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『アドベンチャー・タイム』をみました感想


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はじめに

  昨年2024年後期から年末にかけて、僕のBlueskyを眺めてた方は存じておられることかと思われますが、いわゆる ”カートゥーンネットワーク” を出身とする大人気ダークファンタジーを大疾走して観終わりました。

  その節のタイムラインの破壊行為を陳謝いたします。(なんとなくゆる〜く各話の概要をブルスカで投げていたら、途中で配信が2024年末までと気付き、1日に5本ペースでのデス・視聴を実施した。ただ、…伏線をここに棄てる)

(事の興り。11月らしい)

  いかにもそれらしい緩いキャラクター造形から放たれる、相当にカオスな世界観とふんだんな ”伏線” 回収と、ギョッとする程のシビアさシリアスさダークさで考察の余地が余りある…そんな魅力たっぷりの作品。

  とても語らずにはいられなかったので、本作の簡単な説明と、好きな回を数本紹介できたらな〜、ついでに布教の一助になればな〜というnoteです。行ってみよう!僕らと今〜アドベンチャーの国へ〜ヘェ↑↑


外枠の簡単な説明


  アニメの外枠的な話をすると、本編の『アドベンチャー・タイム』が全142本…1本が24分ほどの10分ちょい×2話組構成となっていて、一応シーズン的には10までだったかな。マラソン当時は実質10話ずつ観てたわけです。狂うかと思った。

  ここにプラスでマイクラコラボの『アドベンチャー・タイム ダイヤモンドとレモン』(10分ほど)と、本編で語られなかった前日やその後を扱ったスピンオフ中編『アドベンチャー・タイム 遥か遠い世界で』各40数分×4話が存在しています。今回確認する限り。

  …で、何をそんな焦っていたのかというと、何故か日本国内で肝心のシーズン7以降が円盤化してないんですよね。勿論、海外盤を買うという手法は取れると思うんですが、本作をバリバリに牽引している秀逸な吹替を思うと、絶対にこのタイミングで全部観ておく他になかった…というのがデカい動機になります。

(お馴染みU-NEXT神の恐怖の通告。🤮映画の強要力)




本編について

人間性を捧げよ

  まずこれ、”ダークファンタジーっていうけどどういうこと?” って疑問があると思うんです。広い。

  剣に、魔法に、冒険に、不思議な生物たちに…う〜ん確かにファンタジー。でもなんか見たことのあるような…車、機械、英語…。

  そうです、彼らの住んでる土地 ”ウー大陸” なんて呼ばれてますが、本作って恐らく我らのよく知る土地の出来事なんですよね。それも滅亡後にどれだけ時間が流れたのかって感じの、いわゆる ”ポストアポカリプス” というのが正しいのじゃないかと思います。それでいて、未来や前世、パラレルなんかも扱うので物凄い。ちなみに、滅亡のきっかけになった戦争は ”マッシュルーム戦争” そんなんで滅びたくないよ。

  基本はゆるゆると彼らの日常やいざこざが描かれ、たまに強大な敵が現れてみたり、そうでもなかったりしつつ、主人公や周囲や世界のことがジワジワと深堀りされていく…興味湧きませんか?湧いたね。



キャラクターについて

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  キャラについては大量に存在し、えっあいつがそうなの?こいつがそうなの?という ”関係性” の嵐。世界に深みを持たせるこのキャラ間の繋がりが本作の見所と言っても過言ではないはず。引っ付いたり別れたりも全然発生するし、なんなら子供も誕生したりする。

  歩き回るお菓子連中に、王国警備のバナナたちに、言う事わかってるのかどうかも怪しいペンギンたちに…特異な奴らしかいないまでありますが、中でもかなり特異なのが主人公のフィン、そして相棒のジェイク。後は彼らとよくつるんでるプリンセス・バブルガムヴァンパイア・クイーン・マーセリン、氷の国の迷惑王様アイスキング辺りかな。以降、簡単に紹介。



フィン

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  謎のウサギっぽい被り物をした少年…この世界で唯一の人間の末裔であるとされています。そのためか、誰かが彼を呼びかける時の呼称は ”人の子・フィン”

  当然ながら、他のファンタジー住人たちがバカスカ魔法やら行使する一方で、普通に彼は人間過ぎるため、めちゃめちゃ動ける訳でもなく結構な頻度でボコボコにされます。顔面変形するし、腕足もよくへし折れる。かなり痛そう。
  何気にサラッと緑赤色覚障害が発覚し、「おめえ目悪いんだな。そういうこともある」くらいのノリで流れて以降全く触れられないの好き。

  とはいえ、根の優しさと明るさ、面白そうなら何でも良さそうな蛮勇とで、展開的にも盛り上げ上手。最後の人間としては、やっぱり「他に生き残りいないの〜?」とか、「パパママは〜?」とか、その辺が気になるところ。大丈夫。ちゃんとやる。


ジェイク

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  そんな彼をよく支えてくれるのが、相棒であり、兄貴の犬・ジェイク。黄色いやつ。
  犬?犬だよ、「イヌ!イヌ!」って稀に鳴くし、自由自在に身体を拡張縮小出来るし、楽器弾くし、喋るし、二足歩行だし、おっさんだし、オープニングにも ”Jake the DOG” って書いてある。ジェイクいなかったらフィンはとっくに死んでる。

  そしてこれらの、(なんだ?)って要素もしっかり回収及び説明されるのが…『アドベンチャー・タイム』であります。オタク向け過ぎる。


  兄貴分で割りとおっさんとは言うものの、その気安さは作中でも屈指の気安さで、子供らよりも子供じみたイタズラ好きな面がよく表出してます。
  余裕でフィンよりめちゃめちゃしたりするので、どっちが兄貴か分からない場面も多数ありますが、どこか達観してる向きと、決める時は決めてくれるため良しとされる…。たまにやけに塩対応の時が面白過ぎ。

  歌好きの彼はよくヘンテコな歌を歌っており、中でも ”ベーコンパンケーキの歌” は一生耳に残るので必聴だよ。

ベーコンパンケーキの歌


プリンセス・バブルガム

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  フィン&ジェイクのあほ2人が基本的に関わりに行く王国。キャンディ王国の統治者にして、紫の髪がプリティなぷにぷにガム姫、生粋のサイコ枠バブルガム。最近、『チェンソーマン』のマキマさんを彼女に置き換えるパロ絵を見かけてかなり笑ったけど、そういう人です。

  バリバリな理系研究者でもある彼女は、余裕でお菓子を始めとするなんやらに生命を組み込み、ヤバげな生物を生み出しては責任を取れずに悲劇を巻き起こします。兵器的なガジェット開発も得意とするところで、”動いたらヤバいから” くらいのノリで隣国の秘匿する兵器を単身破壊する。


  そんなヤバ女のバブルガムも勿論様々な秘密や悲しみを抱えており、その理解が進んでいくともうめちゃめちゃ魅力的に…。特にあの子とかとあぁでな…。いいよね…。

  でも記念すべき1話目から「元カレ復活させるわ」と墓でゾンビパニック起こして国を壊滅の危機に陥れるのは、全てが飛ばし過ぎだと思う。


マーセリン

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  気ままなベーシストにして、姿隠しに、怪物化、浮遊に、魂の吸収…といった非常に強力な能力を持つ、バンドガール吸血鬼です。斧のような真っ赤なベースと、気は抜けるけど綺麗な歌声が魅力的。食事は勿論血液!…ではなく、”赤い色”。

  序盤こそよくフィンとジェイクをからかってますが、基本はサッパリとしつつ情に厚い人間性なので、度々一緒にいるようになると火力担当って感じで格好良いです。

  そして彼女も特大真実がふんだんであり、オープニングまで特殊に変更される専用編なんかもあって脳が喜びます。あいつと…あぁでさ…堪らんよ…。

  バブルガムともども、よく髪型がチェンジしてくれるのも何気に魅力で、そういうとこだよな、『アドベンチャー・タイム』。


アイスキング

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  そして彼なくして語れない『アドベンチャー・タイム』。全体青白い、ローブの下はガリガリの老人で、ペンギンの群れと一緒にアイス王国に住んでます。全てを凍り付かせる強大な魔法を使えるにも関わらず、よくフィン&ジェイクに突っかかってはボコられる。

  とにかく自分本位な人物像をしており、特に ”プリンセス” に並々ならぬ執着を見せ、初登場時から概ね全てのプリンセスを檻に閉じ込めてる危険人物ぶり。(なんか盛り上がらないからっつって楽器を配って演奏させる)


  他にも各プリンセスからパーツを少しずつ拝借して最強の理想プリンセスを作るなど、その狂行は並では無いのですが、作中でも恐らく一番苦しい彼の真実が垣間見えてからの、フィンたちの当たりが柔らかくなるのがめちゃめちゃ大好き。
  あとビーモと仲良く遊んでる時が永遠に見れる。もう凄いよ、アイスキング周りは。『アドベンチャー・タイム』を観ませんか?


ビーモ

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  おまけのビーモちゃん。この子が滝の涙流してたり、無言で泣きキレしてる時の顔芸が大好き。一生泣いてほしい。

  フィン&ジェイクの住むツリーハウスにて、ひっそり同居している小さなゲームボーイ(化石)型の割りと万能なロボット。彼らがテレビゲームする時はビーモに内蔵されてる奴をやるし、映像表示や、アラームなんかも備えてる凄いやつ。

  作中でも一番子供らしく、ごっこ遊びなんかが好きなんですが、動物らと昼メロ探偵したり、鏡の中の自分に人格を与えていたり、1人にすると狂気が凄い。皆といると大丈夫なんだけどね…。


  結構大っぴらに人の気遣いをぶっ壊す発言も多く、いつも無茶苦茶なフィンやジェイクすら尻込みするような状況を動かす力があるので何気に重要キャラです。ブブゼラ壊したのビーモだよ!!!



ここすきポイント


歌・曲

  耳に残り過ぎるオープニングの緩さ、エンディングのしっとりさ…ここらも当然いいですが、ジェイクやマーセリンを始めとする歌好き連中を筆頭に、なにかとヘンテコな歌やら曲が披露されるのも本作の味。

  いずれもまさに ”調子外れ” という具合で、一聴したタイミングでは(なんだこれ)ってことも多く、事実無意味なカオス歌だらけなんですけど…さり気なく「これあの時の…」って歌がドカンとハマる場面もあったりして確実に大事要素だったりします。

  前述の ”ベーコンパンケーキの歌” をフィンがオマージュした ”最強の木の杭作る” の歌好き。なんだそれ。

IslandSong


呼称の変化

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  こういうの特にオタクの皆さんは好きだと思うんですが、キャラ同士の呼び名ってめちゃくちゃ大事じゃない?かくいう僕はかなり気にする方で、アイマスなら「雪歩→千早ちゃん」「千早→萩原さん」この感じが大変好きです。呼称表とか眺めるでしょ?

  本作の珍しさというのか、面白ってなった要素の1つとして、各キャラの呼びかけが仲の進展に伴いフッとしたタイミングで変わるんですよね。

  そして基本的に大々的な ”呼称変わるイベント” とかが無いのも特徴的で、ほんとフッと変わってる。これだけで(あっ深まったな)って読ませる感じが…(腕を組んで微笑む武将の画像)

  この辺も注目して観ると面白いと思います。作者そこまで考えてなかったらすまん。


時の流れの表現

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  アドベンチャー・タイムにて、おそらく一番痺れる要素。時の流れ。いくらでもサザエさん時空でやれそうなカートゥーンの本作。実はしっかりと時間が経過します。

  そしてその表現の仕方がまたさり気ない。比較的分かりやすいところでは、フィンの髪の伸び具合、たまに設けられる誕生会の場なんかで情報が与えられるんですが、木の成長は渋すぎる。子供読み取れないって。


  全体のスタンスに ”時間は戻らない”、”起きたことは起きた” という物を感じられ、それは例えば、怪我をしたなら次回で無かったことにならず、貯蔵した宝をギャグのように失っても(後述)次回以降で勝手に元通りなんてことにはならない。ちゃんと彼らが冒険して宝を得なければ増えない。い…生きてる…ッ!!

  チラッと触れましたが、これらの時間や物事を絡めた過去現在未来の繋がりや、まさしく ”因縁” とでも呼べるものがもう非常に精密な作品で、説明し過ぎず、なんとなくこちらでも時系列を整理できるようなバランス…それが伏線めいて効いてくる感覚…気持ちいい!!『アドベンチャー・タイム』を観ませんか?




好きな話ランキング5


(何言ってんだ)

  好きを集めてたら長々としましたが、まぁ狂った回もあればシリアスもあり、狂った回とか、狂った回とか…個人的に好きな回を最後にまとめときます。行ってみよう♪僕らと今〜♪


5.『遥か遠い世界で』2話『固い絆』

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  本編の前後を描くスピンオフ中編の2話目。悪しき竜の封印伝説が残るガラスの王国にて、その英雄がマーセリンということになっており、今回不運にも解除されてしまった封印をどうにかするため、バブルガムとマーセリンとで王国を再訪するお話。


  「科学の力でなんとかしたる!」というバブルガムと、「歌でなんとかしたる!」というマーセリンが衝突しつつも上手くやるような回ですが、そこまでの紆余曲折がかなり良い。誰もが実は完璧なんかじゃない…それでも…というメッセージ性が…効く。

  本編で語られていたマーセリンの真実について、マーセリンが己のルーツに立ち帰る更なる深堀りがあり、この何かに決着がつくしっとり感と、サラッと驚愕過ぎるラストのある描写にてインパクト大であります。いいぜ。


4. 83-B『欲望の果て』

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  自宅の玄関開けたとこに宝を溜め込み過ぎのフィンとジェイクが、これらの金の使い途や価値に無関心ながら、「邪魔だから全部使っちゃおうぜ」というノリで町で散財する話。

  この使い方が実に本作らしいブラックさというか、まず最初に知る用途は警察への贈賄、次に知る用途は目についた住人に適当に金渡して芸をさせること…という純粋悪ムーブ。


「金の力ってすげ〜もんだな」このジェイクのシンプルな台詞で既に爆笑なんですけど、やっぱり何でも思いのままに人々で遊べると飽きてきて、狂って夫婦の民家に押し入って「金食えたらこの金を全部やるぜ〜」という逆強盗に行き着く。こんなんキッズ向けで流していいんか。ある意味で教育か。


3. 75-A『レモンホープの旅立ち』75-B『レモンホープの帰郷』

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  サイコ姫バブルガムの生体実験筆頭犠牲者集団にして、悲しきレモン王国。軒並み情緒・倫理に問題のある個体しかいないレモンたちの中でも、唯一まともな知性と善性を宿した個体レモンホープくん。

  全国民の犠牲を以て難を逃れた彼が、己の血の中に眠る暴君の片鱗と戦い、出会い、自由を理解する話。A面とB面の2話続きになってます。

  この回、やたらとレモンホープくんの ”心の中” の風景を見せてくれるのですが、この描写がもう凄い。真っ暗な中を暴君に鎖で絡め取られていたり、エッシャー的な無限の描写だったり、彼の置かれてる心情が痛いほど伝わる笑えない出来をしており、キッズが観ると理由もわからず怖いんじゃないかと思う。

「自由になると怖い夢をたくさん見るね」

「(僕を助けない)アイツが助けないのも自由なんだ」

  などの台詞も印象深く、こんなに ”自由” の厳しさを剥き出しに描くカートゥーンってあるのかよ!って感じです。ハープを弾くんだ。


2. 87-A『レンガな気分』

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  無意味不条理回の中でも抜群の面白さを誇る超絶シュール回。

  本気でなんの前触れも無く、ジェイクが原っぱのボロ煉瓦小屋の欠落したブロック箇所にブロックの1つとして収まり、それをフィンは無線機だけ足元(?)に置いて放置して帰る。

  すると、何故かジェイクがそこから見えるウサギの暮らしを実況し始めるので、無線機から流れるそれを全員が無言で固唾を飲んで聞いているだけ…という話。


  このさながら大自然ドキュメンタリーめいてくるジェイク実況の言葉選び、表現力が巧みすぎて永遠に爆笑できること請け合い。何だったのかは全く分からないけど、この面白さは異常だと思う。


1. 『遥か遠い世界で』3話『ずっと一緒』

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  ま〜〜やっぱりこれ、知ってる人は予想に違わないと思いますがこれです。5位と同様に中編スピンオフからの選出。その3話目となります。ここまで、本編を全部観たならここまで観ちゃおう。お願いします。

  度々本編でも迷惑かけてた ”死の世界” を訪れることになったフィンが、離れ離れになったジェイクを探してあっちこっち…という内容。


  あのお洒落な本編ラストから、満を持してのフィン&ジェイクの結論のような話で、前話『固い絆』にて(えっ)てなった一瞬も相まって全てが素晴らしく、全てが納得。流石にもう万感の涙が零れ落ちました。🤜💥🤛アドベンチャー・タイム!!



おわりに

  本プログラムは以上となります。如何でしたか?気になったならどうにかして観てください。…と突き放すのもあれなので、2025年独自調べ…う〜ん…

  TSUTAYADISCAS神でもシーズン6までだな〜…円盤高〜〜…やっぱりまだ日本にはシーズン7以降が無いな〜……









🤔


U-NEXT神!!シーズン分割して復活!!🥳🥳

(神たる所以)

  というわけで、U-NEXT神を契約してる方なら無料で観れちまうようになりましたので、よかったらご自身のペースで少しずつどうぞ。

  他にもね、狩りの魔法使いとか、フレイムとのあれそれとか、「スターチーはプレゼント無しですぞ!!」とか、ビーモがうざい人にマジギレ号泣するとか、腕とか、ファーンとか、無限列車編とか語りたいですけど流石によします。『アドベンチャー・タイム』を観ませんか?


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