GAFA採用プロセスの全貌【内部事情を理解する】
こんにちは。
本日は、GAFA(Google, Apple, Facebook, AmazonがまとめてGAFAと呼ばれています)やUSテック企業の採用がどのように行われているのか、その全体像を明らかにしたいと思います。
Google, Apple, Facebook, Amazonなどの最先端をいくテック企業の面接や採用プロセスというと、何やらとてもミステリアスで、とても緻密な審査やチェックが行われている印象をもたれるのではないでしょうか。
(私はそんな印象をもっていました..)
ただ実際は、しっかり理解してしまえば恐れることもなく、心の準備も面接の準備もしやすくなるため、本日はGAFAの採用構造というタイトルで、皆さんが雇われるまでの過程をご共有したいと思います。
本記事の内容
・GAFAの採用プロセスの全貌
・各プロセスごとに頭に入れておきたい点
外資系テック企業の採用の全体像
GAFA(Google, Apple, Facebook, Amazon)やNetflix、未上場のスタートアップなど外資系テック企業の採用のプロセスについて、まず大枠をご説明します。
スタートアップかGAFAクラスの大企業では、面接の数などに差こそあるにせよ基本的にプロセス自体は同様です。
理由は、人材がGAFAからスタートアップへといった形で流動しており、どこも同じようなプロセスをひいているというのが一番大きいと思います。
(ユニークな採用をしているところは「ユニークなことやっているよ」といいたくなるので、その上は見つけやすいです。)
外資系テック企業の採用プロセス
1. 事業戦略・会社としての優先順位づけ
2. 各事業のトップが必要な人材、ヘッドカウント(採用枠)を申請
3. ヘッドカウントの割り振り
4. 各ロール(ポジション)の責任や採用基準を策定
5. 採用基準にかなっている人をリクルーターがソーシング
6. リクルーターのスクリーニングインタビュー (特にシニアになるとないケースが多い)
7. 複数人を候補者として面接の開始
8. 面接官が採用か否かの判断と、理由を提出
9. デブリーフ (採用チーム全体で採用する人を決めるミーティング)
10. リクルーターが候補者にオファーを出す
11. 年収、就業開始日など条件の合意
12. 入社
といったプロセスとなります。
この大枠はエンジニアであろうが、営業であろうが、どんなロールでもかわりません。
以下では順番に各プロセスごとに、面接を受ける立場の人間が頭に置いておきたい内容を解説していきます。
事業戦略と採用は結びついている
面接を受ける方にはあまり関係ないようなタイトルに見えるかもしれませんが、これを理解しておくと準備の仕方が変わってきます。
採用は常に会社の事業と結びついています。
すなわち、事業の戦略やフェーズが異なると必要な人材も変わってくるのです。
ネット上や本などでは
・Google, Amazon, Appleの面接で聞かれたタフな質問まとめ
・面接の回数は何回あるのか?
・面接での服装はどんな服装がいい?
・選考結果が来るまでの期間は?
・現在の年収は影響するか?
といった形式な質問をよく目にしますが、こういった薄い内容は当然ながら同じ会社でも半年くらいのスピードで、スタートアップなら日々変わっていきます。
そのため、仮にあなたがこのnoteを読んでいる時、もしかしたら色々なことがこのnoteが書かれた時、もっといってしまうと私がGAFAで働いていたときとは異なっている可能性が高い。
それを頭に置いてぜひ、ハウツーを身につけていただければと思います。
(私もこのnoteが時代遅れにならないよう、できる限り本質的なポイントに絞って内容を組んでいます。)
採用基準を満たせるかが合否の9割を決める
さて、「採用基準」について。
採用基準とは、「候補者が最低限満たすべき要件」で、前述の事業戦略を実行する上で必要な能力や経験などについて、まとめた基準のことです。
また、リクルーターが適切な人材を候補者として面接に上げられるよう、またハイアリングマネージャー以外の面接官がどういった基準で面接すればいいのか採用基準は社内で共有されています。
例えば、シリコンバレーのテック企業などが日本で広告事業を作るために人を採用する、という場面を例にお話していきます。
まず、ハイアリングマネージャーがヘッドカウント (採用していい人数)の承認をもらいます。
そして、日本のハイアリングマネージャーが自分の上司や他の地域の同僚と、どういった人を採用すべきか、という「採用基準」を具体的に決めていきます。(もちろんヘッドカウントを申請した時点でなんのためのヘッドカウントか、大枠は決まっています。)
加えて、例えば日本の特殊性を考慮するために、既に日本で他の事業をやっている同僚に、アドバイスをもらって、日本の広告事業の立ち上げメンバー、という今回採用する人の「採用基準」を明確にしていきます。
従って、面接を受ける側からすると、この「採用基準」を理解することがすごく大事です。
さらに大事なことは、皆さんの連絡の窓口立っているリクルーターに採用基準を聞けば、大抵教えてくれます。
結婚と一緒で、こちらが求めている条件を明確にしないと、お互い時間がもったいないからですね。
採用基準を満たしていないと面接に進めない
当然ながら、採用基準を満たしていない応募者は書類審査で落とされてしまうのが通常です。
例外的に、どうしても当初立てた基準に合致する人が見つからない場合、採用基準を緩めるということはあります。(これは英語を話せる人口が少ない日本では結構あります。)
そのため、基本的に書類審査が通らないからといって、自己否定をしたり落ち込むことはなく、今後設定されるであろう採用基準にかなうよう、キャリアをピボットしていけばいいのです。
例えば、私が(7年前のGAFAに入る前の履歴書で)今GAFA を受けた場合、おそらく面接まで進めません。
理由は簡単で、Google, Apple, Facebook, Amazonという企業の認知度や成功、高い年収・高待遇ががより世に知れ渡っているので、例えば昔優秀な人が集まっていた P&Gやユニリーバ、大手のデジタル広告代理店といった企業から人が移ってきており、採用のバーが上がっているからです。
そこに、無名の日系スタートアップの出身の私が応募しても、まず通らないでしょう。
残念ながら、効率よく採用基準に合った人を採用するためには、経験 = 働いてきた企業とポジションで、フィルターをかけるのは合理的です。
そのため、面接までいけない人は、自分の入りたいロール(ポジション)で働いている人が、どういったキャリアを歩んできたか、あるいは今後ニーズが出そうか、という観点で今のキャリアから移れる範囲でピボットしていくといいかと思います。
例えば、Google, Facebook, Amazonは今、ハードウェアへの投資が進んでいるので、ハードウェアの事業について詳しい人は今後ニーズがさらに増えてくるかもしれません。
一方、Appleはサブスクリプションモデルにシフトしているので、逆にNetflix, Huluのような企業で働いていると小kんごいいポジションでAppleに入りやすいかもしれません。
また、よくポジションごとの難易度という話がありますが、それはみなさんのバックグラウンド次第なので、エンジニアが営業より難しいといった話はあまり有意義ではないかと思います。
採用基準を満たしたら後は「相性」と「競争」
9割は採用基準を満たしているか否かで合否が決まると、書きました。
ではあとの1割は、というと、相性と競争で決まります。
当然ながら候補者がいっぱいいれば、他の候補者と比べられて合否が決まります。
また、たとえGAFAのようなシステマティックな企業といえど、最後はハイアリングマネージャーがいいと思うかどうか、相性で決まってきます。
私も幾度となく他の採用担当者を見てきましたが、「彼、いいと思うんだよね。」と最後は意外と好みで決まるケースは多々あります。
人間が決めることなので当然といえば当然かもしれません。
すなわち、ここでもオファーをもらえなくてもガッカリする必要は一切ない、ということができます。
あなたをいいと思ってくれる採用担当者と巡り逢うまでチャレンジすればいいのです。
よくある誤解について
英語必須
外資で働くなら英語力が必須、と思われている方が多いかと思います。
実際多くの場合嘘ではないのですが、思われているほど重要ではありません。もちろんポジションによりますが。
ポジションによっては、英語を要件から外す、ということももちろんあります。
日本では英語を話せる人が多く、英語にこだわっていると採用が進まないからです。
TOEICやTOEFLの点数を履歴書に書かれている方を多く見ますが、
私はほとんど気にしませんし、それが採用の意思決定をする際のミーティングでも話せれたのを聞いたことはありません。
人によるかもしれませんが、以前TOEFLで満点近い人を採用して、英語での会話能力が低くて驚いたことがありましたが、それくらいペーパー試験は意味がないと私は思っています。
「海外大学卒・留学」のような経歴は、しっかり英語で生活ができるということで、「最低限の英語力」とういフィルターをパスする上で有効です。
私が働いている会社で、新卒を採用する場合はほぼ必須です。
そういった経験がない方 (私もありませんでしたが)、例えばフィリピンのセブだったり、インドだったり手軽に行けるところでの、3ヶ月短期留学とか、インターンといった程度でも海外経験としてプラスになります。
虚偽はいけませんが、うまく海外経験をアピールしましょう。
実際のところ、Google や Amazon, Apple, Facebookの日本法人は、すでに大きくなっておりオフィス内にいる人はほとんど日本人、現場レベルの人の採用の面接に入る人(もちろんポジションにもよりますが)ほとんど日本人です。
そして、働いている人の英語力もそこまで高くありません。
なので、英語はできる、海外の経験がある、というあたり自信をもっていえれば、ほとんど問題にならないのです。
転職エージェントは利用しない
Google や Amazon, Apple, Facebookはリクルーターがダイレクトソーシングや同僚からの推薦(リファラル制度)が中心で、転職エージェント経由では不利、と思われていることが多いようですがそんなことはありません。
実際のところ、転職エージェントはガンガン利用しており、予算もあります。
未上場の企業でも日本に進出するサイズのスタートアップは、ヘッドハンティングの会社を通常利用しています。
そのため、面接にたどり着く確率を上げるためにもぜひ、転職エージェントに登録しておきます。
転職エージェントがあなたがいきたい会社と付き合いがあるかは、聞けば通常教えてもらえます。
オファーがでたらあなたが選ぶ立場
晴れてオファーの連絡がきたら、そこからはあなたが選ぶ立場です。
リクルーターの使命は、「オファーレターにサインをさせること」になり、あなたが交渉力を持ちます。
ポジションごとに予算が決まっており、その上限までであれば交渉の余地があります。
イメージとして、「3回くらいはオファーを突き返す」くらいの気持ちでいて問題ありません。
もちろん失礼な態度や、常識を反することを依頼するのはフィードバックがあがりますが、既に定まっている人材への予算 (年収やストックオプション)の上限まで引き上げられるよう、交渉しましょう。
GAFAのような企業の場合、現場レベルでは人材の予算と事業のPLは分けられていることが多く、ハイアリングマネージャーはあなたが高い待遇(年収やストックオプション)でサインしたか低い待遇でサインしたかは予算の範囲内である限り人件費は気にしません。
「あなたに満足して入社してもらえればいい」のです。
私は、GAFAからオファーが出た際、こういったことを知らずに最初のオファー大喜びしてサインをしてしまい、今でも後悔しています笑
しっかり交渉すればプラス30%〜50%くらいは(ストックオプションをいれるともっと)上げる余地があったのではないかと思っています。
また、この段階で、不安な点や確認したいことがあればどんどん質問しましょう。
そして後は、万全の体調であなたが目標としてきた会社でのスタートに備えるのみ。
最高の環境を楽しんでください。
GAFA海外オフィス勤務のブログ
私と同じような志をもっている方に、少しでも役に立てればと思い、私がGAFAやユニコーン企業、外資系戦略コンサルティングファームの経験談や転職のアドバイスを「ピボット転職」というメディアにまとめています。
Google, Apple, Facebook, Amazonといった企業への転職を目指している方向けに、高度で質が高い内容に絞って、書いていっているので興味がある方はのぞいてみてください👀
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