物流の5大(ないし6大)要素とは?
結論から言うと以下の5つが物流の5大要素です。
・輸送
・荷役
・保管
・流通加工
・包装(梱包)
これに情報を足すと6大要素になります。
これらの要素それぞれを今、どうしているのか?
どれが一番自社のビジネスにとって大事な要素なのか?
どうしたらその一番大事な要素を最適な形にできるのか?
といったことを考えていくと、物流の改善にむけた課題の整理がしやすいと私は考えています。
例えば。
化学品の原材料メーカーさんが生産物の物流を考える場合。ドラム缶に入った原料を数社のお客様に指定数量お届けすること、が仕事だとします。
この場合、大事なことは、「原料を使用する工場が生産に使う原料を必要なタイミングで受け取り続けるられること」、だとします。そのうえで6大要素を評価してみるとこうなると思います。
・輸送 → 重要。工場で使用するタイミングに合わせて輸送をすることが必須。ただ、お届け先が少ないので管理はシンプルでよい。
・荷役 → やや重要。倉庫内でフォークリフトで荷役をする場合、破損によりお届けできる数量が足りなくなるというような問題は発生しうる。
・保管 → 最重要。必要な数量を常に良い品質で保管しておかないとそもそも必要量を届けることができない。顧客工場が止まるのは大きなリスク。
・流通加工 → 工場で生産された際に使われたドラム缶をそのまま発送するので不要。
・包装(梱包) → 工場で生産された際に使われたドラム缶のまま発送するので不要。
・情報 → お届け先が少なく、品目も少ないので、情報システム導入による大幅な管理コスト削減にはならない。
同じような方法で通販会社でも例を挙げてみます。
例:健康食品の通販事業を営むウェブサイト主が顧客。毎日100~200個程度発送している。
・輸送 → 宅配便に外部委託するため、自身で手配はしない。
・荷役 → 最重要:ピッキング作業が発生。ピッキングの速さ、正確さは直接品質に影響。早く、頼んだものが届くのがお客様の期待値。
・保管 → 在庫を持っておく必要はあるが、一部商品の在庫がなくなってもビジネスは継続できる。
・流通加工 → チラシ、マニュアル、取説などをお届けする箱に封入する場合は必要。
・包装(梱包) → 発送用の箱に梱包する。
・情報 → 最重要。顧客の個人情報漏洩防止対策、在庫管理、棚卸、等いずれのプロセスにおいても重要な要素。
最初のケースの場合は、保管が最も大事だと考えます。この部分を掘り下げていくと様々な疑問が生まれてきます。
保管数量をいくつにするのか?
それを達成するための工場の生産スピードは?
輸送のスケジュールは?どんな車が何台必要?
2つ目のケースですと、荷役(ピッキング)と情報が最重要となると私は思います。
なぜなら、誤った製品を梱包してしまうとそのまま誤った製品がお客様に届いてしまいますし、情報システムがないと発注から在庫管理、ピッキングのオペレーションを指示すべてマニュアルで管理しなければなりません。間違えのもとですし、発注から発送までの時間がかかってしまいます。
物流を考える時に、まずは6大要素の現状や、ご自身のビジネスのお客さまにとってどれが一番大切か?から考えてみてはいかがでしょうか?というご提案でした!