くっしゅ くしぇ 〈け:ゲームセンター〉
化学的な香料がまだ鼻の奥にこびりついている
そこは放課後に行くところ。友達と行くところ。私には縁がない。友達がいないから。
でもその日は違った。普段なら真っ直ぐに帰るのに、その日は何故か私はゲームセンターにいた。
隣ではクラスでちょっと浮いてるギャルの子が笑っている。なんで私なの?
ゲーム機の音がガヤガヤと響いて、耳が痛い。なんで笑っているの?
クレーンゲームの景品を押し付けられた。くれるの?
彼女は首を縦に振る。私に?
彼女は首を縦に振る。なんで?
彼女は笑って誤魔化した。
急に手を差し出した。友達になろうって君は言う。なんで?
似てるから。似てるからって何。
なんで私があなたに似てるのよ.......
なんで私はちょっと嬉しいなんて思っているのよ.......
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