5時間で原稿用紙20枚分8000文字の記事を書き上げるためのマニュアル
皆さん、こんにちは梨と葡萄の備忘録です。
私は文章を書くということがとても苦手なので、形式もネタも分量も決まってなかった初めての記事を書いたときは大変苦労しました。時間もすごくかかってしまいました。情報の海に溺れずにできるだけ短時間で情報を集めて主張を組み立てるというのが得意な方はこの記事は必要ないかもしれません。
5時間で8000文字が早いのか遅いのか(内容にもよりますが)正直分からないのですが、今の私の文章執筆レベルではこれくらいということで皆さんには今後の成長を見守っていただけたらと思います。
イメージとしては、記事書いてと頼まれたら、「喜んで!」と言ってその日のうちに提出できるくらいの文章レベル・内容・時間です。今回で記事を書くのはこの記事を入れて6回目になりますが、マニュアルを作成したら初めて書いたときよりも時間をだいぶ短縮できるようになったので、こちらを備忘録として残したいと思います。
このマニュアルに従ったら誰でも書けるように再現性のあるものを作るように心がけました。マニュアルが完成してからは、忠実にマニュアルに従うことで、頭のメモリを記事の内容だけに使えるようになりました。とにかくやらなければいけないことを分類して作業に落とし込んでいるというのが早く文章を書き上げるコツなのではないかと思います。さらに早く書けるようになったら、このマニュアルをアップデートしたいと思います。(2021/3/15)
心得:アウトプット命
アウトプットは大事です。インプットをしても周囲にはそれは伝わりません。せっかくインプットしたならアウトプットもセットでしたいものです。
インプットしたら必ず同等のアウトプットを出すということを心に刻むべく、ここに心得として書いておきます。
結果:5時間まで短縮
まずはマニュアルを使ってどれくらい短縮できたかお伝えしておこうと思います。
1回目:7日(計測せず)
2回目:5日(計測せず)
3回目:1日(実質10時間)
4回目:1日(実質6時間)
5回目:1日(実質5時間)
5回目にして5時間まで短縮できるようになりました。1回目、2回目はたらたらと時間をかけてしまったことを反省しています。
条件:主張あり事実ベースの8000字
今回のマニュアルが対象としている文章は以下の条件に当てはまるものです。
・エビデンスベース
・具体例の一般化
・独自の視点からの主張あり
・分量は7000~8000字
マニュアル:本題だよ
記事を書く時は以下のようなステップで書いていきます。以下の手順には特に目新しさはないと思います。
1. テーマ決め:タイトルだけ決めます。
2. 骨子決め:主張と章立てを決め、どのような情報が必要か洗い出します。
3. インプット:ステップ2で洗い出した必要な情報をひたすら収集します。
4. アウトプット:ステップ2の章立てに従って、ステップ3の情報を元に文章執筆します。
テーマを思いつくまでの時間にばらつきが大きすぎるので、テーマ決めの部分は省略します。テーマは毎日の生活している中で疑問に思ったことなどをその都度記事ネタとしてメモすることでストックしています。今回は記事を書くときの「作業」の部分であるステップ2から4に焦点を当てます。
それではそれぞれ細かく手順を書いていきます。
2回目に執筆した記事の「ディープテックスタートアップが大企業に勝つ方法とは?」を書いたときを具体例として説明していきます。こちらのnoteを読んでいただくと本noteを理解しやすくなると思います。
テーマ決め(所要時間:0分)
・題名は「ディープテックスタートアップが大企業に勝つ方法とは?」にあらかじめ決定。
・SkydioというディープテックスタートアップとDJIという上場している大企業を具体例として対比させる。
ということだけ決めます。
骨子決め(所要時間:30分)
記事を書く上での最重要パートです。
ここでは、今回何を読者に伝えたいかを考え、論理展開を決めてしまいます。インプットはほとんどしていない状態なので、インプットをしていく過程で主張が覆されることもしばしばありますが、まずは主張と構造を決め打ちします。
まず、ディープテックスタートアップが大企業に勝てる方法を推測しました。その時点で考えられたものは以下でした。本当に羅列です。
・地の利を使う
・尖らせる技術を変える
・注目されていないユーザーのニーズを捉える
・Jカーブを描き時間的にずらす
・全く別のビジョンを持つ
・早く動く
・資金投下・労働投下箇所を変える
・市場をずらす
・大企業が見向きもしないニッチな市場を狙う
・地域をずらす
推測したあとは、もう少し抽象化できるか考えてみます。
上に羅列した文から「ずらす・変える」という言葉が頻出していると分かりました。なので、今回の記事の主張をまとめる一段抽象化した概念は「大企業との闘う軸をずらす」、つまり、「大企業と戦わずして戦う」がメインの主張になると決めます。
そして、上の羅列を3つか4つに(個人的に主張はこのくらいの数が理解しやすいと思っています)グルーピングします。
そうすると、「ずらす」というキーワードを使い回し、4つのずらし方を上げてみます。
・時間をずらす
・技術をずらす
・市場をずらす
・地域をずらす
(最終的に記事内では技術ではなく、強みという言葉を使いました。)
ここまできたら、雑に章立てを作ります。
イントロ
具体例:大企業がいても成功したスタートアップの例
結論:大企業とは戦わない
背景:当時のSkydioとDJIの紹介
詳細1:時間をずらす
詳細2:技術をずらす
詳細3:市場をずらす
詳細4:地域をずらす
まとめ
章立てができた後は、それぞれの章の主張を書き、エビデンスとしてこれから調べなければならない情報を書いていきます。これから調べる情報は完全に妄想で、こんな情報が落ちていたらいいなと思いながら書いていきます。自分の主張をサポートできる証拠となる情報を書いていきます。これから調べる情報を太字で書いています。
第1章. イントロ
第2章. 大企業がいても成功したスタートアップの例
- 会社、業種、時価総額、競合である大企業
第3章. 大企業とどうやって勝負するのか?→大企業とは戦わない
第4章. 時間をずらす
- SkydioとDJIの思い描いた世界とビジョンが違った
- Skydioが使った技術が先進的だった
第5章. 強みをずらす
- Skydioは技術全振りで他は不完全だった
- SkydioはDJIが不可能だと思った技術を導入した
第6章. 市場をずらす
- SkydioはDJIとは別のユーザーまたはユーザーのニーズをターゲットにした
- DJIは気づいてないポテンシャル市場にSkydioは気づいてた
第7章. 地域をずらす
- Skydioはアメリカの企業で、DJIは中国の企業
- アメリカのセキュリティ的に国産のSkydioの方が良い
インプット(所要時間:1時間)
私は今までインプットの部分に余計な時間と労力を割いてしまっていました。
原因は以下の3つです。
・細かすぎ
・探しすぎ
・調べ直しすぎ
誤った主張をしたくなかったのと、エビデンスがないと不安になる病が発症していてこのようなことをしていました。時間は有限なので全ての引用を読めません。インプットには1時間しか割かないと決めたら、その1時間以内で調べれる情報探し出します。
主張決めのところですでにどのような情報を収集したらいいかわかったはずなので、あとは探していくだけです。文章を流し読みし、エビデンスになりそうな記事のURLとコメントを以下のように貼り付けていきます。こうすることで、検索のときにどんな単語を調べればいいか絞ることができます。
記事をしっかり読まずに主張をサポートする文をコピペして、URLをペタペタ貼り付けていく作業に落とし込むということがポイントです。
以下は言いたい主張のエビデンスを探しているときのメモ書きの例です。
主張:Skydioは技術全振りで他は不完全だった
エビデンス:For example, Skydio could have dial R1's autonomy down a few notches to match price point of a DJI hobbyist level drone and still have slightly better autonomy than DJI’s drone. The drone will look more like DJI’s, and it eliminates huge R&D cost of developing full autonomy! But it will end up competing right in DJI’s territory. DJI could easily bring the down price of its competing drone (happened before) to kill the startup, and the slight improvement in autonomy will not save it.
一通り、エビデンスが集まったらインプット作業は終わりです。
ポイントは深く読み込みすぎないことです。とにかく調べて必要な部分だけ文章抜き出し、URLを貼っていくマシーンになります。
注意点としては、主張決めのときに作った構造からかなり変わっていることを受入れ、最初の主張に固執しないことです。
アウトプット(所要時間:3.5時間)
雑文:2.5時間+清書・修正:1時間 = 3.5時間です。
まずは、すごく雑に文を書きます。話し言葉でもなんでもいいのでとにかく骨格となる文章を書いていきます。ポイントは細かいことは気にせず、手を止めないことです。
どれくらい雑かと言うと、これくらいです。
【雑文段階の文章】創業者たちは、完全自律飛行のドローンが達成しうる世界が見えていた。自分たちのビジョンを持って逆算する。
大企業が積み重ねていっても到達しないポイントにより早く到達する。タイムワープを意識するのが大事。
ちょっとでも表現に迷ったら、次の文に進みます。手を止めないことが大事です。
雑に書き終わったら、清書・修正フェーズで文章の論理展開に齟齬がないように修正して人様が読める文章にしていきます。
先ほどの文章を清書するとこのようになります。
【清書段階の文章】現在を積分していって訪れる未来を目指すのではなく、達成したい未来像から現在取り組むべきことを逆算して取り掛かることが重要になります。大企業が積み重ねていったら達成しうる領域内で戦うと負けてしまうので、達成したい未来にタイムワープするにはどうしたらいいかを考えることで直接対決を回避することができます。そして、ディープテックスタートアップの場合は、タイムワープに使える飛び道具となりうる最先端の技術やこれから発展しそうな技術に積極的に賭けることで、大企業が積み重ねていっても到達しないポイントにより早く到達することが可能になると思います。
そして、最後に清書をして参考文献などを漏れがないように載せていきます。
アウトプットの部分は時間はかかりますがそれほど労力がかからないと思います。
一番大変なのは主張決めをした後にインプットした情報をもとにイタレーションを回す部分です。言いたい主張のエビデンスが集まらない時は主張決めからやり直しになるので大変骨が折れます。
執筆のポイント(引き算と足し算)
・エビデンスが揃わない主張は思い切ってバッサリ切る
・最初の主張決めで決めたフレームに固執しない
こうやって完成したのが、こちらの記事です。
「ディープテックスタートアップが大企業に勝つ方法とは?」
さて、このマニュアルに従ったら文章がスラスラ書けるようになったのではないでしょうか?
次は3時間で収めることを目標に(実現可能性が低そうですが)工夫していきたいと思います。
乞うご期待。それでは、次の記事で。