世界を繋ぐ地球規模のメトロノーム
NTP(エヌティーピー)・ネットワーク時刻同期に対応したタイムコードジェネレーター「Sync Contoller(シンクコントローラー)」の試作機の動作検証をしています。
studio bluegreenのTakuminさんが開発されている「Sync Contoller」は、インターネット上から正確な時刻を受け取り、ビデオ同期用のタイムコード信号を生成する機械です。
これを使うことで、世界中のどこでも、離れた場所で同時刻に撮影された映像を、即座にピッタリとタイミングを合わせることが出来ます。
例えば、東京と大阪とニューヨークにいるミュージシャンが「せーの」で音楽を演奏したときに、あとから同時刻の映像をピッタリと合わせることが出来るので、新しい映像表現にチャレンジすることができるのです。
これはまさに地球のメトロノーム、#earthMetronome (アースメトロノーム)なのです。
Sync Controller 試作機テスト DAY1
TakuminさんよりSync Contollerの試作機をお借りして動作テストをさせていただけることになりました。今日の成果を見てみましょう。
ちなみにこの動画は、私からTakuminさんへのビデオレターのようなもので、他の方が見たときに退屈かもしれませんが、検証初日の状況を示している内容となります。
動画を見るのが面倒な方のために、スクショで一気に説明しましょう。
まずはSync Contollerの設定の話。
Sync ContollerにはNTP(インターネット時刻)で動作するモードとRTC(内蔵高精度クロック)で動作するモードがありますが、今度やりたいことを考えてNTPでテスト。左のスイッチが上の位置に。
さらに、外部信号にフレーム同期するモードとフリーランのモードが用意されていますが今回は、外部からHD3値シンクのリファレンス信号を入れて動作させることに。右のスイッチが上の位置に。
フレームレートは私が音楽モノの映像作品を撮影するときの設定「23.98のノンドロップフレーム」に設定しています。実際は23.976です。
映像リファレンス信号は、 Blackmagic DesignのMini Converter Sync Generatorより提供しています。リファレンス信号はSync Contollerだけでなく、同時に使用されている映像関連機器にも提供されています。
Sync Contollerは0dBm (0.775V)でSMPTE LTC信号を出力します。今回は2つの機器で同時にLTCを受けたいので分配器で分配します。
余談ですが、分配器を買ったときの顛末はこちら。
閑話休題、今回テストでLTCを提供したい機器は、映像レコーダーのAJA Ki Proと音声レコーダーのAVID Pro Toolsです。それぞれにの機器にLTCを送ります。
Ki Proの状態を示した画面。1080pの23.98フレームの映像を受けていることがわかります。
ここでKi ProにLTCを提供したところ、残念ながらタイムコードをうまく受け取れていない様子。
しばらく待つと、今度はタイムコードをうまく受けとれました。
動画を参照いただければわかるのですが、残念ながら、上手くLTC信号にロックしたりしなかったりの繰り返し。
次に、Pro ToolsにもLTCを提供します。AVID社のシンクロナイザーSYNC HDにLTCを入力。SYNC HDがタイムコード時刻を正確に表示しています。
受信したタイムコードはPro Toolsの設定画面でも確認出来ます。Pro Toolsを走らせていない状態でもタイムコードがどんどん進んでいくのを確認できます。
次にPro Toolsをタイムコードに同期してスレーブで動作するように設定すると…
タイムコードにロックして再生されたり、ロックが外れて停止してしまったりの繰り返し。
残念ながら動作検証第一日目の状態では不安定。
こんな感じで一日目の動作検証は終了したのでした。
実はすでに新しいファームウエアで解決済み
この初日レポートを動画にしてTakuminさんに送ると、まさにまさにこういうレポートが貴重ということで、早速修正に取り組んでいただけることに。
試作機が私のところに届くまでに、Blackmagic Pocket Cinema Camera、パナソニック LUMIX DC-BGH1、そしてMOTUの機器で問題なかったそうですが、それでも全部大丈夫とは限らない。開発って本当に大変ですね。
しかし、ものの数時間後に「どうやら直せたかも?」とメッセージが。
修正後のファームウエアでは、Ki ProもPro Toolsも正常にロックするようになりました。詳しくは次回にレポートしますね。
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今後、Takuminさんと共に「Sync Controller - 完成までの道のり」というnoteのマガジンに、引き続き動作検証の様子をレポートしていきたいと思いますので、よかったらマガジンもフォローをお願いします