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Magic:The Gathering 歴代リミテッドぶっとびカード10選 コモンの部
うろ覚えの部分があったり、リアルタイムでは触っておらず後年のリマスターでの体験と伝聞をベースにした部分があったりと胡乱なところがあるため、恐縮ですが与太話として受け取っていただけると助かります。
問題ないようであればひとときの暇つぶしとしてお楽しみいただければ幸いです。
文中の画像は公式からの引用で、用語はM:TG Wikiへのリンクです。
編集者の皆様に感謝!
■《改革派の貨物車/Renegade Freighter》
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時は2016年の『カラデシュ』。
今では馴染み深い機体がデビューした際の初期メンバーの一枚です。
3マナと搭乗2で5/4トランプルのアタッカーを用意できるのは速度の暴力。
平均サイズの2マナ2/2と3マナ3/3で止めるにはテンポと枚数の面で大損ですし、うっかりインスタントで補助された日にはゲームセット秒読みです。
これが無色でどの色の相手からでも出てくるのですからたまりません。
重量級の同輩の《アラダラ急行》と共に数多のプレイヤーを血の海に沈め、『カラデシュの列車はやばい』と強烈な印象を残しました。
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大活躍した結果、現在に至るまで2種類目の3マナパワー5相当のコモン機体は登場しておらず、カラデシュリマスターにおいても《改革派の貨物車》(と《アラダラ急行》)は収録から外される形となりました。
新ギミックのカードは調整が難しいからか暴れがち説の好例ですね。
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■《死の否定/Death Denied》
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時は2005年の『神河救済』。
獲得カードアドバンテージ量がおかしい部門その1。
実質的に墓地のクリーチャーを全て回収できると書いてあり、消耗戦におけるとびぬけた強さによって、神河ドラフトにおける黒の立ち位置を大きく引き上げました。
コモンの墓地回収が拾う枚数は基本的に1~2枚、多くても3枚なので、優れているどころの話ではありません。異常です。
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名前に恥じない派手な挙動がユーザーに愛され、通常環境においては強すぎるが楽しく遊べるカードとして、マスターズ系の特殊セットにしばしば再録されています。
■《流れ込む知識/Rush of Knowledge》
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時は2003年の『スカージ』。
獲得カードアドバンテージ量がおかしい部門その2。
マナカーブに沿って4マナ生物から繋げるだけで4枚ドロー。めっちゃ引く。
当時の環境にはマナ総量の高いカードを用意しやすい変異が用意されていたため、うっかり5ターン目に8枚引いたりすることもしばしばでした。
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環境の除去が弱く盤面に高コストのカードを残しやすかったこともあり、アグロ戦略を弱点にしながらも、パワーカードとして猛威を振るいました。
シングルシンボルでタッチしやすい点も強みであり、それまで青いカードをピックしていなかった人にピックされることも珍しくありませんでした。
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コモンの優秀な手札補充カードは数あれど、可変とはいえ片手で数えられない枚数を引くカードは類を見ないため、《死の否定》同様に異質さが際立っています。後年ダブルマスターズに再録されましたが、その際にはアンコモンに格上げされました。
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余談ですが自分の盤面の最大コストを参照する呪文は5色のサイクルとなっており、赤の《火炎流》も本体に打てる大型火力としてリミテッドでブイブイ言わせていました。
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■《戦隊の鷹/Squadron Hawk》
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時は2010年の『基本セット2011』。
群れるとやばいやつその1。構築戦での活躍が名高い鳥さんです。
いつの時代も飛行が強いリミテッドで数を増やせる飛行が弱いはずもなく。
2枚ピックできたら御の字、3枚でぶっ壊れ、4枚揃ったら全勝おめでとう。
並べながらライフを削り全体強化で押し込む戦法がシンプルに強力無比。
横並べが苦手とする全体除去が乏しい環境だったこともあり、再現性が高い最強戦法として猛威を振るいました。
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同名参照コモンを集める戦略は平均値を上回るデッキをお手軽に狙えるため、デッキパワーが平均値に落ち着きやすいカードパワーが低めの環境において猛威を振るうことが多い傾向にあります。
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■《心臓貫きの弓/Heart-Piercer Bow》
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時は2019年の『基本セット2020』。
群れるとやばいやつその2。束ねれば強敵をも落とせるMTG版三本の矢。
装備先の《フェアリーの悪党》とセットでかき集めることで、相手の小型クリーチャーを封殺しながら一方的に攻めたてる戦略がMTGアリーナのドラフト環境を席巻しました。
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当時のMTGアリーナにはAIに混ざってピックするクイック・ドラフトしか存在せず、AIの《フェアリーの悪党》と《心臓貫きの弓》の評価が低かったため、高い再現性を持つ戦略として広まりました。
次のエルドレイン環境においてもAIの評価が低いカードを使ったライブラリーアウト戦略が暴れるなど2019年下半期のリミテッド環境は青がやんちゃな時期でした。
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古くは回避能力持ちに《眠りの印形》をつけて毎ターンバウンスしたり、戦場に出た時能力持ちを《魔術師の導師》で使い回したりと、嵌め技は青の伝統芸能ではあるため、原点回帰していただけかもしれません。
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余談ですが、無色の装備品は色選択を先送りできる手堅い選択として人気が高く、トップコモン候補に名を連ねたカードも豊富にあります。
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■《暁輝きの発動者/Dawnglare Invoker》
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時は2010年の『エルドラージ覚醒』。
8マナ払えば毎ターン全タップで対戦相手の生物が何体いても関係なし。
文字通り一枚で勝てるコモンにあるまじきハイパーキャリー。
タフネスは貧弱なので除去に弱いのはご愛嬌。
エルドラージやレベルアップ、族霊鎧オーラなどを活用して大型クリーチャーでゆったり殴る戦い方が一般的な環境だったため、それらを起動型能力で完封する姿がたびたび見受けられました。
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白の3マナには最強のヒーラーと名高い《悩める癒し手》、転生との組み合わせで最強の場持ちを誇る《兜蛾》、令和のハイスペック《鼓舞する監視者》などが名を連ねているが、レアが並んでも封殺しかねない唯一無二の制圧力はコモンらしくなさの面では飛び抜けています。
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また、白のコモンクリーチャーの最強候補としては『アポカリプス』に収録された《連合儀仗兵》があげられます。
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対戦相手の対象をとる呪文と起動型能力をすべて吸い込む旗手能力を持っており、除去はもちろん、各種バフデバフ効果やオーラすらも拘束できます。ボムレア並みのマスト除去クリーチャーであるにもかかわらず、タフネス4のおかげで火力に耐性がある点も強力。コモンにあるまじき制圧カードとして高い評価を受けていました。
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■《とどろく雷鳴/Rolling Thunder》
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時は1997年の『テンペスト』。
古代兵器その1。コモンX火力の末裔。
X火力の元祖《火の玉》をシンプル化した性能で、複数体除去に使ってよし、プレイヤーに打ち込んでフィニッシュしてよしと非常に優秀。
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しかし問題はコモンの出現率にしては優秀すぎたこと。大味なX火力で毎回勝負が決まってはゲームに飽きてしまうのも時間の問題。リミテッドの環境整備が進んだ第6版以降はX火力はアンコモンに移行し、近代ではアンコモンとレアの中間に位置づけされています。
コモンX火力の最後の1枚として歴史に残った《とどろく雷鳴/Rolling Thunder》ですが、ほぼ20年越しの2015年の『戦乱のゼンディカー』でアンコモンに昇格して収録されています。同年にMOで発売された『Tempest Remastered』でも収録されており、もちろんこちらでもアンコモン。
■《黒死病/Pestilence》
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時は1998年の『ウルザス・サーガ』。
古代兵器その2。MTG黎明期では皆勤賞であった除去エンチャント。
プロテクション黒との併用やエンドフェイズの起動で自壊回避などの小技が有名だが、それはそれとして適当に使っても強すぎる置物系全体除去。
触りづらいエンチャントにスナック感覚で小型クリーチャーを出すたびに除去されてはたまらず、一度不利になったが最後ライフを一気に詰めてくるオプションまで付属しているとくれば相手をして楽しいはずもなく。
ゲームに与える影響が大きすぎたためX火力同様に第6版再録時にアンコモンに格上げされ、それを最後に再録されていない。のちに色違いの《紅蓮炎血》がアンコモンで登場しています。
古代リミテッドで環境を定義していた《黒死病》とX火力がコモンを去った第6版が、リミテッドの古代と中世をわける転換点といえます。
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■《火花鍛冶/Sparksmith》
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時は2002年の『オンスロート』。
タップ能力でプレイヤーへの自傷ダメージと引き換えに対象のクリーチャーに戦場に出ているゴブリンの数に等しいダメージを与えるゴブリン。
中世リミテッド最大の戦犯。ミスター2ターンキル。
他にゴブリンを1体用意するだけで繰り返しの除去でタフネス2以下を封殺できるカタログスペックでも十分に凶悪ですが、オンスロート環境の2つの特異性が《火花鍛冶》をさらに凶悪な存在へと押し上げました。
1つ目は変異メカニズム。変異持ちクリーチャーはどれも3マナ2/2を兼ねるため《火花鍛冶》の最高のターゲットとなります。しかも変異が活躍しやすいように変異を持たない生物のサイズも控えめに設定されていたため、中盤以降も《火花鍛冶》が活躍できる環境の下地が整っていました。
2つ目は除去の少なさ。《火花鍛冶》を無条件で除去できるコモンは黒に2枚と赤に4枚のみ。白青緑はコモンどころかアンコモンを含めても基本的に《火花鍛冶》を除去できません。黒と赤のどちらかを使わねば人にあらずで環境の多様性が損なわれていました。しかもそもそも除去の絶対数が少ないため、たとえ黒や赤でも《火花鍛冶》を除去できるとは限りませんでした。
開発部からも失敗と公言されており、特に元開発部のSam Stoddard氏の記憶にはことさら強く刻まれていたらしく、彼の記事ではことあるごとにリミテッドの失敗例として名指しされていました。
ちなみにエルフ参照でバフする友達の《森林守りのエルフ》がいたり、
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緩い条件で2点ピンガーになる《投鎖獣》と《溶岩使いの技》や、装備品でパワーを上げれば2点どころではない大ダメージを放つ《トゲ撃ちゴブリン》などが前後のセットにいたりとそもそも大らかな時代ではありました。
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■《大量の芽吹き/Sprout Swarm》
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時は2007年の『未来予知』。
見た目は召集とバイバックとトークン生成、能力同士のシナジーが美しく楽しそうなリミテッド向けカード。その実態は歴代最高峰のボムコモン。
基本的には相手ターン終了時に唱えるカードで、ブロックに残した生物や苗木トークンを召集に充てることで加速度的にトークンを増やしていきます。
ゲームを長引かせればトークンの群れで圧し潰せる上に、地上のアタッカーは苗木トークンでいなせて召集のおかげでマナもある程度自由に使えてと隙も小さいため、回避能力持ちさえ対処してしまえば悠々とゲームに勝つことができてしまいます。
また環境に苗木トークンを活用できるシステムも存在したため、見た目以上の制圧力を誇ります。
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一般的なトークン戦略が苦手とする全体除去に直面しても、時間さえあれば手札消費無しで復帰できてしまうのがバイバックの恐ろしさ。
しかも凶悪カードの例に漏れず色拘束が緩いためタッチ採用も容易。
苗木トークンを召集で色マナシンボル部分に充てることができる関係でタッチ採用でもガンガン連打できてしまうあたりはもはや悪夢そのもの。
手札から毎ターン唱える関係上、手札破壊と打ち消しを苦手としていますが、どちらもリミテッドではやや扱いづらく頻繁には出会わないため致命的な弱点とはなりませんでした。
結論としてセット内でレアまで含めても五指に入る非常に強力なカードとして評価され、後世まで語り継がれるほどに猛威を振るいました。
大いに暴れすぎた結果『時のらせんリマスター』では収録されず。
開発記事ではどのレアリティにも当て嵌められないカードだったと語られ、伝説がまた一つ増える形となりました。
ちなみに《大量の芽吹き》の強さの根幹を担うバイバックは1997年の『テンペスト』で登場した能力で、リミテッドで大いに暴れた過去があります。
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特に万能バウンスの《転覆》と全体除去の《エヴィンカーの正義》は強すぎるコモンとして名高く、後年MOで発売された『Tempest Remastered』ではどちらもアンコモンに格上げされています。
見た目は可愛らしい《大量の芽吹き》ですが、バイバックの歴史を踏まえれば、その活躍は必然だったのかもしれませんね。
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以上、記憶に残る歴代リミテッドぶっとびカード10選 コモンの部でした。
最後まで読んでいただきありがとうございました!