恐怖の通貨ペア、トルコリラ円

画像1

トルコリラは金利が高い反面、価格変動が怖い通貨でもあります。もしもFXで大量にロングポジションを入れた後に、価格が急落したら、スワップポイントを稼ぐどころかマイナスになってしまうでしょう。
【含み損急増】トルコリラ天国は終わった!今後は見通しが立たない?

ただ、友人が言うには、サヤ取りならば、そのリスクを減らして安全にスワップポイントを稼げるとのことです。みんなのFXのトルコリラのスワップポイントが100円で、GMOクリック証券のショートポジションのスワップが-85円なので、この二社の差額は15円となります。

それぞれ別のFX会社にロングポジションとショートポジション両方のポジションを入れた状態で両建てをすれば、価格変動が起きても平気ですし、継続的に保有し続ければスワップポイントも稼げるということです。
【参考:下落率が激しいトルコリラを安全に取るのはサヤ取り?

スワップポイントとトルコリラのサヤ取りを考える

画像2

スワップポイントといえば、FXで稼げる金利収入のことです。

スワップポイントの金額は、二国間の金利の差によってそれぞれ異なります。仮に日本の金利が0%、トルコリラの金利が17%の場合、金利差は17%となるため、トルコリラ/円の通貨ペアにおいてロングポジションを保有すると、17%の金利収入を稼ぐことができます。

その反対で、ショートポジションを入れると、金利差がマイナスになるため、スワップポイントを支払うことになります。

スワップポイントのサヤ取りでは、スワップポイントがマイナススワップを上回るように、それぞれ反対方向のポジションを保有することになります。

例えば今回のケースでは、みんなのFXのトルコリラのスワップポイントは1000通貨あたり100円、GMOクリック証券のマイナススワップは1000通貨あたり85円となりますので、この二社が異業者両建てに相応しいFX会社となります。

仮にみんなのFXで10万通貨分のロングポジションを保有し、GMOクリック証券でも10万通貨分のショートポジションを保有した場合、その差額は1500円となります。

スワップポイントは原則毎日発生するため、仮に1ヶ月を30日とした場合、1ヶ月後には4万5000円もの利益がスワップポイントで稼げる計算になります。

1トルコリラの価値は、だいたい日本円で20円ほどとなるため、10万通貨といっても実際に必要な日本円は約200万円となります。

レバレッジを25倍に設定すると、必要となる証拠金は8万円となります。

両建てには倍の資金が必要となるため、実際にサヤ取りをするとなると最低でも16万円は必要となるでしょう。

以上のことから、トルコリラのスワップポイントのサヤ取りをすると、わずか20万円にも満たない資金で、月4万5000円以上もの収入をただポジションを保有するだけで稼ぐことができる計算になります。


スワップポイントのサヤ取りのデメリット

確かにFXのスワップポイントは、他の金融商品と比較すると、稼ぎやすいです。しかし、ここまで極端に稼げるのは、偏にトルコリラの政策金利が現在、非常に高騰しているからです。

まさに、スワップポイントを稼ぐなら、今のトルコリラは絶好の対象となるでしょう。

ただ、本当にここまで簡単に稼げるのでしょうか?デメリットやリスクはないのでしょうか?

まず、いくら簡単に稼げるからといって、何の対策もなしにサヤ取りを始めることだけは止めてください。サヤ取りは失敗すると、大損を招きます。必ずやる前に、対策をたててください。

スワップポイントのサヤ取りにおけるデメリットといえば、やはり価格変動リスクが挙げられます。

いくらトルコリラのスワップポイントが高いといっても、価格が下落してしまっては意味がありません。せっかくスワップポイントを稼いでも、それを上回るほどの価格変動が起きると、スワップ収入が台無しになります。それどころか、証拠金が一定水準を割ってしまうと、ロスカットされてしまうことでしょう。

ロスカットされてしまうと、損失が確定します。再挑戦するには、自力で資金を稼ぐしかないでしょう。

トルコリラの価格は、残念ながらここ数年は安くなる一方です。2015年以降、トルコリラの価格は下り坂を落ちるように安くなっています。

2015年まで1リラあたり50円あったトルコリラですが、2018年現在は20円台まで安くなっています。このままいくと、20円を割ってしまう恐れがあります。

ここ数年、トルコリラはどんどん価値を下げています。そのため、ロングポジションを長期保有すると、スワップ収入以上の含み損を抱える恐れがとても高いです。

しかし、確実に落ちるとわかっているのであれば、むしろ対策が立てやすいです。そこで出番となるのが、サヤ取りです。

価格急落への対策

トルコリラへの投資でもっとも怖いのは、今よりもさらにトルコリラ/円相場が下落することです。

トルコリラの金利は魅力的だけど、下落は怖い、そのような悩みを抱えているのであれば、なおさらサヤ取りをしてみましょう。

サヤ取りのメリットは、反対方向のポジションを保有することで、価格変動リスクを減らせる点にあります。

ただ、同じFX会社で両建てをすると、決まってマイナススワップの方が高くなるため、スワップ収入が狙えません。そこで、同一通貨ペアのスワップポイント狙う場合は、他社を利用することになります。今回ならば、みんなのFXとGMOクリック証券がその二社となります。

他社を利用するため、仮にトルコリラ/円相場が急落すると、そのままロスカットされることになります。このロスカット対策を疎かにすると、損失を被ることになります。では、どうしたら良いのでしょうか?

ロスカットへの対処法で、もっとも簡単で有効な方法は、事前に損切りと利確のラインを設定し、指値注文を入れておくことです。

例えばみんなのFXでロングポジション、GMOクリック証券でショートポジションをそれぞれ保有し、サヤ取りをするとします。

この時、相場が急落し、1リラあたり20円から10円まで暴落するとします。

この暴落に対して、事前に1リラあたり15円まで落ちたらみんなのFXでは損切りをする、GMOクリック証券では1リラあたり14円まで落ちたら利確をすると、それぞれ指値注文を入れておくとします。

指値注文を入れておくことで、たとえトルコリラ/円相場が暴落したとしても、みんなのFXでは5円分の損失、GMOクリック証券では6円分の利益が発生するため、差額で1円分の利益を出すことができます。

このように、暴落した時のために、事前に指値注文を入れておけば、いざトルコリラ/円相場が急落したとしても、そのピンチを利益獲得のチャンスに変えることができます。

これは思惑が外れ、トルコリラ/円相場が高騰した時でも使える方法です。

普段はスワップポイントで利益を稼ぎつつ、暴落したら指値注文で差益分の利益が稼げるように対策をたてることで、どのような状況になっても利益が出るようにポートフォリオを組むことができます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?