ゴキゲンな馬とフキゲンな馬vol.3
vol.2からのつづきです(馬に乗ったら)
体験乗馬がいよいよ始まった。
わたしの乗る馬は、小さめの雌馬で濃い茶色の馬で。
脚立のような台に上がってからしっかりまたがってみた。
足を乗せるためのあぶみに足を乗せ手綱を持って・・
冬なのに馬の体温で少しも寒くはなく大きな背中に安心感
があるという感じ。
指示のもと馬を歩かせてみたらやはり四つ足の動物の上に
座っているので思っていたより揺れてびっくり!
感動!感激! 生身の動物に乗ったのは始めて!
「止まる」「走れ」などの合図の仕方を教えてもらった。
最初はなかなかうまくできず、いうことをきいてもらえな
かった。
楽しくて楽しくて・・体験乗馬はすぐに終わってしまった。
5級ライセンスを取るために
5級のライセンスを持っていれば外乗(建物や敷地から外へ
出て、人に手綱を持ってもらわずに馬に乗ること)
が出来ると聞いていたので・・
そこの乗馬クラブに通ってみることにした。
お金はかかるが非常にレアな体験なので投資することに・・
最近では、ずいぶんキャンペーンなどでお安くなっている。
昔は、乗馬はお金持ちの人の趣味と社交場だったが・・
今はずいぶん変わってきている。
フツーの人たちが一生懸命スキルを磨いている。
主人の方は運動神経も良いし、何事も覚えが早いので私より
先に上達していったが・・
私の方は結構時間がかかった。
何でも最初は一生懸命になり、乗馬も毎週クラブに通った。
週2回の時もあった。
詰めてやらないとカラダが忘れてしまうからだ。
レッスンの時の馬は、毎回違った。クラブハウスの中に掲示
されていてそれを見て本日の馬が分かる。
全部の馬の紹介分が書いてあり、それを見るのも楽しみだった。
本当は自分の体格に合った馬やおとなしい従順な馬を指名する
のが良いのだが、指名料がいるのと人気の馬は競争率が高い。
大好きな白馬も2頭ほどいたが、いつも人気でなかなか乗ること
はできなかった。
一回だけ乗れたが、背中が華奢で乗りやすくあまり揺れなかった。
馬の揺れに合わせて「立つ」「座る」の繰り返しが難しかった。
うまくリズムがあわないと馬の背中にぶつかってしまう。
馬も背中がさぞかし痛いだろうと思って頑張った。
上手くいかない時もあり、すると馬の機嫌も悪くなり・・
乗馬の後でバケツに水を汲んで飲ませようとしても飲んでくれな
くてショックだった。フキゲンになっているのだった。
練習は、あっという間に終わってしまった。
それでも少しずつ上達して、自分でも嬉しかった。
レッスンの前に、馬に鞍を付ける練習もあった。
馬は鞍を付けるのがとても嫌いなのでウマくつけないと嫌がる。
まあ誰でもお腹を締め付けられるのは嫌なものだ。
締め付けられた上にヘタクソな乗り手が乗るわけだから・・
機嫌も悪くなるのである。
乗馬クラブの馬はきびしく躾けられている。
事故があったら大変だからだ。
馬は人間でいうと、5歳児ぐらいの知能だそうだ。
優しくしてくれた人は必ず覚えるという。
覚えてもらおうとして香水を付けたらいけない。
香水は、馬の大の苦手なものだからだ。
広ーい草原で草を食みながらのんびりとしていたいのに・・
乗馬クラブでトレーナーに厳しく躾けられて、ヘタな乗り手が
毎日毎日、わんさかやってくるのだ。
よく見たら厩舎にいる馬はみんな
フキゲンな顔をしていた。
ゴキゲンな馬はいなかった。
それを見て少しかわいそうになった。
つづく vol.4を書きますのでしばらくおまちくださいませ。🐎