バンドネオン奏者・仁詩(ひとし)さんのレコーディングセッション動画を4曲まとめて公開!
文・写真・録音・撮影/木村 玲(白金ピアノスタジオ)
バンドネオン奏者・仁詩(ひとし)さんの最新アルバム「Mysterious Journey」より、レコーディングの様子を撮影したレコーディングセッション動画を4曲まとめて公開しました!
今回のアルバムは、白金ピアノスタジオでレコーディングを行ってくださったので、私自身がレコーディングエンジニアとして関わらせていただきました。レコーディング当日に撮影した映像をご紹介しながら、レコーディングを振り返ってみたいと思います。
アルバム1曲目を飾る「ハレのまにまに」
早速映像をご紹介します。アルバムのオープニングを飾る、仁詩さんのオリジナル曲「ハレのまにまに」。
今回のアルバムは1曲を除いてすべて仁詩さんが描き下ろしたオリジナルで構成されています。バンドネオンという楽器はタンゴの伴奏楽器というイメージが強いですが、その域にとどまらず、ジャンルを超えた活動をしているのが仁詩さんの魅力。
「ハレのまにまに」は、まさに冒険の始まりというか、旅の門出に祝福の光が射すようなような清々しい1曲。ピアノ伴奏はアルバム通して、ピアニスト須藤信一郎さんが務めます。
演奏者の真価が問われる「一発録り」レコーディングの魅力
今回のレコーディングは、バンドネオンとピアノが同じ空間で、お互いの音を生で聞きながら一緒に演奏する「一発録り」という手法で行われました。
「一発録り」は最も原始的な録音方法で、相手の息づかいを感じながら生き生きとした演奏を収録出来るのが特徴ですが、お互いのマイクにお互いの音が“かぶって”入ってしまうので、パンチインと呼ばれる部分的な修正が一切できず演奏力が問われます。
それは録音をする私にとってもやり直しの効かない一発勝負。
本日紹介する4本のレコーディングセッション動画は、世の中にあまたある、後から当て振りをして撮影したミュージックビデオではなく、アルバムに収録しているテイクを演奏したときの映像そのままで、一切編集なしの撮って出し映像です。
希望の転調!?「希う、詩 Koinegau Uta」
アルバムの中盤に収録された「希う、詩 Koinegau Uta」は、リズミカルな曲調が楽しい1曲。小気味よい須藤信一郎さんの奏でるピアノのバッキングにも耳を澄ましてみてください。
終盤、転調する箇所があるのですが、その瞬間が「希う」(こいねがう)っということなんだろうな、と想像しながらミックスしました。「希う」とは【強く願い望む。切に望む。】などを意味する言葉です。
オシャレが止まらない!「夜に惑う」
Jazzyなピアノのバッキングで幕を開ける「夜に惑う」は、夜を感じさせるコード進行が繰り返される憂いの1曲。
反復されるメロディーとそれを支えるオシャレなコード進行。終盤は驚くようなアウトコードも飛び出し、ドープな世界観から逃げられなくなります。
「懐かしの帰り路」にそれぞれの故郷を想おう
アルバム8曲目に収録された「懐かしの帰り路」は、忘れてはいけないものを思い出させてくれるような哀愁のメロディ。これを聴いたらあなたも実家に電話をしたくなるかも。
録音エンジニア的には、この曲で使用するリバーブ(残響音)の音が決まると、「曲は完成した」という手応えを感じました。
バンドネオン奏者 仁詩 Hitoshi の新作CD「Mysterious Journey」好評発売中!
仁詩さんの書き下ろしを含めたオリジナル曲9曲と、ボーナストラックとしてバッハのシャコンヌを収録したアルバム「Mysterious Journey」は、仁詩 Storeにて絶賛発売中。
1. ハレのまにまに
2. 見知らぬ街の朝
3. INITIUM - 始まり -
4. 希う、詩 Koinegau Uta
5. 夜に惑う
6. ジェリーフィッシュ
7. 空飛ぶカーニバル
8. 懐かしの帰り路
9. 雲海を征く
10. シャコンヌ
バンドネオン 仁詩
ピアノ 須藤信一郎
オフィシャルサイト、オフィシャルYouTubeチャンネル
仁詩さんは積極的に演奏活動されていますので、ぜひコンサートにも足をお運びください。
また、仁詩さんのYouTubeチャンネルでは、ご自身のスタジオより定期的に配信される番組「ラジオのような音楽とトークと」や、ライブ映像などが見られます。
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