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#42【必然の逆転劇】【23/24 セリエA第19節】サレルニターナ×ユベントス マッチレビュー

試合開始前

両チームスタメン

【ユベントス】
✔︎この試合でセリエA前半戦折り返し。冬の王者はインテルに譲ったが、今日勝てば僅か勝ち点2差。
✔︎ロカテッリ累積警告。カンビアーゾ発熱。キエーザも負傷により欠場。
✔︎イルティズはセリエAで3試合連続先発。
✔︎前節サレルニターナ相手には6-1と大勝。ただし、主力温存していたため油断は禁物。

【サレルニターナ】
✔︎ここまでセリエAで2勝6分11敗。最下位。
✔︎前節ユベントスとのカップ戦では控えメンバー中心で挑み大敗。
✔︎リーグ戦では直近で残留争いをするヴェローナに勝利、ミランに引き分けと浮上の兆し。
✔︎次節ナポリ戦。強豪との試合が続く。

サレルニターナの狙い

ピッポ監督の手腕はいかに

•セリエA第9節のカリアリ戦からサレルニターナの指揮を取る「スーペル•ピッポ」
•就任後はカップ戦含めて3勝3分6敗と苦しい戦いが続いている
•2014/15シーズンにミランで一年間監督をやって以降様々なクラブで指揮を取るが中々結果が出ず。

👉監督としての評価はイマイチ?と思っていたが、この試合では狙いを持った戦術と選手起用でユベントスを苦しめた。

💡サレルニターナの狙い
↪︎左右の攻撃ユニット+セカンドトップ気味のチャウナによりダニーロとガッティの裏のスペースを積極的に狙うこと。

◼︎前半3分

サレルニターナ左サイド

•この試合左IHで起用されたカンドレーバがサイドラインまで降りてマッケニーとウェアを引き付ける。
•オーバーラップする左SBのブラダリッチがガッティを引き付けてチャウナがその裏を狙う。

▶️その後左サイドからのクロスを逆サイドのザンビアがシュート。

◼︎前半27分

サレルニターナ右サイド

•サイドラインでコスティッチを引き付ける。
•チャウナが降りてダニーロを引き付ける。
•空いたスペースをマッジョーレが2列目から飛び出して狙う。

▶️惜しくもパスは通らなかったが通っていたら大チャンスの場面。

👉サイドで引き付ける選手と裏を狙う選手は固定化されておらず、流動的にサイドで三角形を形成しつつ5バックの泣き所である両CBの裏を狙う戦略

◼︎得点シーン(前半39分)

徹底した裏狙い

•チャウナが降りてダニーロを引き付ける
•空いたスペースにザンビアが走り込む
•最終ラインからギョンベルがロングボール一発。
▶️中央のマッジョーレにつなぎフィニッシュ👉インザーギの狙いがハマった先制点

そのまま1-0で前半終了。
カンドレーバを左IHで起用したり、チャウナにセカンドトップ的な役割をさせたり、限られた戦力の中でチームの最大値を引き出そうと随所で工夫をこらしていて好印象。
ピッポ•インザーギ監督なかなかやります。

アッレグリの修正

タダでは終わりません

ユベントスは後半開始から選手交代。
•ガッティ→ルガーニ
•コスティッチ→イリング

ルガーニが左CBに入りダニーロが右CBに移ります。

この交代についてアッレグリ監督は試合後のインタビューでこう語っています。

コスティッチについては、交代は技術的な選択でした。ガッティについては、彼がイエローカードを受けたので予防的に交代しました。

1点リードされて引いて守ってくることが予想されるため、ドリブルで違いを作れるイリング投入は攻撃するぞ!というサインにもなり納得感があります。

結果的に投入したイリングが同点ゴールを決めて采配が的中したと言えます。

必然の逆転劇

53分にマッジョーレが退場になってからは「守るサレルニターナ」と「攻めるユベントス」というシンプルな構図となりました。

サレルニターナはFWチャウナを下げてCBブロンを投入。5-3-1の布陣で守りに徹します。

それに対してアッレグリ監督はアッレグリはミリクとミレッティを投入して相手の急所を2点攻めします。

急所2点攻め

【急所①】
サレルニターナの中盤3枚でピッチの横幅を全てカバーすることは不可能です。

効果的にサイドチェンジをすることで横スライドが間に合わず必然的に逆サイドでボールを持つ時間ができます。

👉ユーベはこのスペースを効果的に使い攻撃を仕掛けます。

【急所②】
サイドで起点を作った後は5バックの泣き所である両CBの裏のスペースを狙います。

5バックは後ろに枚数がいる分DFが前に出る迎撃守備が特徴です。

この試合では1枚少なく横スライドが間に合わないこともあり、両CBが前に出ざるを得ない場面が多く、必然的に裏のスペースが空いてきます。

👉アッレグリは相手選手の退場後、瞬時に相手の弱点を見抜き効果的に攻めたとしたら本当に恐ろしい監督です。

変態監督と呼ばれるのも納得です

1点目は正にこの形でファシオの裏のスペースをミリクが突いてボールを受けたウェアが折り返して逆サイドでフィニッシュ。

2点目はインターセプトしてそのまま持ち上がったダニーロへのプレス対応が遅れて、クロスからヴラホビッチがフィニッシュ。

👉アッレグリの戦術的なアプローチと得点を決め切る選手のクオリティが合わさった必然の逆転劇であったと言えると思います。

試合後の雑感

4連勝!

1点差の試合が多く毎試合ハラハラさせられっぱなしですが、今シーズン僅か1敗。

脅威的な強さを見せるインテルと「勝ち点2差」で前半戦を折り返すとはシーズン開始当初は予想できませんでした。

若手の台頭というポジティブな話題もあり、ここ数年のネガティヴな雰囲気からやっと脱することが出来そうで嬉しい限りです。

次節は今シーズン唯一の黒星を喫したサッスオーロ戦。

この調子で前回の雪辱を期待しております!!

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