#50 「右の脳で君を愛してる」のほう【Dear/Mrs.GREEN APPLE】
映画もみました。
ミセスはライラックから5か月連続毎月新曲をリリースするだとか。その2曲目にあたる、映画「ディア・ファミリー」の主題歌だったのがこの曲、「Dear」である。
曲は「ナハトムジーク」の系統を残しつつ、どこか明るさを感じるような壮大さを感じた。ピアノと弦のピッチカートからはじまるイントロはヒゲダンの「イエスタデイ」を彷彿とさせるものもありつつ、緩急という点も曲を盛り上げる一要素として機能しすぎているくらいだ。
僕はこの曲の初披露に居合わせているが、その時はパンとジャムだけ覚えて帰った(笑、これは言いすぎか。)。生きることや人とのかかわりがのびのびと、同時に力強く歌われた一曲だ。
映画「ディア・ファミリー」は、先天性心疾患をもった愛する娘のために人工心臓をつくろうとする家族の実話をもとにした話。上にあげたのは1番のサビの歌詞だが、MVだと大森さんから心臓移植を受けた女の子の話ととらえられそうな描写も多く、ネットでもその意見が多い印象。
このサビの部分の歌詞は、左、右、両という頭のフレーズがそろっているところが綺麗だと感じるのは僕だけではないと思う。大森さんがどの程度ねらったものかはわからないが、医学的に、殊、解剖学的には左右の非対称性というのはかなり重要である。
心臓はどこにあるか。鼓動を感じる際、左側の胸を押さえることがおおいだろう。実際、心臓は左よりではあるが中心に位置している。左胸の鼓動を感じるのは、体全体に血液を送り出すための左心系が発達し、力強く動いていることと関係がある。
ミセスの曲には「Circle」という大森さんの歌声の裏にピアノが大変映える曲があるが、その最後には「廻り行く血液 着替えてみる」という歌詞がる。大森さんにとって血液のながれ、鼓動、というのは生きているということを強調するものなのだろうか。
左脳・右脳という言葉は教科書などで見ないと思っていたが、これは神経解剖学など学問における専門用語ではないようだ。(したがって右脳がどうという主張は正確性を考えるとそれ自体微妙かなあとか思ったりする。)ほとんどの場合脳は左右両方一緒に動いているが、神経解剖学を勉強したときに、言語野が左半球に認められる(ことが多い)重要な機能局在であることがポイントだったのを覚えている。言語野とは、簡単にいうとその名の通り、言葉を話すとか理解するのに重要な部分であるので、ここでの「右の脳で君を愛してる」という表現は、言葉とか言いたいこととか、そんなものはおいといて、そんなものなしに思いのままにその人のことを愛している、ということだととらえたいと思う。そして、ラスサビでは右の脳で明日を夢見る、と来る。ここの説明が、この理論だと難しいんだけども、、、
noteをかいてるし、僕は能力知名度はないにしても、ものかきではある。また、綺麗な表現やおしゃれな例え、韻とか、いつからか言葉を用いた表現が本当にすきになった。それを自分でたくさん生み出したいとさえ思う。歌詞とか創作でかいてみるとこの難しさがわかる。ミセスの歌詞に、ここがいいという部分がたくさんあることはnoteでミセスとか検索すればたくさんでてくるのでその量が証明できるが、「右の脳」に始まる表現をミセスが、大森さんがすることで、言葉を使った言葉を使わない表現の奥行きを感じさせられた(勝手に)。そしてこの表現の仕方も、また野暮か。ごりごりに左の脳を使って言語化している自分に失笑しつつ、note50枚目記念としましょうか。笑
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