みんなのストリームエンコーダー大アンケート2020年夏
私事ですが、Facebookで「ネット配信部」というグループの管理人をしております。ライブ配信やウェビナーなどインターネット上における動画コミュニケーションに関する情報交換の場として約2,700人の方々にご参加いただいております。
そんな、日本最大(※当社調べ)のライブ配信大好き人間集団の皆さんにご協力いただいて、使用しているストリームエンコーダーについてアンケートを実施しました。
ライブ配信で使用するエンコーダーとは?
ライブ配信をするための機材の中で、重要な要素一つが「エンコーダー」と言われています。撮影した映像を、最終的にインターネットに乗せて配信するための変換器をエンコーダーといい、ストリームエンコーダーとも言われます。
エンコーダーには大きく分けて2種類あり、一つはPCに処理をさせて変換をする「ソフトウエアエンコーダー」、もう一つは専用のハードウエアで変換をする「ハードウェアエンコーダー」です。どんなプロでもどちらかの方法でライブ配信を行っています。
それぞれの方式の良し悪しについては今回の記事では割愛させていただきます。
ダントツのシェア1位はOBS
前置きが長くなりました。集計結果の発表です。設問は
「ライブ配信で使用しているストリームエンコーダーを教えて下さい」
という1問。ソフトウエア/ハードウェア、両エンコーダ混在の選択肢より現場の声を投票いただきました。投票期間は2020年8月5日~8月23日(※現在も投票可能)で、複数回答ありで有効投票数は362件。
※クリックすると画像が大きくなります
1位 OBS・・・ 126票(34.9%)
2位 LiveShell X(Cerevo)・・・ 59票(16.3%)
3位 Wirecast・・・ 63票(14.7%)
4位 Atem Mini Pro(Blackmagic Design)・・・ 41票(11.4%)
5位 Zoom Pro・・・ 22票(6.1%)
やはり、無料で使用できる高性能なソフトウエアエンコーダーとして、Open Broadcaster Softwarの配信ソフト「OBS」が圧倒的な人気で、2位以下を大きく引き離し首位を獲得しました。ネット上にもノウハウがたくさん公開されており、初心者からプロまで納得の性能です。
出力モードを「詳細」に設定すると、かなり綿密にチューニングが可能で、配信ソフトの各パラメーターが一体何を意味するのかを勉強するのにも最適なソフトです。
2位にランクインしたのは、ハードウェアエンコーダーの一番人気、Cerevo発売する配信器の最上位機種「LiveShell X」です。定価は¥69,800ですが、コロナ禍以降、品薄状態が続き価格も高騰気味です。PCレス配信と説明されていることがありますが、現実的には外部コントロールのためにPC等の端末が必要なので、完全に現場からパソコン類を無くすことは出来ません。それでもエンコードという一番重い処理をPCから開放することができるので、専用機ならではの安心感を得ることが出来ます。
3位にはソフトウエアエンコーダー「Wirecast」がランクインしました。老舗の有料配信ソフトで、WIRECAST STUDIOで$599(¥63,000くらい)、上位のWIRECAST PROで$799(¥84,000くらい)しますので、ライブ配信を始めたばかりの初心者にはすぐには手が届かないかもしれませんが、多くのプロの方が所有している定番ソフトです。機能を駆使し、高品位な配信をすることができます。ネット配信部にはプロの方も多いので投票が集まりました。
4位は大人気スイッチャーでもあるBlackmagic Designの「Atem Mini Pro」がランクインしました。イーサネットを繋ぐだけで、単体でライブ配信が可能になるAtem Mini Proの登場は衝撃的でした。映像スイッチャーから配信機能まですべてが詰まって¥67,980の価格は大変魅力的で、初めて購入するライブ配信機器としてATEM Mini Proを選ばれる方が最近多いです。
このアンケート開始後にAtem Mini Pro ISOが発売されましたので、さらにシェアを獲得していくことが予想されます。
6位以下は下記の通り
シェアは割愛
6位 LiveShell PRO(Cerevo)・・・10票
7位 HELO(AJA)・・・9票
8位 vMix・・・8票
9位 LiveWedge(Cerevo)・・・7票
10位 メーカー不明(中国製エンコーダー)・・・7票
11位 Xsplit・・・4票
12位 MS-SC6D0N1 AIO(MEDIAEDGE)・・・3票
13位 LiveShell 2(Cerevo)・・・2票
14位 GO:LIVECAST(Roland)・・・2票
15位 se510(AVerMedia)・・・1票
16位 VS-R265(TASCAM)・・・1票
17位 Monarch HD(Matrox)・・・1票
18位 VidiU(Teradek)・・・1票
19位 LC200(Lumens)・・・1票
20位 自作(HDMI入力RTMP出力)・・・1票
21位 MS-SC6D0N4S SDI(MEDIAEDGE)・・・1票
22位 mimoLive・・・1票
23位 VS-R264(TASCAM)・・・1票
24位 GV-LSBOX(I-O DATA)・・・1票
やや個性的な機種が並びましたが、投票者の顔ぶれを拝見すると、キャリアのある方が上位機種を所有しつつもこれらの機種も所有しているというケースが多かったようです。
AJAの「HELO」(¥166,980)は2017年の発売ですので、最新機種というわけではありませんが、今なおこれにこだわって使い続けている方も居られます。
一方、MEDIAEDGEの最新機種「MS-SC6D0N1 AIO」(¥128,000)は、高音質を歌う新鋭の動画配信サービス「MUSIC/SLASH」の公式エンコーダーとして打ち出され、話題を集めています。
TASCAMの「VS-R265」(¥280,00)は大変高額ですが、4Kが扱える希少なタイプということで、最前線の一部プロの方が導入されています。
少数ではありますが、中国から個人輸入をしたり、自作する方まで居られます。一口にストリームエンコーダーと言っても、機種がこれほどまでも多岐にわたり、驚かされます。気になった機種があった方は、探してみてはいかがでしょうか。
まとめ
いかがだったでしょうか。こちらのアンケートはネット配信部で引き続き投票を受け付けております。ご興味おありの方は、気軽にFacebookでネット配信部にご参加ください。
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