今、これから広告運用者を目指すなら抑えておきたい3つのポイント
川手@RKawtr です。
2020年今現在、下記のような不安を抱えて、モヤモヤとした思いを秘めて日々過ごされている、 そんな Web 広告代理店に入社された新卒社員の方は意外と多いのではないでしょうか。
まだオフィスに数回しか出社できていない
入社数日でオフィスがなくなった
フルリモートで一度も出社できていない
人の名前、顔すら覚えられていない
自分は数ヶ月前に、下記のような note を広告運用初心者向けに書きました。
上記 note は広告運用初心者がスキルアップしていく上で取り組むべき6つのポイントについてまとめ、記載したものとなっています。
執筆当初、現在のような特殊な状況下は想定していませんでした。
今年の新卒1年目の広告運用者に対しては、「特別な追記」が必要であるように思います。この note は上記 note の追記的 note であり、補足的 note でもあります。そのため上記 note と合わせて一読いただけるとより効果的なはずです。
まず結論を先に書いてしまうと、特に例年以上に今年は、すごく伸びる人は伸びるものの、置いていかれる人はそのまま置いていかれてしまうのではないかと自分は考えています。
別に不必要に不安になる必要はないかと思いますが、特に教育体制がしっかりとしていない代理店に就職してしまった場合は、要注意です。最悪「犬の道」に踏み込み、抜け出せなくなり、時間をかなり無駄にしてしまうかもしれません(詳細後述)。そうならないためにも、 本 note をご活用いただければ幸いです。
これから一人前の広告運用者を目指すなら抑えておきたい3つのポイント
本 note では、「これから一人前の広告運用者を目指すなら抑えておきたい3つのポイント」についてお話をできればと思います。3つのポイントについては以下の通りです。
1.ゲームルールが書き換わっていることを正しく認知する
まず前提として、ゲームルールが大きく書き換わってしまっているということを冷静に理解し、認知すべきです。
例えば、出社が解禁されたとしても容易に第2、第3の波が来ることが想定されます。その場合、再び在宅ワークを余儀なくされる可能性も考えられます。これを向こう1〜2年何度か繰り返すとして、いわゆる「目で見て盗む」的なスタイルで技術習得するのは、非常に困難なものとなるのではないかと考えられます。
特に OJT を主に新人トレーニングを行なっている代理店の場合、見直すことが必要です。しかしながら、現時点でおそらくそこまで気にかけて対応できる広告代理店は少数派なのではないかと思われます。
最低限、ルールが書き換わっている事を正しく新人レベルの一個人であったとしても正しく認識し、上司や上長に自分自身が置かれている状況、思考を言語化して、伝えられるようになる必要性があります。
特に上司の経験が浅い場合、「 SOS 」を出しているつもりだとしても気づかれないケースは、密なコミュニケーションが取りにくい状況下では起こりやすいように考えられます。
そのためまずは、ルールが書き換わっている事を新人一個人が正しく認識し、その上で仕事に取り組んでいけるように強く意識しましょう。
まずは「意識」するだけでも大きく変わります。
2.自分が持っている「武器」を知り、考える
次に、自分が持っている「武器」を正確に把握し、理解することはとても重要です。例えば「時間」特に「集中作業のできる時間」は非常に強力な武器です。
都内に通勤するサラリーマンの場合、仮に通勤時間が片道1時間であった場合、1日2時間、月20日出社したとして40時間、つまりたった1か月通勤しただけで約2日近くを満員電車のなかで過ごしていたことになります。この時間を自由に使えるようになるというのは、非常に大きな意味を持ちます。
このような話をすると、以下のように反論される方もいらっしゃるかもしれません。
満員電車の中で無為に時間を過ごしていたわけではない。例えば本を読んだり...ニュースをチェックしたり...
しかしながら、少なくとも電車の中では集中作業はできません。「ながら」作業にどうしてもなってしまうはずです。多くの人は、「ながら」では価値のあるものは生み出せません。
例えば「ながら」で何かをなし得て生活できる場合、そもそも就職なんてする必要ないわけです。「ながら」で成功できるのは、ほんの一握りの天才だけです。
前述した通り、「集中作業のできる時間」は武器になります。せっかく時間があるのであれば「集中すること」を意識してみてください。
例えばこの状況下では、文章で物事を伝えることの重要性が引き上がっているように考えられます。多くの企業で「コンテンツ制作」をこの時期に進めているケースもあるはずです。そのため「ライティング能力」は今後しばらくの間、非常に重要なスキルになっていくはずです。その件については栗原さん@kotakurihara 、松本さん@Jn_Matsumoto も言及されています。以下はその関連ツイートです。
それを見越して以下のような取り組みを実施したとします。
通勤時間がなくなった分、毎日1時間ライティング能力を高める勉強に集中しよう
その場合、ひと月で20時間分ライティングの知識、経験を積むことができます。20時間全て超集中状態(ディープワーク状態)で取り組んだ場合、少なくとも1ヶ月〜2ヶ月ぐらいで成果も出てくるように思います。
何かに中途半端に取り組むのはよくありません。どうせ取り組むのであればとことん集中しましょう。「集中作業ができる時間」は非常に強力な武器です。しっかりと活かしましょう。
以下 note は以前に自分が「ディープワーク」について、実例を交えて解説した note になります。こちらもご参考になれば幸いです。
3.信頼できるメンターに師事する
最初の上司を信頼し、色々と教えてもらうことはとても重要です。しかし、一人の人間から学べることには限界があり、自分は早ければ数ヶ月後くらいから、社外の信頼できる人(メンター)からも色々と学ぶのも悪くないのではないかと考えています。
例えば、自分は今年の元旦に株式会社セブン&アイ・ホールディングス名誉顧問の鈴木敏文氏の著書『鈴木敏文の経営言行録』を一読し、非常に感銘を受けました。
また自分自身、社会人2年目になってからは株式会社スタジオジブリの鈴木敏夫氏の関連著書、ラジオを通じて対人・組織における交渉術を徹底的に学びました。
僕自身は鈴木敏夫氏には一度もあったことはありませんが、実際に「もののけ姫」「千と千尋の神隠し」などの名作を記録的な興行成績に導いた氏の交渉術の数々、つまりは劇場・供給会社との非常に泥臭いやり取りの数々を耳と目で覚え、広告運用の実務においてクライアントワークに徹して反映させできました。
その恩恵もあってか、今現在社内で誰よりもクライアントワークに関しては誰よりもレベルの高いものを展開できているという自信があります。
実際に会わなくても、視覚・聴覚での接触頻度を高めれば、その人のもつ技術・思考方法を学ぶことは容易です。もちろん全てを学ぶことは直伝ではないため不可能ですが、過去の偉人の技術を10%でも20%でも学ぶことは、将来に非常に大きな実りをもたらします。
例えば前述「ライティング能力」を高めると、必然的に論理的に考える癖が身につきます。上司から指摘があった場合も、それが「論理」に基づくものなのか「理屈」に基づくものなのか、瞬時に判断できるようになります。
実は「論理」に基づかない、いわゆる「犬の道」を推奨する人は社会に多く存在します。多くの方はそれにすら気づきませんが、「犬の道」は極めて非効率です。「論理」的に考える癖を身につけると、それを見極めることも容易となります。
そもそも、バリューの高い仕事を実現するには、「解の質」「イシュー度」の高さが必要です。以下は安宅氏の著書『イシューから始めよ』からの中での「犬の道」を説明する引用図です。
以下は書籍内における、氏による言及箇所です。
「イシュー度」の高い問題から手をつける。この場合、「解きやすさ」「取り組みやすさ」といった要因に惑わされてはならない。あくまで「イシュー度」の高い問題からはじめる。
絞り込んだイシューについて検討・分析を繰り返し行うことで、数十回に1度程度はよいものができる。よい仕事をし、周囲からよいフィードバックを得ることで、はじめて人は「解の質」を学ぶことができる。成功体験を重ね、だんだんとコツをつかむなかで、10回に1度、5回に1度と一定レベルを超えた〝使える〟解を生み出せる確率が上がっていく。
「あれもこれも」とがむしゃらにやっても成功はできない。死ぬ気で働いても仕事ができるようにはならないのだ。「とりあえず死ぬまで働いてからものを言え」といった思想は、この「イシューからはじめる」世界では不要であり害悪だ。意味のない仕事を断ち切ることこそが大切なのだ。
安宅氏の言う通り、知的生産において単にがむしゃらに努力するだけでは成功できません。しかし、少し意識して「解の質」「イシュー度」の高さを希求すれば、最短ルートでの成長を実現できる可能性が高まります。逆にこの点を意識せず取り組んだ場合、「犬の道」を歩む羽目になります。「犬の道」は"運"による影響が非常に大きく、汎用性が低いため、教育の場で上司が実施すると部下・後輩は非常に大きなデメリットを被ります。
例えばダルビッシュ有さん@faridyu も、以前に下記のようなツイートをしています。
要するに、「○○さんに従っていれば大丈夫」という考え方そのものが、大丈夫ではないのです。何かを闇雲に信じたり、2つの選択肢から無理やり真理を見つけようとしたり、そのように短絡的に考える人は社会に多く存在しますが、それらの人は何も考えていなかったりします。そういう人に未来はありません。
最初の上司を信頼し、色々と教えてもらうことはとても重要です。しかし、一人の人間から学べることには限界があります。そして正直な話をすれば、社会に存在する上司全員が優れているわけではありません。巷では「上司ガチャ」という言葉もあるようです。そのためまずオススメなのが、「ライティング能力」を高め、その人が「論理」的であるかどうかを見極められるようになることです。
実際に大成功している人の多くは、場当たり的な「理屈」ではなく、汎用性の高い「論理」で考え、行動し、目的を実現しているケースが多くあります。そういった人の中から自分に合う人(メンター)を見つけ出し、師事し、書籍や音声、YouTube といった動画サービスなどを駆使し、直伝ではなくとも色々と学ばせて貰うというのは非常に有効ではないかと思われます。
【参考書籍】
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?