録音ブースとコントロールルームとのコミュニケーション、T/B(トークバック)について
白金ピアノスタジオはピアノを演奏する「ピアノブース」と、録音機器を操作する「コントトールルーム」とがセパレートしているレコーディングスタジオ方式を採用しています。
このように遮音された別室で録音作業を行うことで、ピアノ演奏に影響を与えることなくスピーカーから音を出してモニターしたり、録音マイクに余計な物音などが挿入することを防ぐことができます。
一方で、防音壁を隔てているので、コントロールルームとピアノブースは直接肉声で会話することが出来ず、トークバックという器械を用いてコミュニケーションを取る必要があります。
キューボックスを介したヘッドフォンでのトークバック
こちらはブース内に設置された音声のやり取りをするためのコネクタボックスです。
マイク用の回線が2ch、コントロールルームからブースへのセンド用のXLR端子が2ch、映像用のBNC端子、そしてキューボック用のD-sub 25端子が備わっています。D-sub 25端子は8ch分の音声を伝送することができます。
このD-sub 25端子に接続するためのオリジナルのケーブルを2種作成しました。1本目はこちら。
D-sub 25端子とキューボックスを接続し、かつ外部から電源を供給できるようになっています。
オケなどに合わせて、ヘッドフォンで音をモニターしながら演奏できる方には、キューボックスをお使いいただきます。このキューボックスを介して、コントロールルームから、演奏者のヘッドフォンに話しかけることができます。
演奏者の声は、録音用のマイクを通じて、コントロールルームに聞こえます。これで双方向の会話ができます。
キューボックスにはLRのステレオ音声と5ch分の単独チャンネル、合計7ch分の音声を送ることが出来ます。
このキューボックスについては、別の記事も書いておりますので、よかったら読んでみて下さい。
スピーカーによるトークバック
クラシック演奏家など、ヘッドフォンをして演奏しない音楽家の方とのコミュニケーションは、トークバック用のスピーカーを設置します。
コントロールルームからブース内のスピーカーを通じて、演奏者に話しかけることができます。演奏者の声は、録音用のマイクを通じて、コントロールルームに聞こえます。これで双方向の会話ができます。
2本目のオリジナルケーブルは、先程のD-sub 25端子から、トークバック用のスピーカーに音を送るためのケーブルです。このケーブルで、D-sub端子から1ch分だけアナログ音声を取り出して、スピーカーに音を送ることができます。
このケーブルも、先程のコネクタボックス内のD-sub 25端子に接続します。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?