美容師さんに話したSEOとGoogle マイビジネスを用いた美容室集客の話
先日5年以上お世話になっている美容室に髪を切りに行ったのですが、美容師さんから SEO に関する質問をいくつか投げかけられました。
「あ、美容師さんも SEO のことなんて考えるのか」などと感慨深い思いに浸りました。
正直今の SEO やリスティング広告って、その筋の専門家じゃないと正しく説明できない領域が増えすぎているので、とりあえずその場で答えられる範囲で答えたのですが、不十分な部分もあったかと思うので note にも簡単に話した内容をまとめておければと思い筆をとった次第です。
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あらかじめご了承ください(#PR)
そもそもSEOとは
そもそもSEOは「検索エンジン最適化」(Search Engine Optimization)の略称です。検索エンジンは Google だけではなく、Yahoo! や Amazon 、Google Map といったものを指す場合もあります。ただし Google Mapの場合は、 MEO (Map Engine Optimization) と呼ばれることもあります。
つまりSEOとは、検索した際により上位コンテンツとして表示されるようにする技術、検索した際に検索エンジン上にコンテンツが表示され、そこからのWebサイトへの流入を促し、集客につなげるための技術ということになります。またそれらの技術を用いることを、「SEO対策」「SEO施策」と言うこともあります。
美容室のSEO施策は何をすればいいか
自分自身は美容室の集客を行ったことはありません、ただし美容室の店舗によって全く異なる戦い方が必要な気がします。
例えば東京の激戦区と地方の美容室が、同じような SEO 施策をする必要性があるでしょうか。
(1)都心部の激戦区の場合
日本全国の美容室数はコンビニの4倍、信号機の数よりも多いのです。激戦区の美容室の SEO 施策は「美容室 SEO」と検索し、誰でも得られる無料の公開情報を参照し実践する程度では正直インパクトは殆どないのではないでしょうか。
また美容室の場合、「美容室 + 地名」で検索する人は必ず検索結果上でも「比較」し、その上でお店を選びます。検索者が「比較」することを望んでいる以上、ほぼ比較可能なコンテンツ、マッチングサイトしか上位掲載されません。
下図は「美容室 池袋」で検索した際の検索結果です。
上位掲載サイトのほぼ全てがマッチングサイトです。
そのため SEO に注力しても、「美容室 + 地名」で検索をしても1ページ目になかなか表示されない、表示されるのに時間がかかるといったことが特に激戦区の場合は容易に想定されます。
...ではどうすればいいのか
激戦区での集客を伸ばすためには、「お店の名前そのもの」「美容師さんの個人名」の検索を増やす必要性があります。「お店の名前そのもの」「美容師さんの個人名」の検索であれば比較されずに、検索意図としても「そのお店を探している」ものになるためです。
「お店の名前そのもの」「美容師さんの個人名」の検索数を増やす取り組みは色々あります。例えば「 Instagram 」「 Tik Tok 」「 Pinterest 」を駆使し、ファン数を増やすのも有効でしょう。
つまり検索される前に「第一想起」を抑え、その上で集客を行っていく、それらを加味した SEO 施策を進めていくという必要性があります。例えば「美容師さんの個人名」の検索に備えて、美容師さんのプロフィールページを用意しておくなど、そういった動きが必要です。
また検索結果に必ず表示される「マイビジネス枠」に入るために Google マイビジネスに登録することも必須です。こちらは詳細別途後述にて詳しくお伝えいたします。
(2)地方の美容室の場合
逆に地方であればしっかりと基礎的な SEO 施策を行うことで上位掲載される可能性は高まります。前述した通り、美容室は日本中にコンビニの4倍存在します。しかし、全ての地方の美容室が SEO 施策を行っている訳ではありません。9割以上がリピーターで回っている美容室も多いのではないでしょうか。そもそもホームページすらない美容室も多いはずです。しかしながら、都心部に比べて人口の絶対数が少ないため、検索者の母数が少なければ上位掲載されたとしても最終的な「集客」へのインパクトは欠けてしまいます。
ただし、基礎を徹底しておくことは重要です。SEO は上位掲載され続ければそこからリスティング広告などと違いクリックされるたびに費用などが発生することなく集客を行うことができます。
例えば月に1人しか新規顧客の集客に繋がらなくても、1年で12人、10年で120人を集客することが可能です。そのため地方ではまず基礎的な SEO 施策をしっかり行うことが、長期的にとても大きな意味を持ちます。
「SEOの基礎」は本、 YouTube でも学べる
本職で SEO のお仕事をされている方であれば「そんなの全然 SEO をわかっとらん!!」と口を酸っぱくして説教をしてしまうかもしれませんが、美容師さん自身が「基礎」をざっくりと理解するのであれば、本を1冊読めば十分だと思います。特に初心者にオススメの1冊が『10年つかえるSEOの基本』です。
僕も実際に SEO の知識が全くない時で読んだのですが、対話形式で全般が書かれており、世界観や仕組みについて理解することができました。
自分自身でWordPress のサイトを持っていて実装までするのであれば『現場のプロから学ぶ SEO技術バイブル』もオススメですが、こちらはかなり難易度も高いのでまずは『10年つかえるSEOの基本』を読んで、体系的に理解をする形を推奨します。
あとはYouTubeで、鈴木さんが初心者向けに SEO を解説されている「ミエルカチャンネル」もオススメです。
聞き流しておくだけで SEO の基礎知識、特に単語、用語が理解できるようになるため、専門書や SEO に関する Web 記事を読んだ際にありがちな、「単語をそもそも理解できず躓くこと」を未然に防いでくれます。また SEO や Google の考えについても、体系的に理解する上で大きな助けとなります。
正直ホームページの優先度はそこまで高くない
ホームページを用意する場合、コンテンツは最小限で良いと思います。下記のようなコンテンツは必須となります。
美容師さんの仕事は基本は接客業です。集客まで手が回らず、以下のようなことが起こり得ます。
そういったケースですと、そもそもサイトを作っても放置してしまいがちですし、コンテンツ更新や追加などはできないというのが実情なはずです。
もしそうであれば、独自ドメインを取得してまでサイトをわざわざやらなくてもいいんじゃない?というのが個人的な感想です。
業務上のフローでどうしても必要だったり、仲介サイトへの登録で必要だったりするのであれば話は別ですが、更新しないものを年間数万円かけて維持(業者を挟むのであれば場合によっては数十万円)するよりも、Googleが無料で提供している使いやすいプロダクトを高頻度に活用する形が良いのではないかと思います。その方が実集客に対しても大きく良い影響を与えられる可能性は高いと思います。
Google マイビジネスの取得と運用は必須
例えば、以下のような状況を想定してみてください。
予約する際には「医院名 + 地名」「医院名」などで検索し、電話番号を調べたりすることが想定されます。その際にGoogle マイビジネス情報が出てくればそちらから直接電話をして申し込むなどするかもしれません。また住所を確認するため、口コミなどを見ておこうと思い Google マイビジネスを見ておこうと思うかもしれません。このように最低一度は、訪問先の Google マイビジネスを見る機会があるのではないでしょうか。
実際に Google Map で検索して情報が出てこないと心配になりますし、近くに行ってみて、医院が見つからない時は焦って Google Map などで確認すると思います。そしてその際、ホームページ自体はそこまで見ないのではないでしょうか。
そのため必ず、Google マイビジネスを取得していない場合は取得することを強くオススメします。取得はしたけど運用していない場合も、必ず取得したマイビジネスを運用してください。運用することにより、「美容室 + 地名」検索結果に表示される、下記図のような「マイビジネス枠」(赤枠)への露出が可能となります。
クチコミへの返信など、手間に感じる部分もあると思いますが実施することをオススメします。
コンテンツを書きたければ note でいいと思います
ホームページを持たずに美容室を経営する場合、ちょっとしたコンテンツをもし掲載したいのであれば note アカウントを作成し、note でコンテンツを書いていく形もオススメです。以下は実際に自分が実際に読んだ実店舗ビジネスをされている方々の note です。
どれも読むとお店の特徴や、ビジネスに対する向き合い方が伝わってくる良い note でした。
例えば「うちの美容室は水パーマが推しなんや!」という場合、水パーマに関する専門性の高い note 記事を何本も note にかいてストックしておくのもありだと思います。
また note には固定記事機能がありますから、「初めてお越しいただけるお客様へ」といった note 記事を書いて、固定記事機能を使って常に最上部に表示されるようにしておけば、その記事の中でメニューや予約方法、営業時間、住所の記載をしておけば大抵のホームページをカバーすることができるのではないかと思います。
業者に依頼すべきか
正直すべきではないと思います。なぜかというと実は SEOは長期投資、長期回収が前提です。そのため損益分岐点が非常に高く、しっかりとした SEO 技術者にお願いしたとしても、1から展開すると費用も時間もかかります。回収できるようになるまでに時間もかかるため、資金的にかなりの余裕がないと費用面で厳しくなる可能性が高いです。また前述したように、検索者の多くが「比較すること」を望むため、 SEO 施策をしっかりやったとしても目に見えて成果が出てくる可能性は決して高くありません。そのため Google マイビジネスや note を駆使して、低コストで実集客を実現していく形がオススメです。
最後に
まずホームページを持っていない場合は無理に作らなくてもいいと思います。ただし Google マイビジネスの取得・運用は必須です。そして明確な強みや、コンテンツを発信したい、簡易的なホームページが欲しいのであれば、 note などを使ってみると良いと思います。
Google マイビジネスは Google マイビジネス公式 より申請を行うことで無料で活用することができます。 申請をすると Google から店舗宛にハガキが届き、そちらに対応する必要などがあります。無事認証されるとマイビジネスを使用することが可能になります。下記書籍にも詳しく書かれているため、使い方を含め書籍で体系的に理解されたい方はそちらをご参照下さい。
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