『BLUE REFLECTION TIE/帝』をやりました感想
はじめに
最近しばらくツイッターにて狂い散らしていた『BLUE REFLECTION』…主に『帝』に関しての、感想と巨大キャラ語りになります。その節はお世話になりました。何もまとまりのない思いついたままなので御容赦。あとこのnoteとかいうのも初めましてよろしくお願いします。
ストーリーに関わる直接的な大きいネタバレは無いですが、あるキャラはガッツリかも。感想文なのでクリア後は推奨。一部デートイベント抜粋と、あるキャラについてはアニメの様子なども少し触れるので、個人の裁量でお願いします。
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起こり
全ての始まりは、ツイッターにて”ブルリフ”なる物に永遠に狂っている相互の”狂い”が気にかかったこと。
当時、エルデンリングDLCなども落ち着いて、微妙にプレイするゲームに迷っていた頃で、「メタファーまで時間あるしな〜」くらいの気持ちで普段ならあまり手を出さなそうな雰囲気の本シリーズ(初作:『BLUE REFLECTION 幻に舞う少女』)に飛び込んだ…のが夏も暴れる2024年7月24日。
(DLCコンテンツ水着ばっかだなHENTAIゲームか?)と一抹、いや大量の抹の不安を抱えながら恐る恐るプレイし始めたら、もうあれよあれよとシリーズの美麗で繊細な、それでいてクセになるなんか変なとこやらに引き込まれて、1作目を終了。HENTAIゲームではあったかもしれんな。
その後、無限に作画が不穏なアニメ『BLUE REFLECTION/澪』の鑑賞会なども挟みつつ…そして現在、これを書き始めたのが集大成足る『BLUE REFLECTION TIE/帝』…を2周した10月26日。およそ3ヶ月間ずっとこの世界に浸ってた訳です。これで思い入れが生まれないとか無理だよ。想いの力だよ。メタファーとっくに発売してるよ。触ってないよ。想いの力だよ。
ゲームについて
一応ゲームに焦点を当てたお話をすると、皆さんご存知のお絵描き怪人・メル氏と、これまた皆さんご存知のコーエーテクモとガストちゃんの協力の元で発売され、1作目『幻』そして2作目『帝』双方ともコマンド形式のいわゆるJRPGとなります。(ソシャゲは残念ながら終了してたので遊べず。あったら狂っていた気もするので救われた可能性もある)
両作ともその辺りのシステムについては比較的緩めで、”ガチガチに考えて戦闘を”という難易度にはなっておらず、あくまで本作のメインコンテンツである、個性的な女の子らとのコミュニケーションに重きが置かれてる感じでした。なんなら、1作目なんか戦闘でレベルは上がらず、デートしたらレベル上がる潔さ。2作目はもう少しゲーム性が出た印象。
いずれの作品も少女たちの不思議で眩しく少し物哀しいひと夏の物語…という具合なので、突き抜ける青空に、蝉の声、ヒマワリ、賑やかな制服…といった”ザ・夏”の何もかもが…疲れた脳に非常に効く。あと何故かついでみたいに書いちゃいますけど、音楽が本当にとんでもなく良いので、最近は無限に聴いてます。やれば分かる。4章だよ4章。
『帝』
そんな3作を経て、ここで僕が語りたいのは冒頭の宣言通り…愛央ち…やはり『帝』…過去作を知らずとも楽しめ(証言も取れてる)、過去作をやっていると尚の事楽しく全てが報われていくような集大成となっており、一周目を終える頃に僕の涙腺は枯れ果て、二周目を終える頃にはストックの涙腺も切れた。
以下はザッとした『帝』あらすじ。
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自分の平凡さに嫌気が差す平々凡々な毎日に、突如として憧れていたような異世界転移が発生。気が付けば知らない記憶喪失女の子が3人と、周辺を海に囲われた高校にやって来た星崎愛央。絶海の孤島…ならぬ絶海の孤学校にて「お家に帰れるようにがんばろ〜」なサバイバル開始。この生活を通して誰もが本当に大切なものを見つけることになる…。
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というお話。
というわけで愛央ちゃんの話
というわけで愛央ちゃんの話をします。まず名前が良い、あお…ブルー…愛の中央…名前が良い。なにはなくとも星崎愛央…彼女なくして語ることは出来ぬ”ザ・主人公”。そもそもの陽気めな気質とアニメやラノベで培った脳のお陰もあって序盤はのほほんと前向きな様子。
苦節ありつつ学校生活にはどんどん仲間も増えていって、全員の太鼓判もあり愛央ちゃんはなんとリーダーにまで抜擢。自分には何も無いと思っていた、そんな彼女が認められるこの時の感じ…頑張れ…頑張れ…。
役が人を作るのか、能天気めな彼女なりにリーダーとして頑張っていくのだけど…やはり襲い掛かる手痛い失敗と責任。たぶん、”リーダー”としてという思いもそうだけど、”リーダー”じゃないと何もなくなるとか、そういうことも考えていたと思う。
落ち込む彼女に仲間たちが掛ける言葉は…愛央ちゃんが求めていた”特別”とはなんだったかを気付かせます。この辺りからの彼女の覚悟の決まり方…通常戦闘BGMの変更も相まって…堪んねえ…。星崎愛央…。
人間味溢れつつ、どんな子からも良い所を見出だせて、人に自然に合わせて可愛がったり可愛がられたり…でも、明るいだけでもなく仄暗い面も持ち合わす…。物語のキーであり強力な武器でもある”想い”を、皆から引き出す重要な役割を、十二分以上に全うできるこの魅力は彼女だからこそだと感じます。
そんでそういった人間の”想い”、つまり相互の信頼や共感が重視されるこの世界において、もう一人語りたい象徴的な人物…駒川詩。
僕は詩ちゃんが好き
幼少期より共感能力の徹底的に欠けている、本人曰く”壊れている”人。誰の気持ちも分からずに”苦しんでいた”彼女は、とある事件が切っ掛けで、痛みだけが生を実感させてくれるものと考えるようになり、自他共に傷付けることに悦ぶようになっちゃった…という哀しみの子。苦しんでるんですよね彼女…苦しんでたんだよ…なあ?
アニメでは非常に楽しそうに敵味方の場を散らかしては、山田に雑に扱われて「やぁん❤」と悶える…周囲を巻き込む破滅的マゾとして印象的でした、というか好きでした。大好き。
そんな詩ちゃん。本作ではなんと完全に記憶を失っており、あの高いテンションは何処へやら、とてもお淑やかで静かな大清楚キャラに変身。似たような性癖の僕は当初、(か、返して…!)という気持ちでいたのが正直なところ…これはもしかしたら他の人も感じたことかもしれない、(あの詩ちゃんは無かった事になるのか?)そういう不安…。
──杞憂。
まぁこれが本作の凄く良いところというか…何も見捨てない蔑ろにしない…分かりたい…この姿勢だけでもう老骨には堪らなくてですね。良い子たちだ…良い作品だ…良い作品なんですよ。
愛央ちゃん含む詩ちゃん初めましての子たち、かつて明確に詩ちゃんと敵対していた子たち…今までが少し綺麗すぎた中で、完全なる悪意を抱いて活動していた彼女と相対した時に、”記憶が無いから良いのか?” ”また元に戻るんじゃないか?”と生まれる戸惑い…ギクシャクしながら誰もが少しずつ、駒川詩の過去と今とを受け入れていくことになります。
そうした言わば爆弾女子に一番親身に寄り添い、「なぜ私が嬉しいと嬉しいのか」「こういうことが分からない」「あれはどういう意味か」半ばひと昔前のエーアイとの会話に等しいものに真摯に付き合えるのがやっぱり我らが愛央ちゃん。
例えば愛央ちゃんと詩ちゃんの一幕。
他の子とのコミュニケーションが上手くいかないと零す詩ちゃんに、愛央ちゃんは「詩さんもいつか出来るようになるよ」となんの気なしに返答します。これに対する詩ちゃんの返答は「星崎さんが何故そのような嘘を付くのか分からない」なのです。
愛央ちゃん的には嘘のつもりでは勿論無い…おそらく励ましに近いもの、しかし詩ちゃんの性格・現状をみれば現実的にあり得ないことを根拠無く「出来るようになる」と言っている…なので詩ちゃん的には”嘘”。詩ちゃんも別に糾弾してやろうとか、揚げ足取ろうとかそういう意図は全く無く、純粋に分からない。
こうした、”普通”に慣れ親しんだ人からするとギョッとしてしまうような、なあなあに済ましている部分を誤魔化し無しに切り込んでしまう詩ちゃんに対して、愛央ちゃんはというと真正面から受け取って、気付かされ、分からないなら一緒に答えを模索します。だって分からないんだもん、愛央ちゃんも、誰しも、取り立てて見てこなかっただけで、詩ちゃんと同じ、直視してみれば人の心なんか分かったようで分からない。
「詩さんに言われて、思ったんだ。どうしてそれが当たり前、って思ってたんだろうって」
これ凄いと思うんですよね。
教える一辺倒じゃなくて、教われる愛央ちゃん。愛央ちゃんでよかったんだよ本当に。平凡なんかじゃないんだよ君は、そんなの誰もは出来ないんだよ、自信持ってくれよ。
おわり
もうほとんど愛央ちゃんと詩ちゃんの語りになってて止まりそうにないのでやめますが、星を見に行ったり、天の川に願ったり、こころちゃんマジで大切とか、ヒナちゃんと柑橘良かったなほんと良かったなとか、詩帆ちゃんのトンファーキックがエロとか、時が来そう過ぎたみょんみょんとか、すっかり大好きになった平原家とか、二周目やってくれとか、他にもいっぱい語りたいよ…。全員好き…ほんと全員好き…。
ありがとうございました。本当に楽しかったです。この作品を好きな人もありがとうございました。そうやって僕にも繋がってきたような気がします。
たぶん、また夏が来て、突き抜ける空を見て、蝉の声を聴いて、ヒマワリを見て、賑やかな制服を見て…これからも本作との”繋がり”を思い出していくのだと思います。
”特別”は…ここに。