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ゴキゲンな馬とフキゲンな馬vol.1

馬はわたしのあこがれの動物

ずうっと前から
馬には興味があり
仲良くなってみたかった。

田舎なので
近くに馬を飼っているひとが
いそうなものだったが

以前は馬がいたのに
もういなくなっている
お宅が多かった。

祖父が競馬好きで
子どものころから
競馬中継をTVで見ていて

軽快に走る姿が
かなり印象に
残っているのだった。

馬が疾駆するさまは
感動に値するほど美しい。

艶のある毛並みに
サラサラのたてがみが
風になびく。

手入れの行き届いた
細い足の綺麗さに
見とれてしまう。

いつまでも
見つめていたいぐらい
憧れていた美しい馬。

あこがれの馬に
接してみたい。

あの美しいたてがみを
撫でてみたい。
大きな背中に乗って
走ってみたい・・と。

わたしの
馬への気持ちは
大きくなっていった。

好きなのに馬のことは何も知らなかった


馬は
何を食べるんだろう・・

馬は
立って寝るのだろうか・・

人間と同様
性格に違いは
あるのだろうか・・

何歳ぐらいまで
生きるのだろうか・・

苦手なものは
なにかあるのだろうか・・

どんな色の
馬がいるのだろうか・・

馬のお世話は
どのようにするのだろうか・・

背中に
乗せてもらうには
どうやって乗るのだろうか・・

何も知らないので
しょうもないことを
いろいろ考えていた。

考えても
それはただの
想像や妄想にすぎない。


直接
馬に触れることが
分かることなのだと
思っていたが
なかなかその機会は
やって来なかった。

体験乗馬の機会がやってきた


おもしろいことを
家に持ち帰ってくるのは
たいてい主人だ。

「近くの乗馬クラブで
体験乗馬ができるらしいよ。
行く?」

主人が
チラシを持ち帰ってきた。

最初は
ドキドキして
少し迷ったが
一緒に行くことにした。

生き物の背中に
乗せてもらうなんて
始めてのことだった。

近くの
乗馬クラブと言っても
田舎の「近く」はけっこう遠い。

車で20~30分では着かない。
40~50分ぐらいかかった。

自宅から
たすら走って走って・
やっとここを曲がると現地という

曲がり角を曲がって
山道に入り
また道なりに走る。

森の中の
くねくね道を
どんどん走って
登っていく。

かなり走っている時間が
ながく感じられた。

まだかなまだかなと
走っていくと
突然目の前の景色が
広くなり

たくさんの馬の姿と
乗馬のいでたちを
した人たちが見えた。

「わー すごーい
 たくさん馬がいるよ!」

思わず声がでた。
こんな光景を
見たのは始めてだった。

自分のカオが
満面の笑みに
なっているのを感じた。

冬なのに暖かった馬の背中


体験乗馬に
行ったのは
寒い冬だった。

もっと暖かくて
気候のいい時の方が
良かったのにと思った。

後から知ったのだが
寒い冬が
乗馬に適しているのだ。

馬は暑いのが苦手だそうな。

苦手な暑い時期に
鞍を付けて
暑い人間が
背中に乗ることになる

気嫌が悪くなって
危険なのかもしれない。

夏の暑い時期には
ハエもたくさん飛んでいて
馬にもまとわりつく。


暑いうえに
ハエや虫がしつこくて
馬はイライラしてくる。

なるべくなら
馬の機嫌が良い時に
乗った方が危険が少ない。

始めて訪れた乗馬クラブ。
大好きな馬が
たくさんいるので
すっかり舞い上がってしまった。

えーっと 馬の背中にはどうやって乗ればいいんですか?


実際に
馬の近くに行ってみると
その大きさに驚いた。

背中の高さも
かなり高く
どうやって乗るのか
想像もつかなかった

「あのー すいません
 馬の背には
どうやって乗るんですか?」

近くにいた
乗馬クラブの人に
思わず聞いてみた。

「脚立みたいな
台があるので
それを使うんですよ」

笑いながら
その人は言った。

つづく
(②を書きますので
しばらくお待ちください 笑)











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