矢沢あい展
小さい頃から漫画が大好きだ。
家には父の漫画があって読み放題だったし、兄がいるので、コロコロコミックから始まり、ジャンプ、サンデー、マガジン、リボン、なかよし、別冊マーガレットなど毎回最新号を心待ちにしていた。
気に入った漫画は単行本も揃えた。
最初に読んだ漫画は手塚治虫さんの『鉄腕アトム』かもしれない。
そんなこんなでそのときどきで流行っている漫画をひたすら読み続けて数十年。
私は漫画と共に育った。
矢沢あい展では、『天使なんかじゃない』から、『パラダイスキス』までのカラー原稿や原画の展示がされていた。
リボン掲載時の付録や応募者全員サービス、テレホンカードプレゼントなど物凄い懐かしい響きを久々に聞いた。
展示されている原画は修正もほとんどなくて、とにかく綺麗。
カラー原稿はデジタルが多かったが漫画の原稿はペン、ラフ画はシャープペンシルなど、昔ながらの道具で繊細な絵が描かれていた。
特に名言、名シーンの原画は心を揺さぶられた。
矢沢あいさんの作品はどれも心理描写が深く、とても人間らしい人間が多い。
その当時人気の芸能人やファッションなど、時代を反映しているのにいつまでもオシャレで色褪せないところが素晴らしいと思う。
例えば『マリンブルーの風に抱かれて』の主人公は工藤静香さんがモデルのようだし、『天使なんかじゃない』の主人公はドリカムの吉田美和さんのような笑顔が印象的だ。
作品ごとに、画風を変えているのもとても印象的。
私は他にCLAMPさんの漫画が大好きだったが、彼女たちは4人で作っているので作風や画風がごろっと変わるのはわかる。
矢沢あいさんは1人なのに、ベースは同じだが全然違う雰囲気になるのがすごい。
他に印象的だったのは、全作品を通して「泣く」シーンが多いことだ。
特に主人公が顔を全力で歪めて泣き、溢れる涙の粒がとても美しく心を打つ。
泣きの漫画家とも言えるだろうか。
反面笑顔は弾けるように眩しい。
そのギャップが心理描写をさらに深いものにしているのだろう。
一通り読んだことのある漫画の原画が主だったので、それぞれのストーリーを思い出す。
特に『NANA』は何度も読んだ。
最近は漫画アプリでも読めるようになったので復習している。
こうなると、願わくばやっぱり『NANA』の続きが読みたい。
お体にお気をつけて、出来れば続きをお願いします。
HUNTER×HUNTERもね。
いただいたサポートを糧に頑張ります!