直し
医療にも押し寄せる働き方改革により、多大な影響を受けている医療現場の勤怠管理。システム導入で終わりではなく、データ活用で問題意識を現場共有・改善へとつなげる環境や風土をいかに創り上げられるか、活かせるか。その視点を忘れてはいけない。数年前にシステムを入れたというご施設もあるだろうが、数年前と現在では抑えるべきポイントも変化している。現時点での最適解が反映されたシステムか否か、貴院でも今一度、見直してみてはいかがだろうか。
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