ANDPAD×サイボウズ×Timee×RIZAP 「Kotlin Fest直前4社わいわい勉強会」を開催しました!
▶プロフィール
並木一晃 /プロダクト開発統括1部エンジニア。2024年4月に新卒入社。
Kotlin Festに参加する4社と、
親睦を深めるために合同の勉強会を実施
Kotlin Fest 2024の前日6月21日(金)、西新宿にあるRIZAPの本社にて合同勉強会を開催しました!
今回はサイボウズの森嶋さんからお声がけをいただき、翌日のKotlin Festに向けた情報交換や各社のエンジニアの交流することを目的に、ANDPAD×サイボウズ×Timee×RIZAPの4社の合同勉強会が実現しました!
当日の参加者は、RIZAP:7名(うち新卒3名)、サイボウズ:6名、ANDPAD:4名、Timee:5名の合計22名のエンジニアが参加しました。
OSTを採用したメインセッション
はじめに、当社人事の小畠から会社について説明しました。軽妙なトークで会場が和やかな雰囲気に包まれた後、いよいよ勉強会のメインイベントであるOSTが始まります!
メインイベントであるOSTでは、社内イベントでも取り入れているサイボウズのミヤザキさんとエバラさんが概要の説明とセッションの運営を行いました。
<OSTとは>
OSTとは、Open Space Technology(オープン・スペース・テクノロジー)の略で、事前に話すテーマを決めるのではなく、当日参加する全員で話したいアジェンダを出し合い、そのアジェンダに対して参加者がセッションを行うスタイルです。
一般的に多くの勉強会は、大まかなテーマを設けてそのテーマに合わせて登壇者が発信をするLT形式で行われていますが、今回の勉強会はOSTという手法を採用した勉強会形式になっています。
OSTに参加する人は4つの役割があります。
セッションを提案した「ホスト」
話し合いに参加する「参加者」
色々な話題を行き来する「ハチ」
転々と聞いている「蝶」
当日の説明は「Open Space Technology Introduction」というスライドを元に行いました。
OSTの概要と進め方の説明が終わったあと、テーマ出しを行います。今回は初めてOSTに参加する人が多かったため、少し長めに20分間で行いました。話し合いたいことを紙に書いて、書き終わったら皆さんの前で発表します。発表し終わったら、どのタームのどのテーブルで議論をするか、ホワイトボードに貼っていきます。
初めての方が多数だったので、最初はなかなかテーマが出てきませんでしたが、サイボウズのエンジニアさんが先導してテーマを出してくださいました。テーマにルールは無いので、AndroidやKotlinなどの技術関連から、リモート勤務での働き方、各社の自慢大会など、最終的に幅広いテーマが出揃いました。
私も「時間外の勉強法」と「しくじり談とそのリカバリー方法」という2つテーマを出し、ホストとしてセッションに参加したので、詳細を下記にまとめていきます。
テーマ①「時間外の勉強法」
【テーマ選定の理由】
技術進歩のスピードは早く、エンジニアとして鮮度の高い情報を常にキャッチアップをしていかないといけません。私は新卒3ヶ⽉⽬で、⽇々の勉強にどう取り組んでいけば良いか試行錯誤をしている段階なので、先輩エンジニアの方が日々どのように取り組んでいるのか気になり、ここで得た知見を自分でも試してみたいと思いテーマを出しました。
【セッションの内容(抜粋)】
1次情報を取得しつつ、⾃分で⼿を動かして、何か作ってみる
新しい機能やライブラリが公開されたら、動かしているもので試してみる。
分からなければドキュメントを読んでみる。
1次情報が⼤事
調べるときは、公式ドキュメントやOSSのリポジトリ等なるべく1次情報を参照した方が良い。
今はChtaGPTなどの⽣成AIを調べる時に活⽤しているが、⽣成AIに⾷わせる情報もなるべく1次情報にする。
アウトプットで何か発信してみる
技術ブログを書いてみる。
Qiitaでも社内テックブログでも、アウトプットとして記事を書く。
Xなどでも発信してみる。
社内勉強会に参加してみる
勉強会の内容が、⾃分の領域じゃなくても、広く知るのは⼤事。
⾃分の知っている領域との差分を知ることができる 。
おすすめの技術書:オライリーの本を読む
【感想】
まず、1次情報の重要性についてです。新しい機能やライブラリが公開された際には、公式ドキュメントを参照し、自分で手を動かして試してみることの大切さを再認識しました。実際に手を動かすことで、理解が深まり、より具体的な知識が身につくことを改めて感じました。生成AIの活用についても話題になりましたが、ここでも1次情報の重要性が強調されていました。生成AIに頼る際も、1次情報を元にすることで、より正確で信頼性の高い情報を得ることができるという点は非常に納得できるものでした。
アウトプットの重要性については、技術ブログやQiita、社内テックブログなどで情報を発信することが、自分の知識を整理し、他者と共有する上で非常に効果的であることを再確認しました。XなどのSNSでの発信も、広く情報を共有する手段として有用であると感じました。
社内勉強会への参加については、自分の専門外の分野についても広く知識を得ることが重要であり、自分の知識の幅を広げる良い機会であることが分かりました。勉強会を通じて、自分の知っている領域との差分を知ることができ、新たな視点を得ることができると感じました。
テーマ②「しくじり談とそのリカバー方法」
【テーマ選定の理由】
当社では年齢関係なく、若いうちからチャレンジできる環境があります。チャレンジが許容されている分、いざ失敗してしまった時にどうリカバリーしていけば良いのか、先輩エンジニアのミアンさんが経験してきたことを知ることができると思いテーマを出しました。
そのため、しくじり談を暴露するというよりは、どちらかというと「そのときにどう対処したのか?」「そのときに何を意識して行動したのか?」「今後起こさないようにするにはどう行動していけば良いのか」などの部分を知りたいと思いました。
【セッション内容(抜粋)】
疲れている・眠いときは判断力が鈍る
深夜作業で「-rt*」コマンドで本番環境を吹き飛ばしてしまった
疲れ・眠気があるときは、通常しないようなことをしてしまう
ちゃんと寝ることが大事
ペアプロが⼤事
⾃分のペアプロのイメージ:①メンターと⼀緒に開発を進める、②若⼿が成⻑する、③効率的に開発を進めるの3つの点のイメージがあった。
ただ、ペアプロは教え合う以外に監視の役割もある。
相方がおかしなことをしていないか見張ることも大事→インシデントを未然に防げる。
実際の例:ゴミ箱からプログラムを復元して、実⾏したら重⼤インシデントに繋がった。→ゴミ箱から持ってきたのが⾒えたら、すぐに⽌めることができるようになる。
インシデントが起きたときの仕組みづくりをしておく
保険をかけて逃げ道の仕組みをあらかじめ作っておくことで、万が⼀発生した時でも対応することができる。
並⽊:起きるか起きないか分からないものにかける優先度は下がるのでは?
→チームのメンバーで認識を合わせる=保険をかける⼤事さ、万が⼀起きてもすぐに対応できるような仕組みを作っている。
サイボウズの例:年に⼀回緊急⽤の環境で実⾏して、インシデントが発⽣してもすぐに対応できるような訓練をしている(BCB訓練)。
⼩さい失敗だったらむしろたくさん経験したほうが良い。
歴を重ねるとだんだん失敗しにくくなる。
若いうちから、たくさんチャレンジして⼩さい失敗を繰り返して成⻑していくのがいい経験につながると思う。
最終的には、セッションで⼤⼩様々なしくじり談が出てきたが、その8割くらいはペアプロを⾏っていたら防げたのでは?という意見で一致した。
【感想】
まず、疲れや眠気が判断力に及ぼす影響についての議論がありました。深夜作業中に「-rt*」コマンドで本番環境を誤って削除してしまったエピソードは、非常にリアルで衝撃的でした。これをきっかけに、疲れや眠気があるときには無理をせず、しっかりと休息を取ることの重要性を再認識しました。適切な睡眠がミスを未然に防ぐためにどれほど大事かを改めて感じました。
次に、ペアプログラミング(ペアプロ)の重要性についても深く議論しました。これまでペアプロは、主にメンターと一緒に開発を進めたり、若手の成長を促進したり、効率的に開発を進めるための手段として認識していました。しかし今回のセッションを通じて、ペアプロには相互監視の役割もあり、インシデントを未然に防ぐための重要な手段であることを学びました。実際に、ゴミ箱から復元したプログラムを実行して重大なインシデントに繋がった例が紹介され、相方が見張ることでこうしたミスを防ぐことができると感じました。
インシデントが発生した際の対応策や仕組みづくりについては、予防策として事前に保険をかけて逃げ道を作っておくことが重要であると学びました。サイボウズさんの例では、年に1回緊急用の環境で訓練を行い、インシデントが発生した際に迅速に対応できるような体制を整えていることが紹介されました。このような実践的な訓練の重要性を強く感じました。
小さな失敗を積極的に経験することの価値については、若いうちから多くのチャレンジをし、小さな失敗を繰り返すことで成長していくことが重要であると感じました。失敗を恐れず、積極的に挑戦する姿勢が将来的な成功につながるのだと改めて確信しました。セッション全体を通じて、さまざまな失敗談が共有されましたが、その多くがペアプロを行っていたら防げたのではないかという意見で一致しました。この点からも、ペアプロの重要性を再認識できました。
懇親会
OSTのあとは、各社の親睦をより深めるために、テーブルを囲う形で懇親会をオープンスペースに移って開催しました。翌日Kotlin Fest 2024の準備等で朝が早かったため、今回の懇親会は30分と短めの設定でしたが、会場は終始賑やかな雰囲気でした。
私は現在まだ研修中でどの技術領域に進むか未定ですが、モバイルの領域に興味があります。なので、モバイル開発や将来のキャリアのこと、chocoZAPの事業についてなど、参加者どうしで以下のようなお話をすることができました。
今までどういうキャリアを歩んできたのか
自分がモバイル領域に進むならどういうキャリアを描くことができるか
今からやっておいた方が良いこと
新卒の研修でどんなことをやっているのか
chocoZAPでジム以外に何が出来るのか
chocoZAPアプリは何が出来るのか
特に、当社の研修である「1000時間プログラム」のお話をすると、興味深く聞いてもらえました。
限られた時間の中で多くの方と交流することができ、皆さんの仲が深まったところで、終了の時間がやってきました。最後は人事の小畠から挨拶と一本締めで、合同勉強会は終了しました。
終わりに
今回初めてOST形式の勉強会に参加しましたが、いろいろな人と話すことができ非常に楽しかったです!LT形式の場合、1対多数になるので、質問するときに遠慮しがちになってしまいますが、OSTであればそのテーマで議論したい人=同じ話題で話したい人が集まっているので、質問もしやすく、議論を円滑に進めることができます。また、LT形式の場合スライドや話ことを準備する必要がありますが、OST形式の場合、そのときに話したいことをテーマとして出すことがでいるので、勉強会にも気軽に参加できると思いました。
準備のコストもそこまでかからないので、今後社内で勉強会などのイベントを開く機会があればOSTを採用してみたいと思いました。
そして、今回は2つのテーマを自分が出してホストとしてセッションに参加しましたが、特に下記の話が印象に残りました。
生成AIで調べ物をするときに1次情報で聞くことを意識する。
とりあえず何か手を動かしてアプリ等を作ってみて、新しい技術が出たら自分の手元で試してみる。
自分の領域の英単語を知っておくと英語のドキュメントが読みやすくなる。
インシデントが起きたときに対応できるような仕組みづくりとチーム内で認識を擦り合わせる。
ペアプロをすることで相手の状況を知ることができる。
疲れているときはとにかく寝る。
若いうちから小さな失敗をして、その経験から学ぶ。
今回のセッションを通じて得た学びを活かし、今後の業務に取り組んでいきたいと思います。非常に有意義な時間を過ごすことができて、改めて今回の勉強会に参加して良かったです!
(了)