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普通や当然。社会のシステムと。
育児について聞かれることが度々ある。
未知の世界について目を輝かせながら聞いてくれる若い娘さんたちの姿に応えたいと思いながら難しさを感じることが多々。
正直に答え過ぎてもドン引き、もしくは
あ、それ違うという反応になったり
オブラートにしたらあぁ、それよく聞くやつだなという反応と自分でも話している側から感じるくらいありきたりな言葉のオンパレードになってしまう。
とっても難しいなぁ…と考えこみ、
とりあえず今生きているゾーン、考えていることを話してみるようにしている。
そんな最近考えていること。
小4の息子の進路問題。
公立中学か、私立中学か、他にも…。
これまで選択に対し、そこに本人の意思があるかどうかを何よりも大事にしてきた。
先日目にしたlillyさんの雑誌の記事。
同じ年頃のキッズを子育て中の彼女の記事に首がもげそうになるほど頷いてしまった。
(otonamuse vol.105 育児ゴールの春まで、あと10年)
言葉をお借りする。
「私たち大人は社会のシステムというものも知ってしまっている。」
「学歴とは便利な資格」
この側面、ある。残念ながらまだある。
「この程度の大学なら行く意味がない」
両親から1度も言われたことのないその言葉。
母になりこちらに来て周りから何度も聞いたし、だから進学しなかったと話していた知り合いも何人もいて
どうやらその言葉は珍しいものではなく、
息子とランニング中に公園で聞こえてきた男子高校生の会話でも親から言われたと耳にしたことがあるくらいありふれた価値観らしいということを知った。
環境要因(田舎か都会かなど)も大きいだろう。
私は公立中心、私立に行くのは珍しい田舎の出身だ。
みんな行くべき場所が中学くらいまで大体同じ。
都会ほど高校の選択肢も多くない。
つまり幼い頃から、競争社会に揉まれてはいない。
「普通」
「当然」
の世界が幼い頃から違うことは、深く関係している。
(「彼女は頭が悪いから」という一冊の本がある。受験を経験する親におすすめを超えて読むべきだと言いたい程、社会のシステムを描いていると感じた推しの一冊。生育環境と勉強させること、
社会での成功についてとても考えさせられる本。
実際の東大生の事件を元にしている)
大学時代直談判して掴みとったバイトやインターンがあるから熱意は伝わると思っている節が私にはある。
正攻法で行ったら学歴だけではねられていたのかもしれない、とこちらに来てから思ったりした。
知らぬが恥、だったのだろうか。
いや、でも知っていたら門を叩かなかったのかな、諦めていたのかなと思うと後悔する様な大切な経験がたくさんある。
それを思うと私は大学に行って良かったなと秒で答えが出た。
だかしかし、
持っていた方が嫌な思い、しなくて良い苦労はあるのかもしれないなと親になり思う。
母親になってからそう思うようになった瞬間が多くあった。
一生って思ったより長く、色々なポジションを経験する。
でも、振り返ってみると
この感じは最初からあったものではなく、
自ら遠ざけ属さずに生きてきた様なところもあるのかもしれないとも思った。
大学時代、
有名私立大学生との合コン、などに全く興味がなくたまに出くわすそれらの同年代の異性の様子に驚き引いていた自分が、記憶の奥底にいる。
(このあたり、アマゾンプライムで見た「東京男子図鑑」と「女子図鑑」はとてもリアル。)
幼少期の経験、幼少期からずっと
それらの価値観が帯同している様子は
窮屈そうに見えてしまうけれど
向こうからこちらを見た様子は、
何をのんびりしてるんだ、世間知らずだな、
なのかもしれない。
どちらが良い、とは言えないけれど
その価値観を振りかざしたところで何も生まれないのは確か。
外に出て、異なる価値観に触れる年齢は
早ければ早いほどいいのかなと今は考えたりもしている。
まだまだこの辺りはどうするべきか息子をよく見て本人と相談する、案件。
自分とは異なる環境で育ち、
点数が出てどうしてもランク付けされてしまう経験を自分より早く経験しそうな
息子に人の本質をきちんと見る目を育てるにはどうしたら良いのか考える日々だ。
その土地や環境のスタンダードを選ばない選択肢だってあるはずでやっぱり大事にしたいことは本人の意思。
我が家はそれがものすごく強めな人間のため、やはり本人とよく話すしかない。
好きなことがあり、ランキングが大事なテニスで既にそういうことを話し合う機会を私たちは得ていることは幸運なことなのかも。
色々な人間がいる。
それを自らが体験を持って知ること。
普通や当然って人の数だけ本来はあるのだと、例えまだまだ「社会のシステム」が
そこにあってもそのことを前提に人付き合いをしていって欲しい。
わかりやすいものを並べて判断できるほど
人間は単純ではなく、多面体なんだよと彼に伝えたいしそんな経験がたくさんできる場所に身を置いてほしいなぁ。