解剖学から学ぶ肩関節の安定化
今回のテーマは「解剖学から学ぶ肩関節の安定化」になります。
こちらの記事を最後まで読むと
今回の記事は『肩関節の安定化』についてです。
肩関節は、日常生活や運動において非常に重要な役割を果たしていますが、リハビリを行っていく時に特に注意が必要な部位です。というのは、肩関節疾患患者は疼痛や可動域制限を訴える方が多い印象があります。
その場合に解剖学の理解が乏しいと患者やクライアントに、徒手療法や運動療法を提供・処方することが難しくなってしまいます。
加えて、肩関節の構造や周囲組織の理解を深めておくことで、適切な治療アプローチを行っていくことができます。
「肩関節の構造って・・・?」
「腱板の機能って・・・?」
少しでも肩関節の安定について理解できるように進めていきますね!
では始めていきます!
肩関節
広義と狭義の違い
肩関節は、上腕骨、肩甲骨、鎖骨、肋骨(胸郭)から構成されている関節です。これは”肩関節”と言っていますが、広義と狭義で変わってきます。
広義の肩関節
・肩甲上腕関節
・胸鎖関節
・肩鎖関節
・肩甲胸郭関節
・第2肩関節
これらが広い意味における肩関節を指しています。
狭義の肩関節
肩甲上腕関節を指しています。
上記のように肩関節における広義と狭義では、意味が異なってきます。
さらに加えて覚えて欲しい部分は、解剖学的な関節と機能的関節の違いになります。
このように分類することもできます。
今回はここから肩甲上腕関節について詳しくみていきます。
肩甲上腕関節
肩甲骨の関節窩と上腕骨頭による球関節であり、大きな可動性を有しています。上腕骨が球状、関節窩は凹面を形成していますが、肩甲骨関節窩は深い構造にはなっていません。そのため、周囲の組織により安定性を確保しています。
今回のポイントは、肩甲上腕関節の安定性をどのように確保しているのかという点を解剖学の視点から見ていきます。
肩甲上腕関節の安定化機構
まずはじめに、肩甲上腕関節の安定化機構としては静的と動的があります。これらの機能があることで、肩甲上腕関節の安定性を確保することができますが、それぞれの機能低下があると不安定につながってしまいます。
静的安定化機構
静的安定化機構の因子の破綻は、構造的不安定性を引き起こしてしまうため、解剖学的な修復が必要になるケースもあります。場合によっては観血的な治療も行われます。
肩関節包
関節包は上腕骨頭を肩甲骨関節窩から逸脱させないように制動する役割を有しています。骨関節の構造上では不安定な部分を関節包があることで、上腕骨頭を全体に覆っています。
肩関節包は骨頭周囲にあり、肩関節可動域によって伸張される部位が変化します。外転0°の場合は上方組織は伸張して、下方組織はゆるみます。外転90°の場合は、下方組織が伸張、上方組織はゆるみます。
上方や下方だけではなく、各部位の伸張や緊張が均等になるのは肩甲上腕関節が外転45°程度であるとされています。もう少し、肩関節包の緊張する姿勢や肢位を共有していきます。
肩関節包の緊張する姿勢/肢位
肩関節包が緊張することで、肩甲上腕関節の安定性に寄与しています。関節包のそれぞれの部位に対して、緊張する姿勢が記載してあります。
これに関しては、肩関節可動域制限の因子でよく確認する表として一緒に見ていくと理解しやすいと思います。
関節上腕靭帯
関節包の前方部の中でも肥厚した部位のことを関節上腕靭帯といいます。
上方より
上関節上腕靭帯(SHGL)
中関節上腕靭帯(MHGL)
下関節上腕靭帯(IHGL)があります。
緊張する運動は以下の通りです。
これらの機能があることで、肩関節を補強しています。
関節唇
肩甲骨関節窩の周囲にある関節唇は、上腕骨頭との接触面積を広げて、関節の深さを作り出しています。関節唇の上部には上腕二頭筋腱長頭が付着しています。
動的安定化機構
静的安定化とは異なり、リハビリにおける対応や処方ができる部分になります。動的安定化である腱板機能低下は、機能的不安定性を引き起こします。
これらに対する運動療法は必要になってきます。
ここからは腱板の役割や機能について話を進めていきますが…
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