牛乳石鹸の魔法│落ち込む時こそ癒しを
昨日、仕事でエグいぐらいのミスをした。
人生で初めて報告書を書くほどの。
思えば先週から踏んだり蹴ったりだった。
先週は、私きっかけで引き起こって多くの人に迷惑をかけてしまったことがあった。
結果的にはどうすることもできなかったけれど。
昨日はそれとは別件のミスが発覚。
会社に損害が出てしまった。
詳しいことを調査してくれる間、まったくと言っていいほど集中できなかった。
よりによってその時やっていた仕事が、私が一番苦手としているものだった。
ただでさえ、苦手な作業でペースが遅くなるのにもっと作業が滞る。
だけど私の心情を察してか、みんな見守ってくれていた。
出来もそんなによくなかっただろうに。
教えてくれた内容もほとんど忘れてしまった。(本当にすみません)
平静を装っていたけれど、ずっと脳内はパニックだった。
休憩中、一人でぼんやりとしゃがんで携帯をいじっていた。
誰かが近づく気配がして顔をあげたら、上司のサポートをしている女性社員さんがそこにいた。
「元気?」
「いやぁ〜…先週からげんなりですわ…」
思わずそう答えてしまった。
「そっか」と言って立ち去ったので、仕事場に戻ったのかと思った。
正直言うと彼女の存在が怖かった。
上司のお目付役というかなんと言うか、働く人全員を厳しい目で見ている面があった。そういう役割も必要なんだけどね。
しかも少しコミュ障。
働き始めは、彼女のコミュニケーションのとり方で悲しい気持ちになったこともあった。
そんな人に思わず本音をポロリとしてしまった。
まあいい、上司にでも何でも言ってくれ。
半ばやけくそになっていたら、彼女が何かを持って戻ってきた。
「はい、これつけて癒されて」
そう差し出されたのは赤いケースのハンドクリーム。
そうだこの人、牛乳石鹸ガチ勢だったわ。
彼女は牛乳石鹸の香りがとにかく好きらしい。
特に青い箱の香りがたまらないそうだ。
Niko and…やBEAMSとコラボした箱を大切に持っており、携帯ケースに切り抜いたパッケージを挟んで持ち歩いている。
家には牛乳石鹸グッズを飾る棚があり、一番くじもラストワン賞を狙って家族と一緒に買いに行った。
もちろん通常の牛乳石鹸も家で使っている。
ルームスプレーも牛乳石鹸のものにしたいと言ったら「それだけはやめてくれ」と家族に止められたらしい。
それぐらい牛乳石鹸を愛しているのだ。
目の前の彼女は、一緒にハンドクリームを塗りながら熱心に牛乳石鹸の愛を語ってくれる。
その時の私は嘘でも笑えた。
話の内容というよりも、彼女の優しさにほころんだ。
とっても不器用だけど、彼女らしい慰め方。
一瞬だけでも本当に癒されたのだった。
頭と心の整理は全然ついていないけど、牛乳石鹸の一件は忘れたくなかったのでこの記事を書きました。
さあて、とりあえず生きるか。