「お立ち台とプレッシャーとの付き合い方」について考える #内省録
何気なしにふと気になったテーマを取り上げ、自分の経験、思考、価値観と向き合いながら深堀りをしていくシリーズ。内省したものをこうして記録することで、
エンジニアとしての成長のロードマップ
自分が取り組んでいる分野の動向の推察
今後の活動に関する意思決定
のために役立てていこうというもの。要するに、思考・価値観の人間ドックである。
最近、日野自動車の品質不正問題の報告書が公表されてニュースなど各種メディアで話題になっている。特に「第10章 従業員アンケートの結果」の章は、自分自身がメーカで働いていた時の様子と重ね合わせることで、なかなか生々しい想像を膨らませることが可能となる。
このあたり、一度ある程度の深堀りをしたものについては、すでにYouTubeにアップロードした。
動画では、報告書の中で気になったアンケート結果について触れ、それについて「自分の経験ではどうだったか?」という視点でコメントをしている。
実は、そんないくつかのアンケートの中でも、私が最も気になったものがこれである。
そう、つまり「お立ち台」だ。これについて、動画ではほとんど深堀りしきれなかったので、ここでしっかりと深堀りをしていきたいと思う。
「お立ち台」の経験
動画内でも若干触れたが、私はこの「お立ち台」をベンチャーのメーカ時代に経験をした。
そのベンチャーでは創業初期から「お立ち台」よく発動されていたらしい。私の採用面接のときに「うちの会社、結構激しい議論をすることもあるけど、どう?まぁ、みんな製品づくりに拘りがあったりするからなんだけどねー」と言われていた。ただその時は、厳しい分、得るものたくさんありそうな職場環境のように見えて入社を決断した(もちろん、結果的に得たものはたくさんあった)
ただ入社後に聞いたのは、「お立ち台」によって過去辞めていった社員の人数がなかなか多いということだった。そこからは嫌な予感を脳の片隅に感じつつ、仕事をする感じだった。
入社後、何人かの人に対してお立ち台が発動されたのを眺めていたが、それを見てわかったのは、特定の人物がターゲットになって発動されるということではなさそうであった。
では何をトリガーにお立ち台が発動されていたかというと、それはプロマネにとっての不都合。具体的には、
スケジュール遅延
プロマネ都合のスケジュール短縮
プロマネ都合の装置仕様変更
単なる不機嫌、八つ当たり など
という感じ。プロジェクトを順調に遂行するためにはプロマネとの日々のコミュニケーションが重要であるのだが、プロマネとの距離が縮まれば縮まるほどお立ち台に立たされるリスクが急増するので、まるで映画シザー・ハンズのようだ。
そして、とあるプロジェクトで、とうとう私が「お立ち台」に上げられる日がやってくる。
記事を引用して経緯を書くと、
こんな怒号・叱責が、Slack内の全社員が見れるチャンネルやら、社員が普通に仕事をしているオフィスフロアやらのオープンな場にて公開されるわけである。
おそらくこのときが、私の人生で最も「とにかく時間がほしい」と強く願った瞬間だと思う。
これだけ聞くと「会社のパワハラがやばい」「ブラック企業だ」と思う人が多いだろう。そんな人たちの嫌な予感は見事に的中していて、その後私は適応障害を発症する。以前、役員からされた「減給の判断」については、もちろんそんな議論ができる状態ではなくなった。
そして休職→退職という決断をすることになった。
「お立ち台」や「プレッシャー」は悪なのか?
そんな経験をしたにも関わらずこんな事言うのもアレなのだが、個人的には「お立ち台」や「プレッシャー」の職場環境は、絶対の悪とまでは言えないんじゃないかと思う。
その理由を説明するには、自分が大企業で働いていた頃まで遡る必要がある。
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